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農村にもう農民がいない(秋田県・兼業農家 佐藤 清司)

 長年、夏は農業で、冬は関東への出稼ぎで、生計を立てている。

 この7月に秋田や山形は記録的な豪雨によって大きな被害を受けた。ただ幸いにも私の住む地域は大きな被害を免れた。私のやっているコメやキュウリも影響はそれほどでもなかった。

 しかし、私も来年には後期高齢者となる身。管理が行き届かなくなるので、以前から毎年田んぼの作付け面積は減らしてきた。だから田んぼの被害が少なかったとも言える。女房も足や腰が痛いと言って農作業がきつくなっている。来年は田んぼをやめるかもしれない。キュウリも今年の3分の2ぐらいにするか、減らすことが間違いないだろう。年金で悠々と暮らせるわけではないので、やめることはできないが。

 この夏、全国の店頭からコメが消え、にわかに「日本の農業は大丈夫か?」などと騒がれた。私からすれば、この夏だけ特に農業の現場に何かあって起こった騒動ではない。流通など他の要因によって起こった問題だと思っている。

 そもそも、ずっと前から農業は大丈夫ではない。私の地域で自分の農地で農業をしているのは私だけ。農村なのに農民がいない。もう少し広く見渡しても、農業法人以外で農業を継いでいる家は本当に少ない。私たち団塊の世代がリタイアすれば、日本の農民数はガタっと減るだろう。

 今回のコメ騒動を機に、都会の人も農業や農村の現状について考え知るよう努めるべきではないのか……などと厳しいことを言ってみたが、ちょっとボケ始めた高齢者の言葉だと思って話半分に聞いていただきたい(笑)。

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