熊本県で7月28日、最大震度7の地震が発生した。約40人が死亡、住宅被害は1万2000棟以上、広範囲に停電や断水が続いている。商業施設では爆発事故が発生した。
熊本地震によって、改めて、歴代自民党政権、高市政権が、国民の命の危機を顧みない政権であることが明らかになった。
災害の発生は防げないが、その後に起きたことはすべて人災なのである。
高市政権は国民生活を徹底的に無視し、対米従属で中国敵視の戦争準備を進めた。25日に閉会した第221回特別国会においても、国旗損壊処罰法、国家情報会議設置法、改定皇室典範、改定個人情報保護法などの悪法を次々と成立させた。
政治の転換を求める国民の願いは、以前から高まっていた。総選挙では、高市自民党が状況を「変えてくれるのでは」と期待を集めた。だがこんにち、国民の怒りと不満はさらに高まって政権支持率は急落、地方選挙での敗北に見られるように、メッキは剥がれつつある。自民党内でも、高市政権への異論が広がりつつある。
政権を追い詰め、打ち倒す条件は、広範な国民の中、とりわけ女性や若者の中に急速に広がっている。
だが、野党の国会議員は国民の願いに沿って政権との闘いを強めるどころか、多くが与党との取引に明け暮れ、しばしば支えるという堕落ぶりだ。国民の、既成政党への不満と批判は募るばかりである。
悪政を打ち破る力は、怒りを強める国民の中にある。
とりわけ米軍基地に反対して闘う沖縄県民、食料自給政策確立を要求する農民、平和を願って行動に立ち上がった若者や女性など、闘うエネルギーは増大しつつある。
横浜市などで7月21日〜23日に開催された第22回全国地方議員交流研修会は、「地方から政治を変える」を合言葉に、地方・地域の怒りと闘いのエネルギーを基礎に、連携した闘いの前進を予感させるものとなった。
高市政権を打ち倒し、独立・自主で国民大多数のための政権を樹立するため、労働者を中心にした国民諸階層の闘いと戦線形成が求められている。わが党は、国民的戦線の形成と闘いの発展に力を尽くす。
住民生活の再生が第一
高市自民党は総選挙で「日本列島を、強く豊かに。」などと訴え、幻想をあおった。だが、大企業の利益優先で国民の生活と営業の危機を打開できるはずもなく、不満と怒りが広がり続けている。ここが、高市政権の最大の弱点である。
1985年の阪神・淡路大震災、2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震、2024年の能登半島地震、さらに今回の熊本地震、毎年のように起きる豪雨被害など、大規模災害が相次いでいる。それにもかかわらず、政府は人命を救う避難所整備や備品・物資備蓄と供給などの責任をまったく果たさず、放置している。
7000人以上がこんにちも避難生活を強いられているが、多くの人々が避難所の床で雑魚寝を強いられる状況は10年前に起きた熊本地震の状況からほどんど改善されていない。記録的猛暑の中、エアコンもない劣悪な状態に放置され、食料や飲料水、簡易トイレなどの不足も深刻だ。
政府の無策・無責任ぶりは、地震そのものよりも、避難生活などにおける負担が原因で亡くなる「災害関連死」が、死者の大部分を占めていることにも示されている。犠牲のほぼすべては、「政治の責任」だ。「救えるはずの命」を災害関連死に至らせてはならない。
高市政権は、国民が切実に願う、物価高対策もほとんど行っていない。
首相が表明した「食品への消費税率1%」は来年4月からで即効性がなく、物価が下がる保証もない。しかも限定措置で、2年後には大増税が待っている。
外食産業の税負担は変わらず、食品販売業との競争上不利で、きわめて不公平だ。
高市政権は肝心な最低賃金引き上げに関し、「全国平均1500円」の達成時期を先送りした。この影響で、厚労省の審議会が決めた目安は、全国平均で時給55円アップに抑えられた。昨年度の66円を下回り、労働者の生活改善にはおよそ不十分である。
OTC類似薬(市販薬と成分・効果が似る医療用医薬品)を保険対象から一部外す改定医療保険制度法、人口減少地域での介護や障害福祉サービスを切り捨てる社会保障・福祉制度改革関連法など、社会保障制度も次々と改悪され、国民負担はますます増える。
こうした悪政の結果、勤労世帯の平均所得は、四半世紀前の水準を大きく下回っている。相対的貧困率も15%以上と改善の気配さえなく、先進国(G7)で最下位だ。とくに高齢世帯やひとり親世帯の状況は深刻さを増している。
高市政権は国民生活には冷淡な一方で、石油元売り企業への「燃料補助金」のように、企業には手厚く補助金をばらまいている。「強く豊かな日本」投資枠として、40年度までに17分野に計370兆円超の成長投資を注ぎ込み、大企業を支援することも決めた。
広がり、深まる「不満と怒り」を結集することこそ、高市政権を倒し、政治を変える道である。
政治軍事大国化進める高市政権
もう一つは、戦争の危機をはじめとするわが国の進路の問題である。
イラン戦争は、米帝国主義の凶暴さと同時に、彼らの歴史的衰退をもあらわにさせた。米国はイラン政府・人民に事実上敗北した。だが、トランプ政権は無法な攻撃を続け、国際的孤立をさらに深めている。対米従属のわが国の進路は、ますます深刻に問われている。
米国の狙いは日中両国を争わせ、自らは「漁夫の利」を得ることである。高市政権はこの戦略に追随し、アジアの大国として登場することを夢見て政治軍事大国化の道を突き進んでいる。
高市政権は、昨年秋の「台湾有事は日本有事」発言を撤回していない。台湾が中国の一部であることを事実上否定し、中国の内政問題に公然と介入している。対国内総生産(GDP)比率3・5%(約24兆円)までの大軍拡に突き進んでいる。沖縄をはじめ南西諸島、全国をミサイル配備などで前線基地化させ、中国との間の緊張を著しく高めている。「安保3文書」の前倒し改定も策動している。
今国会では軍事体制を整えるため、内閣情報調査室を改編し、首相の下で安保・治安情報を一元管理する国家情報会議設置法、表現の自由を侵害する国旗損壊処罰法、改定皇室典範などを成立させた。
高市自民党は「数」を頼りに、数々の悪法を強引に成立させた。とくに改定皇室典範は国民の圧倒的多数による批判を無視しただけでなく、審議時間はわずか6時間であった。高市首相はろくに国会に出席せず、数々の疑惑が指摘されながらの国会答弁もデタラメなものである。
中国敵視の政治軍事大国化は、全国での基地機能強化による住民の負担増、財源確保のための増税や社会保障制度改悪、円安による輸入物価上昇などとして、国民生活をいちだんと揺さぶる。最大の貿易相手国である中国と敵対して、日本の国民経済が成り立つのか。
熊本市の陸上自衛隊健軍駐屯地には長射程ミサイルを強行配備しながら、熊本地震の被災者支援への支援策は出し渋る、これこそ、国民生活を顧みない高市政権の正体である。
政治を変える力は増大している
問題は、野党国会議員の態度である。衆議院で野党第1党の中道改革連合は、国家情報会議設置法や改定皇室典範に賛成した。国民民主党も同様の態度であった。国旗損壊処罰法には、国民民主党と参政党が共同提出に加わった。
彼らは、国民生活無視で大軍拡を進める高市政権と闘い追い詰めるのではなく、しばしば支えている。国民の怒りと不満を共有できず、元凶である高市政権、自民・維新与党を支えるとは、何のための「野党」なのか。国民の立場で与党と闘わぬなら、党を解散すべきであろう。
国会内の闘いだけでは、高市政権を打ち倒すことはできない。国会の危機的状況は一面の事実だが、政権を倒すエネルギーは高まりつつある。闘おうとする勢力は、日々、成長している。
沖縄県民は玉城デニー知事を先頭に、大衆行動を基礎に、9月の県知事選・市町村議会選に向けて闘いを堅持している。平和を求める若者、女性たちは、国会前をはじめ全国でデモに立ち上がっている。政権を倒すエネルギーは高まりつつある。戦争準備が進む全国の基地周辺では、「戦争止めよう! 沖縄・西日本ネットワーク」などの住民運動が闘いと連携を強化している。全国的にも「軍拡よりも防災を」の声が広がりつつある。「令和の百姓一揆」に結集する農民は、食料自給確立と所得補償を求めている。労働運動でも、従来の労働組合にとどまらず、公務非正規やスポットワーク労働者の中での努力が始まっている。
自民党内にも高市政権への異論が広がりつつある。
「地方から政治を変える」というスローガンの下で全国から結集した全国地方議員交流研修会の成功は、こうした流れを促進させるものに発展するに違いない。
わが党は、独立・自主で国民大多数のための政権を樹立するため、諸階層の闘いの発展と連携強化、戦線形成のために奮闘する。