2026年1月22日
日本労働党中央委員会政治局
一、高市首相は1月19日、通常国会冒頭での解散・総選挙を表明した。内外の危機が深まるなか、「高支持率」をテコに総選挙で勝利し、政権基盤を強化することが狙いだ。首相は会見で「国民の支持なくして、力強い外交・安全保障を展開していくことはできない」と述べた。高市首相自身の「存立危機事態」発言が日中関係を国交正常化以降最悪に陥らせていることを逆手に取り、「中国の脅威」をあおって国民生活の苦境を糊塗(こと)し、支持をかすめ取るもくろみである。
一、総選挙は、資本主義が末期症状を呈し、世界が「米国中心」でなくなった下で行われる。資本主義の総本山ともいえる米国はとくに深刻で、国際政治上の孤立と衰退も、ますます急速かつ明白となっている。対して、中国をはじめとするグローバルサウス諸国が、世界で主導的役割を果たすようになった。世界は変わった。米国はこの趨勢(すうせい)に逆らい、ベネズエラ侵略やグリーンランドへの野心、世界を敵に回す「関税戦争」など、危険で無法な巻き返し策を強めている。こうした主権国家を無視する帝国主義の米国に、高市政権は批判すらしない。わが国にも、新しい時代にふさわしい内外政治が求められている。
一、差し迫った課題は、悪化した日中関係を直ちに修復することだ。高市首相の「存立危機事態」発言は、安倍政権以来の「中国敵視」をさらにエスカレートさせた。日中間は、軍事衝突の可能性さえある。台湾問題は中国の内政問題であり、内政干渉をやめなければならない。沖縄をはじめ、全国の基地建設・機能強化に歯止めをかけ、戦争への道を断ち切ることだ。
もう一つは、バブル崩壊以後の「失われた30年」に加え、物価高によって極度に悪化した国民生活を再生させることだ。高市政権の「責任ある積極財政」の実質は、防衛産業などへの重点投資であり、円安、輸入インフレで物価高をさらに助長し国民生活を破壊している。日中経済関係を大幅に冷え込ませ、国民生活を窮地に追い込んでいる。
一、新党「中道改革連合」は、四半世紀続いた自公政権から離脱した公明党が立憲民主党と合流してできた。自民党政治は終わりを告げ、政治再編が大きく進もうとしている。一つの歴史的事象であり、高市政権打倒に貢献するならば積極的な評価もできる。
一方で、高市発言をめぐる日中関係悪化の打開、安全保障政策の転換が最大の争点になっているときに、中道の基本政策「現実的な外交・防衛政策」では、「日米同盟を基軸とした抑止力、対応力の強化」「存立危機事態における自国防衛のための自衛権行使は合憲」「中国に対する懸念への毅然(きぜん)とした対応」といっている。安住共同幹事長はさらに沖縄県名護市辺野古への新基地建設を容認し、沖縄県民の「再び戦場にしない」という思いを踏みにじった。政府、メディアなどによって国民のなかに醸成されている、いわば「嫌中意識」に乗り、助長さえしている。これは共産党も同様である。これで本当に対抗軸となるのだろうか。こうした重大な弱点を抱えていることも指摘しなくてはならない。
一、高市政権が継続されれば、日中関係の打開はより困難になり、さらなる中国敵視、軍事力強化を招き、国民生活悪化と戦争を招く亡国の道がより進められることになる。
高市首相は、自民・維新与党での過半数維持に「進退をかける」と言明した。この時局で、わが党は総選挙に独自候補を擁立しないが、すべての野党が奮闘して、中国敵視、国民犠牲の高市政権を退陣に追い込むよう呼びかける。
またわが党は、対中関係打開と国民生活再生のために奮闘する候補者を積極的に支持して闘う。
労働者、国民の力に依拠してこの政治を変えるため、対米自立、アジアの平和・共生をめざして共に闘う国会内の勢力が必要だからである。
大局を見れば、世界の構造は大きく変化している。
この変化のもとで、対米従属により多国籍企業の利益を守ってきた自民党政治は、もはや深刻な矛盾を隠せず、崩壊へと向かっている。
この情勢は、私たち闘う者にとって、歴史的なチャンスである。