日本労働党九州・沖縄地方委員会 沖縄県責任者・田中剛
一、沖縄県知事選挙が8月27日告示、9月13日に投開票される。併せて、2つの県議補選と26市町村で議員選挙、3つの町村長選挙という形で統一地方選も行われる。わが党は知事選では3期目をめざす現職・玉城デニー知事を支持する。また県議補選、市町村議員選、町村長選では玉城県政を支える議員、候補者を党派を問わず支持する。これは県民の団結を最大限優先させるからである。
自民党は古謝玄太・前那覇市副市長を擁立、公明党県本、日本維新の会、国民民主党、参政党の推薦・支持も得ながら、「県政奪還」を叫んでいる。また、下地幹郎・元衆院議員も出馬を表明した。告示日を前に県内では政治戦が激しさを増している。
一、この間、沖縄では辺野古新基地建設はもとより、宮古・八重山では自衛隊駐屯地が開設され、中国を射程に置いたミサイル部隊の配備が進められようとしている。自衛隊のオスプレイを使用した訓練は全県に広がり、米軍嘉手納基地では県や周辺自治体が反対するなか、パラシュート訓練は常態化、基地由来とされているPFAS(有機フッ素化合物)の流失、米軍やその関係者による性犯罪を含む違法行為も後を絶たないなど、県民の安全・安心は脅かされ続けている。
沖縄は朝鮮戦争、ベトナム戦争、最近の対イラン戦争で見られるように米国の対アジアの軍事戦略拠点にされてきた。そして、こんにち、「台湾有事」が叫ばれ、対中国の軍事拠点化が急速に進められている。
一、こうした状況に対して、玉城知事は一貫して辺野古新基地建設や宮古・八重山などにおける軍事強化について、「専守防衛に反した長距離ミサイルの配備に断固反対」との態度を示している。また、日米地位協定の抜本改定など全国に平和発信を続けている。その上で、「外交・対話を通じた緊張緩和と信頼醸成が必要」との姿勢の下、県独自の地域外交を展開、中国など周辺国・地域との友好関係構築に注力してきた。北東アジア地域自治体連合(NEAR)への加入やアジア太平洋地域の平和発信拠点等の整備にも積極的に動き出している。
一方、自民・古謝陣営は辺野古新基地の「容認」を表明、全県での軍事強化についても「必要性は理解」などと賛意を示すなど、高市政権の対中戦争準備、基地機能強化を支えようとしている。そして、排外主義スローガンを掲げ、沖縄戦での旧日本軍による住民虐殺を否定する参政党から推薦を受けた。県医師連盟は自民・古謝陣営に外国人医療政策や歴史認識、平和教育に関して質問状を送るなど、多くの県民からその政治姿勢に疑問や怒りの声が示されている。当然である。
一、2018年に誕生した玉城県政は発足直後に首里城の火災・焼失、豚熱(CSF)発生、さらにコロナ禍と、次々と試練に見舞われた。だが、子どもの貧困対策基金を30億円から60億円へ倍増させ、子ども通院医療費中学卒業まで窓口無料化を実現させるなど、県民の負担軽減を成し遂げてきた。
2期目においても「県民のいのちと暮らしを守る」を基本にすえ、コロナ禍からの復興、自立型経済の構築に全力を挙げてきた。低所得者には最大10万円を支給し、子ども一人に5万円を支給、中学までの給食費や医療費の無料化を実現するなど生活苦に直面する県民に寄り添う政策を次々と実現させた。また、離島・過疎地域の振興でも成果を出している。
税収入も、自民党県政時代から約2倍に上り、九州7県と比較してもその伸びはトップクラスとなった。自民党もこうした成果を否定できず、今年2月の県議会では、35年ぶりに全会一致で予算案が可決された。さらに3期目に向けて、物価高騰を上回る賃金水準を引き上げること、中小企業の資金調達支援の強化など、県民生活の底上げに向けた政策も打ち出している。
依然として、本土との所得格差等々、多くの課題があるのは事実だが、県土の約20%が米軍専用施設に占められた上、歴代政権による政治的、経済的圧力ことこそ、沖縄の自立的発展を阻害する最大要因である。それに目をつぶり、「玉城県政で県民は貧しくなっている」(古謝氏)などと言うのは無責任な態度というほかはない。
県民の経済的利益は中国などアジア諸国との経済関係の発展によってこそ向上させることができる。琉球王国時代、中国をはじめ、周辺諸国と「大交易時代」とよばれる一時代を築いた歴史をもっている。地域外交を積極的に展開する玉城県政の優位性は明らかだ。
一、壮絶な地上戦、その後の米軍統治、そしてこんにちに至る対米従属政治の下、県民は幾度も「島ぐるみ」と呼ばれる闘いに立ち上がってきた。
1995年10月には米兵による少女暴行事件に抗議する約8万5000人もの県民総決起大会が開かれ、日米両政府を震撼させた。2013年1月には当時の翁長雄志・那覇市長など41市町村長などが上京、安倍首相(当時)にオスプレイ配備撤回、普天間基地の撤去と県内移設の断念を柱とする建白書の実現を迫る等々、常に県民は日米両政府と闘ってきた。
そして、「米軍基地は経済発展を阻害している」という経済界、翁長市長をはじめとする保守の人びとも結集した形で建白書の実現を求める「オール沖縄会議」が発足、「イデオロギーよりアイデンティティ」をスローガンに2014年に翁長県政が誕生した。だが翁長知事は病に倒れ、この遺志を継いで登場したのがいまの玉城県政である。
このように沖縄県では県民の米軍基地、米国に追随するわが国中央政府への怒りを中心とした県民運動が県政を争い、時々において県政を担ってきた。
一、総選挙で既成野党は議席を激減させ、高市自民党が衆院の多数を握る状況を許した。だが、物価高対策に有効な手立てを打ち出せず、高市政権の支持率は低下している。また、沖縄でも先の総選挙で野党中央幹部による言動で結束は大きく乱れたが、これを乗り越えて、「沖縄のことは沖縄が決める」という意識が改めて急速に広がっている。
今年3月に起きた辺野古におけるボート転覆事故などを最大限利用した反玉城県政のキャンペーンが張られているが、「玉城県政を守り抜こう」との声が日増しに広がっている。元自民党県連会長も玉城知事への支持を表明、連合沖縄も推薦するなど、玉城県政の継続・発展をめざす保革を超えた県民の総団結がつくられつつある。
「二度と再び戦場にさせない」という県民の教訓、強い意志が玉城県政を支えてきた。知事選勝利と県民運動の発展が、戦争を阻止する重要な砦であり、安保破棄、わが国の独立・自立の政権樹立ために重大な意味をもつ。
改めて、すべての県民に玉城知事の再選、そしてそれを支える地方議員・候補者の勝利に向けた支持を呼びかける。そのためにわが党も全力を尽くことを表明する。