2025年11月9日
日本労働党中央委員会宣伝局長 大嶋和広
一、高市首相は11月7日、衆議院予算委員会で台湾問題に関する質問に対して、「(中国による台湾への)武力攻撃が発生したら(日本の)存立危機事態にあたる」と発言した。発言は1972年の国交正常化以来の日中関係の基礎を破壊するもので、絶対に許すことができない。わが党は発言に断固抗議し、撤回を要求する。
一、2015年に制定された集団的自衛権の行使を認める安保法制では、「わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃」を「存立危機事態」の要件としている。高市首相の発言は、台湾を「他国」、すなわち独立した国家と認めるものである。それを前提に、台湾の側に立って中国と戦争するというのである。
一、わが国は日中共同声明において、台湾が中国の「不可分の一部」であることを「十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第8項に基づく立場を堅持する」と確認した。国会もこれを承認した。「ポツダム宣言第8項に基づく立場」とは、「中国への台湾の返還を認めるとする立場」(栗山元駐米大使)である。台湾は「他国」ではなく、中国の一部である。台湾問題は、完全に中国の内政問題である。日中両国はこの「一つの中国」の確認に基づいて国交を正常化し、以降も継承・確認されてきた。高市発言はこの合意を踏みにじり、従来の政府見解を大きく超えて、中国の内政問題に「武力で」干渉することを公言したのである。
一、高市発言の道は、衰退する米国の世界戦略の最前線で、積極的に軍事的役割を担うものである。わが国を、グローバルサウスの中心国として台頭し経済的・文化的関係が深い中国との戦争に導びきかねない。わが国の前途、国民生活・国民経済に甚大な被害をもたらす亡国の選択で、即刻撤回する以外にない。
一、小泉防衛相が「従来の政府の立場を変えるものではない」と述べたように、政府・自民党内も動揺を深めている。だが、野田・立憲民主党代表は高市首相の「先行」と批判するのみで、台湾を「他国」としたという肝心な点を批判していない。野党の曖昧さも批判されなければならない。
一、わが党は「一つの中国」の立場を堅持し、中国との再びの戦争を避けるための世論を高め、運動を強めるために尽力する。