インタビュー

台湾の安全と未来は中国の内政問題であるーー呉栄元・台湾労働党主席に聞く

ーー中国が台湾近海で軍事演習を実施していることについて、どうお考えでしょうか。

 今回の中国東部戦区による軍事演習の名称コードは「正義使命2025」である。明らかに中国大陸が、軍事演習を中国の領土主権保全のための闘争の重要な一環と位置付けていることを示している。演習に関する報道内容、特に演習科目から見ると、台湾包囲実弾演習による台湾独立勢力の企てへの打撃に加え、外国勢力が北部・南部から台湾海域に介入する可能性を想定した地域拒絶(A2/AD)演習が行われている。特に、米国が台湾に売却した長距離攻撃兵器「ハイマース(M142高機動ロケット砲システム)」を重点的標的とした。
 今回の演習のタイミングについては、以下の3点が指摘できる。第一に、日本の高市首相が「存立危機事態」を理由に台湾問題への介入を示唆した発言後であり、さらに日本当局が「武器輸出管理原則」の放棄や「非核三原則」の改定を企図し、「先制攻撃」としての敵基地攻撃能力を提唱し、数年にわたり防衛予算を大幅に増額し続けている背景がある。第二に、台湾側では、頼清徳・民進党政権が米国の要求に応じて軍事予算をGDP(域内総生産)比3.32%に引き上げただけでなく、2026年から2033年にかけて1兆2500億台湾ドル(400億米ドル超)の対米軍事調達特別予算を計上し、その中には複数の長距離攻撃兵器が含まれている。第三に、12月中旬に米国が過去最大規模となる111億ドルの対台湾武器売却案を提示した。これが演習終了後、中国大陸の軍事報道官が「演習は全任務を達成し、引き続き訓練を継続し『台湾独立分裂と外部干渉の企てを断固くじき、国家主権と領土保全を断固防衛する』」と表明した理由である。
 台湾労働党は、米国の覇権主義による中国の内政問題である台湾問題への干渉に反対し、米国と日本が海峡両岸の戦争をあおることに反対する。我々は、中国大陸が展開する干渉阻止・分裂阻止の闘争は、正当な国家自衛レベルの行為であると考える。現在の台湾海峡の深刻な緊張情勢に直面し、労働党は台湾人民の郷土愛・愛国心の立場に立ち、一貫して両岸の和解を推進し、「和平交渉促進、和平協議促進、和平統一促進」運動を推進することを主張している。

ーーメディア報道の影響で、少なくない日本国民が、台湾住民のほとんどが「独立」を望んでいると考えています。貴党の考えをお聞かせ下さい。

 これはマスメディア、特に台湾と日本両方の右翼メディアと分離主義的政治勢力による意図的な報道によって生じた、事実と異なる誤った印象である。そこには悪意ある反中国宣伝が隠されており、その目的は、米日台の保守右翼勢力が共同で反中国を行う口実となるだけでなく、さらに東アジア地域の緊張と戦争危機をあおり立てることにある。

 2024年の「総統」選挙の結果を例にとると、「台湾独立」を党綱領に掲げる民進党が「総統」職を獲得し政権を維持したものの、得票率はわずか4割で、立法院(国会)の議席数も野党陣営を下回る「二つの少数」による政権運営となっている。これはますます多くの台湾住民や台湾独立派政治家が「台湾独立」「独立」に道がなく現実的可能性もないと認識している証左である。各種世論調査機関の長年にわたる調査においても、「独立」支持を表明する台湾住民が過半数を占めた記録は一度もない。

 台湾海峡情勢の危機が複雑化する中、特に中国の総合国力が高まるにつれ、中国大陸は早くも2005年に「反分裂国家法」を立法化し、領土主権の完全性を守るため、明確なレッドラインを規定した。こんにちに至るまで、台湾独立勢力は軽率に正面から挑戦しようとはしていない。したがって最も皮肉なのは、「独立」を主張する民進党が、かつて掲げた「台湾共和国」樹立や新憲法制定の主張を放棄し、逆に前世紀の中国内戦期に蒋介石が大陸から台湾に持ち込んだ政法体制を継続して採用している点である。したがって、いわゆる「独立」の要求は、すでに民進党が政治権力を掌握するための「虚飾」と化し、民進党当局による「反中国・統一拒否」の反民主的行為と規制がエスカレートするにつれ、台湾住民の権利と自由は日増しに制限され、ますます多くの台湾住民が台湾独立の危険性を認識するに至っている。

 認識すべきは、台湾住民の大多数(95%以上)の祖先が中国大陸の福建省・広東省などから移住した者であり、現在も生活習慣は漢民族の文化的伝統に根ざし、日常的に使用される言語・文字は全て中国語である点だ。台湾人は中国人である。現在、民進党による両岸交流の制限が強化される中でも、2024年には依然として277万人が中国大陸を訪問し、約700億ドルの貿易黒字を記録している。とはいえ、台湾住民の多くは現在も「現状維持」を両岸間の国家統一の将来に対する消極的な姿勢としている。しかし、中国大陸の反独立・統一推進の動きや、両岸間の平和的統一に向けた平和的発展・融和発展政策の実施に伴い、中華民族共同体の運命の絆はますます強固になるばかりであり、「独立」は結局のところ非現実的な幻想に過ぎない。

ーー日本の一部の人々は「台湾住民の自己決定権を認めるべき」と主張しています。我々は日本が台湾問題に干渉すべきでないと考えます。貴党はどう思いますか。

 前項でも触れたが、「独立」であれ「自決」であれ、現実的には台湾独立分離主義運動が両岸が同一の中国に属するという主張に挑戦するための分裂主義的主張であり、正当性も現実性も欠き、すでに外部反中国勢力が台湾政局に介入・操作する道具と化している。抽象的に提唱される「台湾住民の自己決定権」は、政治的不道徳にほかならず、その本質は、外部勢力が中国の内政に属する台湾問題に介入する行為である。実質的に独立を鼓吹するもので、こうした見解には批判的態度をとるべきである。

 台湾問題は前世紀の中国内戦の歴史的遺産であり、台湾は法理上は中国領土の一部、政治的には中国が完全統一していない地域である。現在の台湾は米日帝国主義が操る新植民地主義社会である。台湾当局、特に独立を主張する民進党当局は、米国への完全な依存と引き換えに保護を得て分裂を企てる主張を展開しており、そもそも主体性など存在せず、何の自決などあり得ない。

 したがって具体的に見れば、台湾問題において、分離主義者の「独立」には「自決」の未来はなく、まさに両岸間の国家統一を通じてのみ、米日帝国主義覇権による干渉・侵略の決定を回避し抵抗する条件が生まれる。すなわち台湾人民が「自決」の可能性を得るには、中華民族共同体という主体性の中に「統一」されるしかないのである。

ーー大変ありがとうございました。団結して、アジアの平和のために奮闘しましょう。

(注)台湾人民革命運動第3期
 おおむね1970年代の反体制運動から始まり、1987年の戒厳令解除を画期として急速に発展した人民運動。

-インタビュー
-, , ,