トピックス

世界・日本のできごと(6/1〜6/30)

世界のできごと

米・イランが「覚書」、米国は敗北
 米国とイランは6月17日、停戦延長の合意「了解覚書」に署名した。14項目の合意は、レバノンを含む「すべての戦線」での軍事作戦の「即時かつ恒久的」終結、互いの主権・領土保全と内政不干渉、イランは核兵器を保有しない、米国による海上封鎖の解除、ホルムズ海峡の安全確保、イランの「復興と経済開発」のために3千億ドル(約48兆円)の資金確保(米国は拠出を否定)、イランに対するすべての制裁終了など。両国は、60日以内の最終合意に向けて交渉を続ける。米国とイスラエルによる侵略から4カ月目の合意だが、以降も戦闘は続き、合意の維持は予断を許さない。何より、米国の「早期勝利」の思惑は崩れ、1970年代以降の敵視政策は敗北した。

米、キューバ大統領に制裁
 米財務省は4日、ディアスカネル・キューバ大統領らと5団体を制裁対象に指定したと発表した。米国内の資産を凍結、取引も禁止する。トランプ政権はキューバの政権転覆を公言しており、圧力強化の一環。ディアスカネル大統領は「対立激化を狙っている」と、米国を非難した。米司法省は5月、ラウル・カストロ元国家評議会議長らを起訴したと発表。一方で、ラトクリフ中央情報局(CIA)長官がキューバを訪問するなど、同国への揺さぶりを強めている。米国によるキューバ制裁は62年以来の長期にわたる。独立と尊厳を守り続けるキューバ政府・党・人民への攻撃を強める、米国への国際的批判が求められる。

中国が「理念・提案・行動」白書発表
 中国国務院(内閣)は17日、「より公正で合理的なグローバル・ガバナンス体系の構築:中国の理念・提案・行動」と題する白書を発表した。白書は、2025年に提唱した「グローバル・ガバナンス・イニシアチブ」に基づくもの。同イニシアチブは、「人類運命共同体」や「一帯一路」による「共商・共建・共享(話し合い、共に建設し、成果を共有する)」をを理念に、国連を中心とするシステムの維持や多国間主義、途上国の参加拡大などを重視するとしている。白書によれば、同イニシアチブは約160の国・国際機関から支持を受け、60以上の国が参加する「グローバル・ガバナンス友好グループ」が設立されたという。米国がイラン戦争で孤立を深めるなか、中国の国際政治面での台頭を印象付けるものだ。

中朝首脳会談で関係強化を確認
 中国の習近平国家主席が6月8日・9日、朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)を訪問し、金正恩総書記と会談した。習主席の訪朝は7年ぶり。両首脳は経済や人的往来の拡大を中心に、両国が「新たな時代」を築くことで合意した。中国は朝鮮の核保有に配慮、「非核化」への言及はなかった。米日などはこれを非難しているが、2005年の六者協議での合意は「朝鮮半島の非核化」で、在韓米軍の撤退を含むのは当然。朝鮮の一方的非核化要求は筋違いだ。中朝が「伝統的関係」を再確認したことは、米朝首脳会談の可能性がささやかれるなかで、米国を強くけん制するものとなった。

英スターマー政権が退陣
 英国のスターマー首相が22日、辞任を表明した。与党・労働党は2024年に14年ぶりに政権交代を果たしたが、増税などで支持率は低迷。5月の地方選で大敗。また駐米大使が米国の性犯罪者エプスタイン氏との関係を報じられ、さらに元大使が不正行為疑惑で捜査を受けるなどで責任を問われていた。後継首相は、遅くとも9月までに選出される見通し。英国は欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)の国民投票から10年目を迎えるが、政治の混乱で首相辞任は6人目となる。米国の衰退と併せ、帝国主義国の凋落を示す例といえる。

人民のたたかい

 メキシコのメキシコシティーで11日、サッカーW杯開幕戦のスタジアム外で、賃上げと社会保障制度の改悪に反対する教職員組合、行方不明者の捜索を求める人権団体などが、開催に抗議した。
 英国・ロンドン地下鉄運転士労組が2日、週4日勤務制の導入提案をめぐって24時間ストライキを実施した。
 スイス・ジュネーブやベルギー・ブリュッセルで14日、G7サミットに抗議する大規模デモが行われた。
 チュニジアの銀行・金融機関一般組合(FGBEF)の労働者が23日、賃上げを求め3日間のストライキに入った。

日本のできごと

2026年度補正、ほぼ予備費の横暴
 2026年度補正予算案が6月5日、参院本会議で可決・成立した。閣議決定から成立までわずか3日という異例のスピード成立。物価高騰に苦しむ国民の生活と営業を守る施策が求められているが、一般会計の歳出総額3兆1135億円のうち約97%を政府が後から使い道を決められる予備費とし、危機打開のための内容は示されず。高市政権が自由に使える「財布」を確保しただけとも言え、中東情勢を口実に政権の横暴がエスカレートしている。

高市政権の支持率が続落
 毎日新聞が20・21日に行った世論調査で、高市政権の支持率は51%で前月比ほぼ横ばいだったが、3月以降で見ると約15ポイントも下落した。不支持率は35%で2ポイント増。最大の背景は、物価高騰で国民の生活苦が増していること。併せて、中国敵視の軍拡、中傷動画問題と国会答弁のデタラメさ、暗号資産・サナエトークンによる詐欺疑惑、皇室典範改定問題などがある。高い政権支持率を維持してきた高市政権だが、メッキははがれつつある。

衆議院定数削減法案が審議入り
 自民党と日本維新の会が提出した衆院議員定数削減法案が29日、衆院政治改革特別委員会で審議入りした。野党5党が欠席する中、与党は審議を強行した。同法案は、与野党協議会で1年以内に結論が得られない場合、比例代表定数を自動的に45削減するというムチャクチャなもの。同法案は、維新が連立与党入りする際の条件の一つ。だが、日本の国会議員数は人口比で他国に比してむしろ少なく、定数削減が少数党の排除につながることは明白。自民党内にさえ異論が多いもの。国民の政治・政党への不信の高まりを悪用して定数削減を進めることは許されない。

日銀利上げ、背後に米国の要求
 日銀は16日の金融政策決定会合で、政策金利を0.75%から1.0%に引き上げることを決めた。利上げは6カ月ぶり。「アベノミクス」以来の国債買い入れ額を減らす措置を、2027年4月以降に停止することも決定した。原油高など物価高騰を抑えることが狙い。背景には、ベッセント米財務長官と植田・日銀総裁が5月、パリで異例の会談を行ったことがある。財務長官は、過度の円安が機関投資家の米国債売りを誘発し、金利上昇につながることを恐れて、植田氏に対応を迫ったとされる。わが国金融政策の対米従属性を示すものだ。

インドネシアに護衛艦輸出へ
 小泉防衛相は12日、インドネシアを訪問しプラボウォ大統領、シャフリィ国防相と会談した。防衛相は、海上自衛隊の旧式護衛艦をインドネシアに輸出する方針を説明した。会談では、ハイレベル交流や防衛大学校への留学などの人的交流を深め、5月に設置が決まった防衛装備・技術分野の協力に関する作業部会の議論を加速させることでも合意した。高市政権は、シーレーン(海上交通路)の要衝に位置し、中国と排他的経済水域(EEZ)問題を抱える同国を、「中国包囲網」に取り込もうとしている。

「日華議員懇談会」が名称変更
 日華議員懇談会(日華懇)は11日、「日本台湾友好議員連盟」に名称変更した。日華懇は、日中国交正常化翌年の1973年、台湾との関係維持の目的で結成された。名称変更は頼清徳「総統」の「台湾はすでに独立国」という主張に応えるもので、高市政権による中国敵視策動の一環。かつて台湾を植民地化した日本は、中国の内政に干渉してはならない。

住民置き去りの3目「都構想」
 大阪府議会は3日、大阪市を廃止し複数の特別区に再編する「大阪都」構想の制度案をつくる法定協議会の設置を議決した。大阪市議会でも5月に議決されており、日本維新の会は、都構想の是非を問う住民投票を2027年の統一地方選と同日実施をもくろむ。都構想は2015年と2020年の住民投票で否決された。維新代表の吉村知事も2度目の否決後に「もう挑戦することはない」と明言していた。都構想に固執する背景には、大阪市の財源や権限を「都」(府)に集中させ、大型開発や規制緩和などの大企業奉仕政策を推進する思惑があるが、住民生活は完全に置き去りだ。

川田・八幡市長が産休取得へ
 全国市長会の松井一実会長(広島市長)は10日、京都府八幡市の川田翔子市長が産休取得を発表したことに関連し、首長の産休などの制度づくりについて「合意形成を図る」と述べた。川田市長は5月末、7月20日ごろから産前・産後各8週間の休暇を取ると発表。現職の女性首長の産休取得は全国初。取得は当然の権利で、制度整備は当然だ。

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