企画

2026年日本労働党新春講演会・旗開き 新春講演/長岡親生・党政治局常務委員

総選挙に際して

 高市首相がなぜこの時期に解散・総選挙を言い出したのか、さまざま言われていますが、いずれにしても高市政権が置かれている状況はこれから非常に困難になる。今回の選挙結果がどうなろうとも、日本をとりまく深刻な状況や課題は変わらない。よって、今回の総選挙にあたっても、日本の政治の何が本質的な問題かということを鮮明にして臨むことが重要でしょう。
 これまで述べたように、世界が米国中心でなくなったなかで、これまでの日米軍事同盟を中心とする安全保障問題でも大きな見直しが必要になっていると思います。生活課題はもちろんありますが、最大の争点は安全保障です。そして当面する喫緊の課題は、対中国関係の打開ですね。平和と安定という点でも、国民経済、生活という点でも直結しています。
 一昨日、中道改革連合ができたということで、これについてさまざまなことが言われておりますけれども、斉藤共同代表に言わせると、右傾化が進む高市政権に対する対抗軸がどうしても必要なんだと言う。
 政治の全体像でいうと、自民党政治は55年体制以降38年間の単独支配を終えて、細川政権以降連立の時代になり、自公連立が1999年から、公明党が自民党を助けたような形で続いていた。昨年10月についに公明党は自民党から政権から離脱をするということになり、その公明党が今度は立憲と一緒になるという流れですから、大きな政治再編、政治状況の呼び水になるということは言えるわけですよね。いずれにしても、自民党政治の完全な終わりの始まりですね。したがって、私たちはこの発足には一定の評価ができると思います。
 安全保障戦略政策についてですが、中国もロシアも朝鮮も、日本をとりまく核保有国がアジアに集中している。これらの国が核を持っているのは、米の核恫喝(どうかつ)に対処して持ってきたわけです。
 われわれの考え方は「非武装中立」ではない。一定の軍隊は必要だというふうには考えておりますがあくまでも専守防衛です。その上で、安全保障戦略政策の基本は核抑止力論に立たないということです。核抑止力論に立てば、それらの国に囲まれている日本が、米の核の傘をなくしてですね、あるいは「核共有」とか持ち込ませるとかいろいろな話があるわけですけれども、核武装とかいうことに必然的になってくる。
 日本は唯一の戦争被爆国です。さらに、朝鮮、中国をはじめ、アジアに対して植民地支配、侵略戦争をした国でもある。だから、そうした歴史の反省と教訓をふまえ、帝国主義の産物である核兵器を拒否し、専守防衛に徹する。そして外交で近隣国に敵をつくらない外交を徹底することであるというふうに思います。
 高市政権は戦略も持たず、米国の口車に乗って中国を敵国としているわけです。この点では野党の多くも同じか、あいまいですね。中国脅威論に立って政策をするのではなく、中国との外交を重視する、そのような流れにしていかなければならないというふうに思います。中国との間では、原則は日中国交正常化の原点を踏まえることですね。そして日朝国交正常化、この問題も重要だというふうに思います。そして、核廃絶を世界に強く発信することです。これらを進めていくのは、いずれにしても日本の自主外交、日本が最終的には独立する、そのことが求められる。
 わが党はこれらの安全保障政策を提起しながら、そして国会の中に対米自立でアジアの平和と共生を目指す、そういう勢力ができることを望んでおります。
 この総選挙では、少なくとも日中関係を修復する、そのために高市を引きずり下ろすことが当面する政治的闘いであると思います。

労働党の建設について

 米帝国主義の悪あがきが進んでいます。私たちは共産主義者として、全世界の労働者階級、人民と団結して、米国を頂点とする帝国主義を打ち倒す。まずは自国の政権を打ち倒し、労働者階級が政権を握る。全世界の人民と連帯する。そういう党でありたいというふうに思います。
 こんにちの日本が米帝国主義から独立し、次の社会、社会主義の国となったならば果たすべき役割は大きい。そのような国づくりを進めていく上でも、労働党を強めていきたいというふうに思っています。
 歴史的転換期と言われています。世界の構造変化とか、米中の力関係の変化だとか、そういう意味で歴史的な転換期であることは間違いないわけですけれども、米欧、それに日本でも、それぞれの国内の階級矛盾が激化している。要するに、資本主義、帝国主義の一連の過程の歴史的な転換期であるとわれわれは捉えております。
 資本主義社会は、すでにバブルと先食いによってしか需要をつくり出せない。その結果が米国発の金融危機、リーマン・ショックとなったわけですが、その後、要するに最後の貸し手である中央銀行が乗り出して、金融緩和をして延命してきたわけです。そして人民が貧しく購買力をなくしているがゆえの需要不足を、軍需に頼るようになっている。このままでは戦争の危機が一段と進みます。さらに資本主義の下で巨大な生産力をもって地球を収奪してきた。地球に対する収奪です、環境破壊というのは。もうこのままでいくと持続不可能、限界となっている。皆さんも猛暑の夏で、この限界を身をもってひしひしと感じている。
 この根源はやはり資本主義的な生産様式、資本主義的な私的所有だとわれわれは考えております。そうしたことのなかで米ニューヨーク市では一握りの億万長者に対して、人々は「社会主義」を掲げた市長を選んだ。それほどの目もくらむような格差の拡大、貧困層の拡大が進んでいる、そういうことがだんだん極まっていく。
 一方、AIなどの技術革新が急速な進歩をした。生産用具の発展というのは、生産力発展の一番基礎、源泉ですよね。その技術革新が新たな社会を作り出していく上で展望を与えているというふうに思います。
 3年前に、亡くなられた西原春夫・元早大総長が、AIが中国における社会主義、共産主義建設において、いわば計画経済を進めていく上で決定的な役割を果たす可能性が広がっているといって論文まで書かれていた。あの方はマルクス主義者ではなかったかと思うんですが。AIにはもちろん、テック企業による独占の下でさまざまな弊害、警戒すべきことがありますけれども、これを使いこなせれば、新たな社会に展望を与えるというふうにも思います。
 そういう意味で、もう行き詰まった資本主義社会は次の社会に移らざるを得ない、移っていく、それはもう不可避であるというふうにわれわれは思います。そしてこんにちの社会のなかで、「墓堀り人」と言われる人びと、労働者階級が自覚を高めている。その萌芽が現れてきているというふうにわれわれは思います。
 次の社会への移行を阻んでいるのが国家です。所有関係を規定したさまざまな法律や暴力機関だとかいう形で、今の大企業や資本家を守っている、その国家があるわけですよね。それを打ち破らなければならないということです。
 日本の場合は、自民党の戦後対米従属政治それ自身がすでに限界に来ております。米国からの独立という問題が非常に重要ですし、また、独立の課題を掲げることで多くの人たちと連携ができる。その闘いのなかで労働者階級が主導権を握って連続的に社会主義、共産主義を達成していこうというのがわが党の目的、政治路線です。
 今こそ、この革命の道すじを示しながら闘っていくことが重要だと思います。
 今年、20年ぶりに党大会をやろうとしています。結党から5年前まで、故大隈鉄二議長が傑出した指導力でわれわれを導いてきました。秋山議長に代わり、その時からわれわれを含む集団的な指導体制をつくってきました。そして若い人たちと一緒になって新たに党をつくっていこうとしています。
 時代状況は、マルクスを学んだからとか、レーニンを学んだからとかそれだけで解明できるような状況ではない。新たな具体的な情勢がどんどん生まれ始めているわけですね。
 労働党の政治路線を踏まえて、新たに生まれつつある状況の中で具体的に闘いを前進させることができるかが今問われているというふうに思います。そういう意味でも新たな時代を先取りしている若い人たちが、党の新たな骨格になるように党建設を進めていきたいというふうに思います。
 それともう一つ、今重視をしようとしているのは、これだけ情勢が混迷している。複雑ですよね。われわれが闘っていく上でも、いろいろな困難さもあります。混迷する状況の中で、やはり哲学というのか、ものの見方、考え方というのが非常に重要だろうと。労働党はその点で、一貫してマルクス・レーニン主義を掲げていますが、その中でも哲学を重視してやってきたというふうに思います。
 例えば事実に基づくことだとか、さまざまな問題を全面的に見る目を養うだとか、関連性の中でとらえるとか、流れの中、歴史的に見るだとかですね。歴史観でいえば経済と政治との関係だとか、そして階級闘争の歴史として一貫して見られるかどうかというようなことだとかですね。要するに誰が歴史を作ってきたのか。人民の歴史だと、労働者の歴史であると。誰の立場に立つかというのがいわば歴史観ですよね。
 方法論というのは、全てのものは一様でない、不均衡である、でこぼこがあるということですね、具体的事情の具体的分析というようなことをわれわれは言っているわけですけれども、とにかく頭で、観念ではなくて、具体的な状況の中にわれわれが方針を打ち出していく上での前提があるというふうに思います。
 そのような目を養うということですね。たとえば今、参政党などの排外主義の主張が強まっている、SNSで世論がつくられている、なかなか闘いづらい、若い人の高市支持はどうなるのかとか、という人がいる。ある人はもう新聞やテレビを見たくもないと言っていました。確かにね。だけどよく見るとそうでもないんですね。若者は一様ではなく、置かれている状況はそれぞれ。問題はそれぞれの若者がどういう状況、生活状況に置かれているかが肝心ですね。
 闘いようがあるというふうにわれわれは思うんです。だから哲学、考え方というようなことが重要だろうというふうに思います。これを時々の情勢を打開するために、実践的に学んでいきたい。党歴が長い同志がこのような知恵と経験を生かして、若い人たちと一緒になって、学習し、闘いを進めていってほしいと思います。
 労働党が労働者階級に依拠して、これから来る情勢をある程度見据え、それに備えて対応できる政治能力を持った党を全国につくっていきたいと思います。
 昨年、労働党への入党者も増えて少しずつ進み始めています。若い人たちとも一緒に闘えるようになりつつあります。皆さんの中で入党されていない方がいれば、ぜひ入党してください。歓迎します。
 今年一年、大きな展望を語りながら、団結して一緒に闘って新たな状況を切り開きましょう。よろしくお願いします。
 ご清聴ありがとうございました。

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