党九州地方委員会の新春講演会が2月1日、福岡市で開かれた。総選挙期間中にもかかわらず、友好団体や地方議員をはじめ各界の来賓、九州各県の同志が参加した。
開会にあたって、九州地方委員会責任者の平石義則同志が、あいさつを行った。平石同志は、「今年も情勢の変化を見逃さす、果敢に闘っていく」決意を述べ、九州・沖縄の課題として、農業・農村を守る課題と九州各県で急速に進む軍備拡大・強化に反対し、中国や朝鮮半島を含めたアジアの平和と共生のための闘いを進めることを訴えた。

世界政治の激変を喝破
新春講演は、党中央委員会政治局常務委員で党沖縄県責任者の田中剛同志が行った。
田中同志は、冒頭、激動する国際環境のなかで、総選挙でもわが国がどういう進路を取るのかが問われる、新年早々からの米国のベネズエラ攻撃、グリーンランド領有問題、国際機関からの脱退など、末路を迎えたトランプ・米国の悪あがきについて、自らが戦後秩序を破壊し、ますます衰退と孤立を深めていると批判した。また昨年末に公開された米国の「国家安全保障戦略」でうたわれている、南北米大陸など西半球を自国の勢力圏として占有しようとする「ドンロー主義」も成功しないとした。
また、米国内の状況は、階級矛盾の激化がニューヨーク市長選挙など政治に反映し、移民取り締まりに対する抗議行動が全米に広がるなどトランプ政権を揺さぶっている、米帝国主義を打ち破るのは全世界人民と連帯した米国労働者階級の事業であると訴えた。
一方、帝国主義から抑圧を受けてきたグローバルサウスの国々と人民が新たな世界の流れをつくろうとしており、その中心国である中国の存在に注目すべきで、中国と米国との力関係は戦略的対峙(たいじ)の段階に入ったと指摘した。
高市政権打倒を呼びかけ
国内情勢について、田中同志は、高市首相の「存立危機事態」発言を契機に、きわめて険悪になった日中関係について、「存立危機事態」発言にとどまらず、米国家安全保障戦略に沿う形での安保3文書改定など異次元の大軍拡、スパイ防止法、非核三原則見直し、「国旗損壊罪」の立法化、憲法9条改定に突き進み、「日米同盟のさらなる高み」を目指そうとする高市政権と闘うことが、きわめて重要であると強調した。しかも「台湾有事」が起こっても、米国は中国と全面的に戦争することはできず、わが国を戦争の先頭に立たせようとしていると批判した。英国など多くの米国の同盟国でさえ中国との関係強化を進めている中で、高市政権は世界の流れに逆行していると指摘した。
中国敵視の流れに抗して、貿易・投資などで中国・アジアとの結びつきが強い九州・沖縄では中国との友好関係を発展させることは、経済界もふくめて重要であると訴えた。
田中同志は、総選挙について、高市政権発足の背景にある「失われた30年」「奪われた30年」の中で起こった階級関係の変化を指摘した。労働者の賃金が下げられる一方でグローバル企業、独占資本が膨大な内部留保を積み上げたこと、もう一つは労働者階級の中での非正規労働者拡大など分化が進んだことを指摘し、奪われた富を奪い返す強力なスローガンと政策が必要だと訴えた。
さらに田中同志は、高市政権といかに闘うかということについて、喫緊の課題として、日中不再戦で最も広範な連携をつくり戦争を阻止する闘い、行動を促すことを第一にあげた。
次いで、沖縄からも共に闘う仲間が来ていることを紹介し、沖縄県民の「ふたたび戦場にしない」闘いを支持することを訴え、県民の総団結と九州をはじめとした全国の支援を訴えた。
また、戦争の問題や国民生活の危機を打開する国民運動の中心としての労働運動、また九州では農民の闘いを支持し、農業・農村を守り食糧自給の確立を目指す課題も重要だと指摘した。
地方議員を中心に呼びかけられている「社会保障の確立を求める自治体議員連盟」の動きや学費値上げなどに反対し学生生活を守る闘いなども積極的に支持し、推進すること、そうした各界の闘いを結びながら、高市自民党に代わる「日本の将来設計図」をつくって世論を広げるためにも、ともに地方議員交流研修会や自主・平和・民主のための広範な国民連合の発展・強化に誠実に協力したいと語った。
総選挙に対する態度を表明
闘われている総選挙について、田中同志は、日本の安全保障政策こそが最大の争点であること、同時に、その日の食料に事欠くほど深刻な国民生活の危機を打開することも争点だとし、「平和」と「飢えさせない」ことが政治の根本課題であると訴えた。日本を取り巻く安全保障環境が大きく変化する中で、東アジアの平和と安全をいかに確保するのかが第一に問われなければならない。そのためには自主外交・米国との距離をおくことを提起しながら、国会の中に「対米自立、アジアの平和と共生」で共同できる新たな政治勢力ができることを願っており、政治再編が大きく進もうとしているなかで、党所属にかかわらずそのような政治家、個人を積極的に支持すると訴えた。
最後に、党の強化・発展について、資本主義、帝国主義の歴史的行き詰まりの様相が強まる中で、社会主義に対する新たな期待と注目が生まれている、社会主義・共産主義への移行は避けがたい、そういう意味では中国による「マルクス主義の時代化」「社会主義建設」に大いに注目している、また、いろいろな論者との討論など通じて、わが国におけるマルクス主義を豊富化したいと述べた。情勢は、戦争の危機がせまるなかで、日本が真に独立する課題は間近に迫っている、内外情勢の見通しをたて、新たな方針、新たな若い党の骨格をつくっていきたい、参加の皆さんの入党を大いに歓迎すると強く訴え、講演を終えた。

中国総領事がメッセージ
その後、各界からのあいさつに移り、最初に中華人民共和国駐福岡総領事・楊慶東氏からのメッセージが紹介された。
続いて在日本朝鮮人総聯合会福岡県本部の李光鎬委員長、福岡県教職員組合連絡協議会の藤井隆晴議長、平和・人権・環境福岡県フォーラムの松尾純一事務局長、自主・平和・民主のための広範な国民連合の中村佳代・全国代表世話人、原竹岩海・福岡県議会議員をはじめ参加した地方議員から連帯あいさつを受けたあと、昨年8月に行われた「アジアの平和と未来をひらく若者訪中団」参加者の学生など現場からの報告が行われた。
新春講演会は、閉会あいさつの後、新入党員の音頭で団結ガンバローを三唱し闘う決意を確認した。
メッセージ:楊慶東・中華人民共和国駐福岡総領事
新年明けましておめでとうございます。皆さまはどんなお正月をお迎えになられたのでしょうか。日本労働党2026年新年講演会の開催に際しまして、中国駐福岡総領事館を代表し、心よりお慶び申し上げます。
日本労働党は長きにわたり、平和反戦の立場を貫き、正しい歴史認識を広め、中日関係の改善に積極的な役割を果たされました。これに対し深く感謝申し上げます。
日本の現職指導者による台湾問題に関する誤った言動は、中日関係の政治的基盤を深刻に脅かしています。台湾問題は中国の内政であり、外部からの干渉は許されません。高市首相の台湾に関する誤った発言に対して、中国側はすでに何度も厳正な立場を表明しております。日本側が問題の根本を直視し、直ちに反省して誤りを正し、発言を撤回するよう強く求めています。
日本の新政権は発足後、軍備強化を加速させ、右翼勢力は虚偽の言説を作り上げ、周辺国を挑発し緊張を生み出し、平和的発展の道から逸脱させ、日本を「新型軍国主義」へと引きずり込もうとしています。これに対し、平和を愛する日本の方々は警戒しなければなりません。
今年は極東国際軍事裁判開廷80周年にあたります。極東国際軍事裁判が日本の戦犯を裁いたことは、国際正義と人類尊厳を守るものであり、軍国主義の復活や侵略拡張を再び企てるいかなる動きに対しても、厳しい警告を発しました。歴史を銘記し深く反省してこそ、未来を切り開き、戦争の悲劇の再発を防ぐことができるのです。
日本労働党の皆様さまは引き続き平和反戦の声を上げ、中日関係に貢献するよう望んでおります。今後ともお力添えをお願い申し上げます。
結びに、午年が皆さまにとりまして活気ある年になりますよう、ご健勝とご多幸を心から祈念いたしまして、お祝いの言葉といたします。
2026年1月吉日