世界が戦争や異常気象などで深刻な食料危機を迎えているさなか、「食料自給の確立を求める自治体議員連盟」は2月14日、国会内で「食料・農業・農村基本計画に関する対政府・各政党要請行動」を行った。

冒頭、議連発起人の北口雄幸・北海道議が「議員連盟は、現在、47都道府県・180自治体の議員312人で組織されている。食料問題は地域の農業問題にとどまらず、消費者・生活者に直結する問題でもある。昨年4月に食料・農業・農村基本法が四半世紀ぶりに見直されたが、それに先駆けて3月21日に当議員連盟で要望書を提出した。そこでは食料自給率の問題や農家の皆さんが持続的に安心して農業に従事できるための直接支払いの拡充などを含む7項目の要望を提出した。国会議論の結果、基本法が成立し改正され、今年度中に基本計画が策定されると承知している。基本計画の策定に向けて、地域住民、農民、消費者の皆さんの声を直接届けることがきわめて大事だと、要請行動に踏み切った。食料・農業をしっかり守っていくための有意義な議論が展開できることをお願いする」と述べた。
次いで、農水省、文科省、国交省の代表に8項目の要望書を提出、今井和夫・宍粟市議会議員が読み上げた。
続いて議連顧問の鈴木宣弘・東京大学大学院教授が要望書を補足し、政府側の「食料・農業・農村基本計画 骨子」(案)に示されている不十分点を指摘した。例えば骨子では食料自給力の確保(人、農地、技術、生産資材)を強調しているが、食料自給力の指標がどれだけ確保されるかに基づいて必要な食料自給率が決まるわけで、自給力と自給率の関係性を整理し明確に示す必要があると批判した。その他いくつかの問題点を挙げて、ただしこれらの問題は財政の壁と闘うことなしには解決しないと、当局者に注文をつけた。
参加した自治体議員の発言に移り、「農水省の役員は、まず地方の農業現場に足を運び、厳しい実態を間近に見ろ」など厳しい意見が相次いだ。
発起人の西聖一・熊本県議のまとめで閉会し、各党国会議員・政党への要請に移った。要請行動には全ての野党から国会議員・秘書を合わせ23人が参加し、うち6人が発言した。
党派を超えた運動をさらに広げ世論と闘いを促せば、要望書の冒頭に掲げる食料・農業政策を大転換する可能性が見える要請行動となった。
