解説 地方政治

地方議会で相次ぐ意見書 「非核三原則の堅持」求める声を広げよう

 戦後の安全保障上の国是としてきた3つの原則のうち、「専守防衛」は2022年の安保3文書(国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画)改定時に投げ捨てられた。「武器輸出三原則」も2014年に『防衛装備移転三原則』が閣議決定され、今国会で完全に捨てられた。

 高市政権は、今秋の安保3文書前倒し改定で、もう一つの「非核三原則」(核兵器を「持たず、つくらず、持ち込ませず」)を見直す転換を図ろうとしている。すでに「安保3文書改定に向けた有識者会議」が設置され、議論が進んでいる。

非核三原則の堅持を求める意見書を提出した地方議会
(2025年10 月23日~2026 年7月5日)

 高市首相は、総裁選出馬時に、「米国の拡大抑止のもとで『持ち込ませず』についての見直し」に言及、昨年12月には官邸幹部による「核を保有すべき」というオフレコ発言が発覚した。今年6月には自民党、日本維新の会ともそれぞれ見直し議論を進める、「3文書」提言を提出した。

 高市政権成立以降、この動きに危機感をおぼえた地方議会で「非核三原則の堅持を求める」意見書が数多く可決され、国に提出されている。

 広島県・市議会、長崎県・市議会の被爆地をはじめ、県議会では神奈川、富山、長野、千葉、鳥取、宮崎で、また北海道の函館市や旭川市など7市町議会は堅持に加えて法制化を求めている。

 広島県では自民党会派が主導して提案され全会一致で可決した。自民党本部はこの広がりに警戒を強めている。一方、佐賀市議会等では、「『地方公共団体の公益に関する事件の範囲』を逸脱している」などと自民系の3会派と、公明党、参政党が反対、意見書は賛成3、反対29で否決。公明党は地方議会によっては堅持を明確にしている。

 国と地方自治体は、「上下・主従」関係ではなく「対等・協力」の立場である(地方自治法)。外交、安全保障は地域住民の生命、財産にかかわること、「国の専権事項」ではない。重大な転換に対してより多くの地方から声を上げていくことが求められている。(N)

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