トピックス

世界・日本のできごと(7/1〜7/31)

世界のできごと

米、イラン攻撃中止の茶番劇
 米トランプ大統領は、7月31日の閣議で「かつてないほどの激しさで大規模攻撃する」とイランを脅した。だが翌日には一転して攻撃見送りを表明した。サウジアラビアなど周辺国の反対を言い訳にしているが、トランプはこれまでも「脅し」と「中止」を繰り返す「自作自演」の茶番劇を何度も演じてきた。米国とイランは6月に14項目の「了解覚書」に署名、60日以内に核問題も含め合意するとしたが、入り口であるホルムズ海峡の管理権を巡ってさえ対立が解けず、海峡封鎖とイランへの海上封鎖が続いている。11月の米中間選挙まで3カ月、米国の国際的威信とトランプの支持率はがた落ちで、挽回の機会もますます少ない。

米・イスラエル、エルサレムで協定
 米国とイスラエルは1日、エルサレムに新たな米国大使館を建設するための用地協定に署名した。土地のリース期間は99年間で、費用は1ドルでタダ同然。米国は2018年にエルサレムへ大使館を暫定移転させていたが、本協定は恒久化を狙うもの。1967年の第3次中東戦争でイスラエルは東エルサレムを占領、80年にエルサレム全域を「不可分の首都」とした。パレスチナは、東エルサレムは将来的に独立パレスチナ国家の首都と主張。国連決議などでは、イスラエルによる「首都」認定を認めていない。トランプ政権は中間選挙で「ユダヤ票」を取り込む狙いだが、中東諸国・人民の反発は必至だ。

米、250年目の独立記念日
 米国は4日、250年目の独立記念日を迎え、各地でイベントが行われた。トランプ大統領は前日、サウスダコタ州で演説した。演説は中間選挙を意識し、民主党の一部政治家を念頭に「共産主義を速やかに打破する」と、党派対立をあおった。世論調査によると、米国民の約20%、共和党支持者でも8%が「今年の独立記念日を祝わない」と回答。土地と命を奪われてきた先住民族からも「独立記念日を祝うことはない」と、不満の声が上がっている。トランプは「米国は人類史上、最も成功した国」などと粋がったが、深まる階級矛盾と社会的分断で、米国民は「祝賀」どころではない。

NATO首脳会議、集団防衛再確認
 北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が7日・8日、トルコのアンカラで開かれた。ロシアの「長期的脅威」やイランの核保有阻止、ウクライナへの700億ユーロ(約13兆円)規模の軍事支援や欧州諸国の防衛費負担増などを盛り込んだ宣言が発表された。イラン戦争への対応を巡りトランプ大統領が脱退を示唆するなど、米欧矛盾が激化するなかでの開催。ルッテ事務総長がトランプを持ち上げるなどの結果、宣言に「集団防衛義務の再確認」が明記された。辛くも同盟破綻は免れたが、米欧関係の先行きは依然不安定だ。

英、新首相にバーナム氏が就任
 英労働党のバーナム党首が20日、新首相に就任した。辞任に追い込まれたスターマー氏の後任。バーナム首相は就任演説で「われわれ(歴代政府)がしてきたことは不十分で、改善しなければならない」と述べざるを得なかった。首相は、物価高騰や住宅対策などを含む基本戦略「10カ年計画」を年内に策定するとした。英国では経済難を背景に短命政権が続き、バーナム氏が10年間で7人目の首相。統一地方選挙で右派のリフォームUKが躍進、政治の安定はほど遠い。

人民のたたかい

 トルコのアンカラで5日、北大西洋条約機構(NATO)首脳会談に反対するデモが行われた。エルドアン政権は道路を封鎖したが、デモ隊は「殺人者NATOは出て行け」などと叫んだ。(写真)
 ドイツのフォルクスワーゲン(VW)が検討していた10万人規模の人員削減と工場閉鎖計画に対して9日、労組(IGメタル)が抗議活動を行った。同日開かれた監査役会では、労組に加え自治体の反対で計画が否決に追い込まれた。
 米国メイン州ビデフォードで13日、移民税関捜査局(ICE)職員がコロンビア人男性を射殺したことへの抗議デモが起きた。市民は「私たちを殺すのをやめろ」などと書かれたプラカードを掲げた。
 韓国の現代自動車労組が13日、人型ロボットの導入に反対して業界初のストライキを実施した。ストは3日間、蔚山工場などで行われた。
 韓国スターバックスで17日、労働組合が結成され、民主労総に加盟した。労組は賃上げや人員増などを求めている。

日本のできごと

熊本で震度7、避難生活改善急げ
 熊本県で7月28日、最大震度7の地震が発生した。30人以上が死亡、1万2000棟以上の住宅被害のほか、広範囲の断水などの被害が生じた。多くの避難所では以前からの劣悪な環境が改善されず、猛暑の中で多くの被災者がエアコンのない体育館などで雑魚寝を強いられ、食料や飲料水、簡易トイレの不足も深刻。2016年の熊本地震では死者の8割を災害関連死が占めた。24年の能登半島地震でも7割近くが関連死と認定されている。政府は命を守るために万全を尽くすと同時に、災害支援体制強化を今度こそ急ぐべきだ。

「骨太方針」、中国対抗の「積極財政」
 高市政権は21日、「経済財政運営の基本方針」(骨太2026)を閣議決定した。高市首相は「潜在成長力を高める」という目標を設定、「責任ある積極財政」によって人工知能(AI)や半導体などの17戦略分野に、49年までに官民合わせて370兆円超を投じるとした。また、「強く豊かな日本投資枠」を新設し、複数年度の予算枠を創設する。従来の「基礎的財政収支(PB)黒字化目標」を後退させた。総じて、中国などとの国際競争に勝ち抜くことを目指して多国籍大企業に大規模な支援を行う内容。だが、30日には異例の日米協調による「円買い」介入に追い込まれるなど、投資家は財政懸念を高めている。中国など新興諸国の発展も急で、成功のあてはない。

改定皇室典範、戦争体制づくりの一環
 改定皇室典範が17日、参議院本会議で可決・成立した。女性皇族が結婚後も皇室に残ることや、旧11宮家の男系男子を養子に迎え、その子に皇位継承権を認める。自民・維新のほか、中道、公明、国民民主、参政が賛成した。「皇族数減少」への対策が口実だが、明治以降に明文化されたにすぎぬ「男系男子」を法的に定め、政権による政治利用をより容易にするもの。戦後の象徴天皇制が、対米従属の限界付きながら維持した「平和」の仮面さえ放棄することを狙ったもの。天皇制は廃止すべきだが、高市政権による戦争体制づくりと軌を一にした改定は直ちに撤回すべきだ。

国民監視の国家情報局が発足
 内閣情報調査室を格上げした国家情報局が31日、発足した。政府のインテリジェンス(情報収集、分析)の司令塔で、警察庁出身の原和也氏が局長に就任。同局が事務局を担う、国家情報会議(議長・高市首相)の初会合も同日に開かれた。外務、防衛、警察、公安調査の各省庁を貫く一元的な分析を行うことで、中国対抗の体制づくりを進める。同局は、スパイ防止法の準備も担う。陸上自衛隊の情報部隊が民間人の思想信条や愛国心などを無断で調査・収集していたことが報じられているが、国家情報局はこれと軌を一にし、対外諜報と国民監視、治安対策強化を狙う反動的なものだ。

「南シナ海仲裁判断」で共同声明
 日米、フィリピンなど14カ国は12日、南シナ海の領有権を巡る中国の主張を退けた国際仲裁裁判所の判断から10年の節目​に合わせて共同声明を発表した。中国に対し仲裁判断を順守し国連海洋法条約に従うよう求めるなどの内容。声明は米国が呼びかけたが、アジアからは日比しか名を連ねず、14カ国のうち8カ国は当事者性のない欧州という虚勢ぶり。米国自身が同条約を締結していないことを黙認し、中国非難に勇んで呼応する日本政府の対米従属・中国敵視の姿勢はアジアでも突出している。

日印首脳、経済安保など共同宣言
 インドを訪問した高市首相は2日、ニューデリーでモディ首相と会談した。両首脳は、半導体や重要鉱物、エネルギー分野での連携を盛り込んだ「経済安全保障協力に関する日印共同宣言」を発表した。AI分野でも「戦略的な研究開発パートナー」と位置づけ、2030年までにインドから500人を招いて共同研究を行う。2兆円規模の対印投資を含む約130件の協力文書も締結した。高市政権は中国に対抗するためインドの取り込みを画策しているが、中国はインドにとって最大の輸入相手国。インドは中国敵視政策と一線を画しつつ、「日本から得られるものは得る」という現実路線をとっている。

企業倒産件数が12年ぶりに5000件超
 上半期の企業倒産件数(負債総額1000万円以上)が前年同期比7・1%増の5346件と5年連続で増加したことが8日、東京商工リサーチの発表で分かった。上半期で5千件を超えるのは12年ぶり。物価高関連倒産は27・6%増の439件で、22年以降で最多。人手不足関連も37・7%増の237件。負債総額は6・3%増の7340億8200万円で、前年を上回ったのは4年ぶり。業種別では、プラスチック製品製造業が266・6%増と大幅増。中小零細企業の経営は限界だ。

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