高市政権は先の米中首脳会談を横目で見ながら、対中戦争を念頭に自衛隊と米軍との共同訓練を活発化させ、宮古、八重山など沖縄で基地機能の強化・拡大を図っている。さらに玉城デニー県政の転覆を狙い、辺野古転覆事故を利用しながら、9月の県知事選に向けて策動を強めている。
こうしたなかで「第49回5・15平和行進」と「平和とくらしを守る県民大会」(同実行委、沖縄平和運動センター主催)が5月16日、沖縄県で取り組まれた。自衛隊の配備が進む宮古島、石垣両市でも同様の行動が取り組まれた。

平和行進に沿道から激励
行進は嘉手納基地コースと普天間基地コースに分かれて行われた。
前日、那覇市で開かれた全国結団式には全国の労組青年部を中心に約800人が参加。森岡稔・実行委共同代表(沖教組委員長)は、復帰後54年を経た現在でも米軍基地が県民に犠牲を強いていることを指摘、基地や戦争、核兵器のない沖縄の実現を呼びかけた。山内末子共同代表(県議)は本年度の県当初予算が戦後最大の9000億円になったことや、観光人口も高水準の一方、いまだに不発弾や米軍による事件・事故が多発していると訴えた。
激戦地だった嘉数高台から、普天間基地の東側に沿って約12キロを歩く普天間基地コースの出発式には約950人が参加、伊波洋一共同代表(参議院議員)が「基地が戦後81年、そして復帰後54年もいまだに残っていることを見てほしい」と呼び掛けた。また、玉城デニー県政を支える与党県議からも連帯と闘う決意が訴えられた。
木村光伸・熊本県平和運動センター共同代表は「沖縄に基地負担を押しつけてはならない。現状を肌で感じ、地元に持ち帰って伝えたい」と応えた。
行進団が住宅街に差し掛かると住民が家から飛び出し、激励の意を込めて手を振る光景が随所で見られた。基地被害に悩まされ続けている基地周辺住民の思いを受け止めた行進団参加者の「日本、沖縄を戦場にさせるな」「米兵の犯罪許さない」とのシュプレヒコールにいっそう力がこめられた。妨害を試みた米軍と高市の手先である右翼も、行進団の迫力に押される一方であった。

県民大会に2000人が結集
「県民大会」の会場には、2000人以上が詰めかけた。
主催者あいさつに立った高良沙哉共同代表(参議院議員)は宮古、八重山地域で進む軍備強化に触れ、「復帰54年、新たな戦前の様相だ。戦争を止められるのは平和を求める国民の意思だ」と力を込めた。本土を代表してあいさつしたフォーラム平和・人権・環境の染裕之事務局長も「基地のない平和な島はいまだ実現していない」と指摘、不平等な日米地位協定の抜本改定、辺野古新基地建設の阻止を呼びかけた。
来賓あいさつを行った玉城デニー県知事は、平和を求める沖縄の思いを全国に届けようと訴えた。
地元自治体議員からも歓迎と連帯の訴えが行われた。仲村未央県議は「沖縄の現実は政治の意思でつくられてきた。そうであれば、私たちで政治を変えていこう」と強調した。
韓国の反基地団体である進歩連帯・主権行動ノモのイ・ヨニ共同代表は、米国によるイラン侵略戦争を挙げ、「覇権のためなら人権も命も踏みにじるのが彼らの本性」と断じた。
続いて嘉手納、普天間両コースの団長と本土代表がそれぞれあいさつ、沖縄で感じた米軍の戦争政策とそれを支える高市政権との闘いを展開していく決意が訴えられた。
次に岸本喬事務局長(沖縄平和運動センター事務局長)が大会宣言を読み上げた。宣言では高市首相による「台湾有事発言」を厳しく批判、「県民の基本的人権が蹂躙されている現状を看過できない。満腔の怒りをもって抗議する」とした。その上で、今年3月に辺野古で起きたボート転覆事故に触れ、「安全管理体制全体に問題があることは明らか。その責任に正面から向き合った上での謝罪と補償が不可欠」と記した。
大会は最後に参加者一同が「基地のない、平和な世界を実現しよう」と誓うガンバロー三唱で締めくくられた。
「基地のない平和な沖縄、日本を」という全国の行進団参加者の叫びを力に変えて、高市政権を倒し、玉城デニー再選、そして「日中不再戦」、独立・自主の政権を実現しよう。(T)
玉城デニー県知事のあいさつ(要旨)
復帰から54年が経過してもなお、国土面積の0・6%しかないこの島に、日本全体の米軍専用施設の約70・3%がある。騒音や環境汚染、米軍人や軍属による事件や事故が繰り返され、県民生活に大きな影響を及ぼしている。国際社会が揺らぎつつある中、県はアジア太平洋地域の平和の構築や相互発展のための地域外交推進に取り組んでいる。沖縄21世紀ビジョンに基づき、県民一人ひとりが豊かさを実感できる、誰一人取り残さない、沖縄らしい優しい社会をつくっていきたい。そのためには、対話による信頼関係の構築によって平和な世界を実現すべきだ。間違った道を子どもたちに歩ませないよう、お年寄りに二度とあの惨禍を味わわせるようなことがないよう、負けずに頑張ろう。