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歴史的転換期、米帝国主義の復権はない 「完全独立」目指し闘う以外に活路なし(日本労働党中央委員会議長 秋山秀男)

 あけましておめでとうございます。新年の連帯あいさつと闘いの決意を述べさせていただきます。

 こんにちの世界は「歴史的転換期」にあります。多くの人は同意してくれるでしょう。ただ、何が転換しているのか、そこにはさまざまな見解があるでしょう。私は、米帝国主義が覇権を握ってきた資本主義世界が終わりを迎える、その転換期だと思います。

 第2次世界大戦後、米国は資本主義世界の覇権国として登場し、米国の利益を中心に国際秩序を形成しました。米国のドルは資本主義経済圏の基軸通貨として地位を確立し、米軍がその資本主義世界の秩序を守ってきました。以降こんにちまで、米国の支配は続いてきました。

 戦後の80年間、さまざまな地政学的・経済的事件が起こりました。ニクソン・ショックとブレトンウッズ体制の崩壊、ベトナム戦争の敗北、リーマン・ショックという米国発の世界金融危機など。米国を中心とする資本主義陣営とソ連を中心とする社会主義陣営との間の矛盾、帝国主義諸国間の矛盾、資本主義国内の階級矛盾、帝国主義と途上国との矛盾など各矛盾は深まり続けてきました。

 そしてこんにち、米国や欧州の帝国主義は衰退し、逆に帝国主義によって搾取・収奪されてきた新興国・途上国は発展し、とりわけ中国は国際政治・経済で存在感を強めています。

 米帝国主義はどこに行くのでしょうか。覇権国家としての復活はあるのでしょうか。米資本主義の惨状を知れば、結論はおのずと明らかになると思います。

 米国は1995年以降、金融グローバル化による金融立国の道を本格化させました。米国は財政赤字と経常赤字という「双子の赤字」で苦しんでいましたが、世界に供給したドルを米国内の金融市場に回帰させる「ドル還流システム」を構築することにより、超過利潤を享受しました。還流する資金によって金融独占資本やビッグテック企業、軍産複合体が膨大な利益を上げました。

 リーマン・ショック以降の危機も、中央銀行の金融緩和と財政出動により、何とか破局を免れてきました。ですが、そのツケはまだ残っています。金融バブル抜きに存続できなくなった米経済は、いつ再度の金融危機に襲われても不思議ではない構造です。

 一方、多くの米労働者・国民は恩恵を受けることができず、製造業をはじめとする第二次産業や一次産業は衰退するに任せられました。国民の貧困化と格差が急速に拡大しました。

 こうしたいびつな経済・社会、金融・テックの大独占がボロ儲(もう)けする仕組みを守っているのが、軍隊・警察・官僚機構などから成る米国の国家権力です。「関税の武器化」と「安全保障の金銭化」などはその典型です。昨年来、トランプ政権は各地に州兵を派遣していますが、まさに内戦に近い状況です。階級矛盾は限界に近づいているのではないでしょうか。

 このような社会を変えなければならないと、米国民の覚醒は進んでいると思います。

 昨年、ニューヨーク市長選でマムダニ候補が勝利しました。わが党は、これを歓迎します。

 マムダニ氏は「民主社会主義者」と公然と語って闘いました。

 ニューヨークという世界資本主義の心臓部に、一時的にしろ「社会主義」の旗が打ち立てられたことは素晴らしいことです。

 なぜ勝てたのでしょうか。家賃やバス運賃の引き下げなど労働者人民の切実な要求をくみ上げて闘ったからでしょうか。いや、秘訣(ひけつ)はないと思います。ニューヨークの労働者人民の中に潜在的なエネルギーが蓄積されていたとしか言いようがない。

 そのエネルギーをつくり出したものは、一方でトランプ政治であり、米金融独占資本主義であったこと、他方で米国労働者の暮らしがもはや我慢できないところにきていることと、それを基礎とする労働者人民の闘いの蓄積です。金融危機後の「ウォール街占拠闘争」、BLM(黒人のいのちも大切)運動、さらに復活の兆しを示している労働運動などです。

 米国の労働者階級は、社会主義に向かって次第に前進するでしょう。私はそのように見ています。

 ひるがえって、日本のような資本主義先進国の労働者です。中国をはじめとするグローバルサウスと連帯して、米国を中心とする帝国主義と闘う以外に前途はありません。

 日本は1985年のプラザ合意前後に、世界最大の債権国となりました。しかし、米帝国主義の支配と干渉の結果、バブル崩壊後は「失われた30年」を余儀なくされています。

 こんにち、わが国は大きな岐路に立たされています。米帝国主義は中国を「戦略的競争相手」に据え、打ち勝つために策略を練ってきましたが、思うようにはいっていません。

 昨年末に公表された国家安全保障戦略(NSS)を見ても、日本への防衛分担要求は強まり、北大西洋条約機構(NATO)並みの「GDP(国内総生産)比5%」を迫られても不思議ではありません。

 対日要求は安全保障面だけでなく、高関税、先端産業開発のための投資などの広範囲なものとなるでしょう。日米関係はますます厳しくなり、わが国支配層の中にも「対米自主」の傾向が発展することは不可避でしょう。

 国の進路の問題で、国論の分岐と闘争が起きる条件が増大すると思われます。労働者階級はその先頭で、国の進路の課題で闘わなければなりません。

 日本の独立・自主の確立と広範な民主主義を実現する人民民主主義革命を目指して闘い、政治権力を握り、連続的に社会主義・共産主義に向かって前進しましょう。

 日本労働党に結集し、共産主義者の党をともにつくりましょう!

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