トピックス

世界・日本のできごと(9/1〜9/30)

世界のできごと

米中首脳会談、力関係の変化が鮮明
 米国を訪問した習近平・中国国家主席とトランプ大統領が9月24日、会談を行った。会談は今年2回目で、中国の最高指導者が米国を国賓訪問するのは11年ぶり。両国は「尊重・公平・対等に基づく建設的な戦略的安定関係」で合意。貿易紛争に関して、交渉の来年1月までの延長と、300億ドル(約4兆7200億円)相当の品目の輸入関税を引き下げることで合意した。トランプ大統領は、第2次世界大戦で米中両国が「同盟国だった」と発言した。間接的に「一つの中国」の立場を認めたと解釈でき、中国の優位と米国の衰退という力関係の変化を誰の目にも印象づけるものとなった。

トランプ、国連演説で数々の暴言
 国連総会の一般討論演説が22日、米ニューヨークの国連本部で始まった。トランプ米大統領は演説で、国際刑事裁判所(ICC)を「ならず者機関」と決めつけ、加盟国に離脱を呼びかけた。また、イランとの合意がなければ「即座に壊滅」させると脅し、キューバを「完全な破綻国家」と決めつけた。「比類なき軍事力」による各国への侵略を継続させることも示唆した。演説に、グテーレス事務総長は「偉大な力とは支配する力ではなく、万人にとって良い未来を築く力である」と、苦言を呈した。演説は、米国の孤立をさらに深めるだけだ。

ドイツ2州で極右が躍進
 ドイツ東部ザクセン・アンハルト州議会選挙が6日に投開票され、極右「ドイツのための選択肢(AfD)」が4割超の支持を得て第1党になった。20日に行われたメクレンブルク・フォアポンメルン州議会選でも、AfDが38%を獲得した。後者では、国政与党・キリスト教民主同盟(CDU)が初めて議席ゼロとなる惨敗を喫した。ただ両州とも、AfDが政権を担うかどうかは不透明。物価高騰、とくにウクライナ戦争以降のガス不足・高騰は深刻で、産業用ガスの強制遮断の可能性が浮上するほど。国民の不満を極右がひきつけた形。

グリーランド合意、米軍基地増設へ
 米国とデンマーク、グリーンランド自治政府は22日、新たな防衛協定に合意した。トランプ大統領のグリーンランド領有権主張は、米欧間の大きな火種となっていた。合意文書には「デンマークの主権と領土の保全、グリーンランドの人々の自治権を再確認」と明記されたが、米軍基地が2カ所増加する。温暖化で地政学的重要性が増し、資源も豊富なグリーンランドだが、合意で優先されたのはデンマーク(欧州)の主権で、北大西洋条約機構(NATO)維持のために住民に基地負担を押し付けるもの。

イエメンのフーシが紅海掌握
 イエメン北部を実効支配し、イランやパレスチナを支持する武装政治勢力「フーシ派」(アンサール・アッラー=神の支持者)は、11日までに紅海沿岸部全域を制圧、戦略的要衝である3つの島を占拠した。イラン戦争でペルシャ湾のホルムズ海峡が事実上封鎖されて以降、サウジアラビアは原油輸出を紅海側ルートに依存している。フーシ派は、サウジが米国のイラン侵略を「支持している」として同国の石油施設などを攻撃。サウジに支援されるイエメン暫定政権との紛争も激化している。イラン戦争が、中東の紛争を激化させている。。

人民のたたかい

 フランス全土で29日、教員、消防士、警官、病院職員、交通労働者による30万人規模のストライキが行われた。高校生組合も予算などをめぐりストに参加。財政赤字削減策に反発してのもの。
 中国・台湾の米半導体大手マイクロンの工場で働く労働者が17日、賃上げを求める集会を開いた(写真)。会社側は最大68カ月分のボーナスを提示したが、労働者は83カ月分のボーナスに加え、永続的な利益還元制度を求めている。
 アルゼンチンのブエノスアイレスなどで19日、ミレイ政権による緊縮財政政策に反対し、7万人がデモ行進を行った。
 スペインのマドリードで26日、87歳の女性が70年住んだ家を強制退去させられたことを契機に、家賃高騰と住宅不足に抗議する数万人のデモが行われた。
 ドイツで25日、100以上の都市で学生4万5000人以上が学校ストライキやデモを行った。徴兵制復活の動きに反対するもの。

日本のできごと

日米首脳会談、米に軽く扱われる
 米ニューヨーク訪問中の高市首相は9月22日、トランプ米大統領と会談した。米中首脳会談を前に、対中国政策をすり合わせる狙い。だが、時間はわずか30分ほど。米国が圧力を強める国際刑事裁判所(ICC)についても「率直にやり取り」(高市首相)と述べるのみ。米国からは改めて「円安政策停止」を求められた。首相は「成果」を力説したが、米中首脳会談での「同盟国」発言などに驚愕したのか、26日にも大統領に電話をかけ「日米はいまや最も信頼し合える同盟国」と泣きつく始末。対米従属外交の限界は明らかだ。

国連演説、「旧敵国条項」削除要求
 高市首相は22日、米ニューヨークの国連本部で一般討論演説を行った。「国際裁判所を一貫して支持」とは述べたが、ICCに圧力をかける米国への言及はなかった。国連憲章の「旧敵国条項」は「早急に削除されるべき」と強調した。同条項は、日本など第2次世界大戦の敗戦国が再び侵略政策を取った場合、国連安保理の許可なく軍事行動が行える規定。1995年の総会で「時代遅れ」とする決議が採択されたが、なお削除されていない。削除は当然だが、侵略と植民地支配への反省がない高市政権こそ、「削除」の最大の障害だ。

岩屋前外相が訪中、王外相らと会談
 岩屋毅前外相(日本国際貿易促進協会会長)が中国を訪問、28日、王毅外相と会談した。翌日は何立峰副首相と会談。王外相は高市首相の「台湾有事」発言を念頭に、「間違った言動を速やかに是正すること」を求めた。岩屋氏は「日中間の4つの政治文書の初心と原点に立ち返るように」と応じた。何副首相は、岩屋氏がレアアース輸出の迅速化を求めたのに「民生分野であれば問題ない」と応じた。筒井・経団連会長は「率直な意見交換が行われたことを期待している」と評価。政府の責任で改善に動くべきだ。

高市第2次改造内閣が発足
 高市政権が17日、内閣改造を行った。茂木外相、片山財務相、小泉防衛相など8人が留任、初入閣は笹川環境相など7人。裏金議員から簗農相、関文科相を起用した。日本維新の会から中司規制改革相が初入閣。自民党役員では鈴木幹事長、小林政調会長が留任、梶山総務会長が新任。次期総裁選の対抗馬となる林総務相が閣外に去るなど、首相側近と、政権を支える麻生派を起用した格好。主要人事を維持したことは、中国敵視の反動的な国家機構再編の継続・強化を目指す意図だ。

沖縄県知事選挙、古謝氏が初当選
 沖縄県知事選挙が13日に投開票され、古謝玄太・元那覇市副市長が現職の玉城デニー氏らを破って当選した。古謝氏は自民、維新、国民、参政、保守、公明県本の6党から推薦を受け、辺野古移設を容認。玉城氏は「県民党」を掲げたが、及ばなかった。また、SNSで玉城氏への大量の中傷や偽情報が「本土発」で流れたことも特徴。だが、出口調査の結果でも「辺野古反対」は過半数を占め、県内経済の再生も難題。古謝知事が県政を首尾よく運営できる保証はない。

中道解党、対抗軸なしの末路
 中道改革連合が9日、臨時常任幹事会を開き、分裂を決めた。公明出身議員は公明党に復党、立憲出身は17日に「民主改革の会」を結成。だが、泉健太元立憲代表らは合流せず、新会派を立ち上げる方針。中道は議員1人を残して当面存続するが、小川淳也・元中道代表は、政党交付金のほとんどを総選挙関連の債務返済に充てるためと表明。政策合意もない中道は、わずか7カ月で終わった。野党のぶざまな姿が、高市政権を助けている。

日銀が政策金利引き上げ
 日銀は18日の金融政策決定会合で、政策金利を1・25%程度に引き上げることを決めた。これに伴い、長期金利(10年債利回り)3・075%と30年ぶりの高水準となった。住宅金融支援機構が発表した金利が17年以降で最高となるなど、住宅ローンの金利上昇のほか、資金に余裕のない中小企業では金利負担が増す。金利引き上げは、「リフレ政策の停止」を求める米国の要求に応えたものでもあり、「積極財政」を掲げる高市政権には難題だ。

中電社長辞任、不正体質改まらず
 中部電力の林欣吾社長が30日、辞任した。浜岡原発3・4号機(静岡県御前崎市)の耐震データ不正の責任を取った形だが、これまでも、同原発1・2号機の廃炉作業の費用請求を巡る書類改ざん、安全対策工事での不適切な契約など、問題が相次いでいた。外部弁護士による調査委員会は、巧妙な隠蔽工作を指摘した。総括原価方式の料金体系や政治家などとの癒着、さらにエネルギー政策が変わらない限り、不正は続く。

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