鉄道・バス・タクシー・トラック・航空・観光・船舶・観光など陸・海・空に働く交通運輸労働者の大産業別組織である全日本交通運輸産業労働組合協議会(交運労協)は6月7日、「ライドシェア新法」制定反対を訴える「公共交通を守り雇用破壊を許さない総決起集会」と街頭宣伝を行った。
ライドシェアは、事実上の白タク=無資格タクシーの合法化だ。タクシー労働者や利用者の安全性、運賃引き下げ競争の激化、事故の場合の保険や保障、公共交通としてのタクシー事業者確保など、多くの問題があることから、交運労協など労組は一貫して反対してきた。
しかし、政府与党は「地域交通の担い手」や「移動の足」の「不足」を口実に、この4月からタクシー事業者の運行管理下でいわゆる「日本型ライドシェア」をスタートさせた。しかしIT(情報技術)企業などライドシェア推進派は、ドライバーを請負契約とし、プラットフォーマーが自由に参入できる「ライドシェア新報」制定に向けて引き続き画策し続けている。
政府の規制改革推進会議が5月31日に決定した答申では、新法について「今後の検討課題」として記載されるにとどまった。これは交運労協など労組の運動の一定の成果だ。
だが、新たな儲(もう)け口の開拓をもくろむ外資、大企業などは依然として新法制定を求め画策を続けている。こうしたことから、交運労協は今回の取り組みを行った。
一連の取り組みで、100人の労働者は街頭で新法の問題点などを訴える街頭宣伝を行った後、300人が総決起集会に結集した。
参加者は「タクシー労働者の賃金は全産業平均より低い。ドライバー不足を解消するためには賃上げが必要。新法制定はそれに逆行する動きだ。雇用破壊を許してはならない」「新法導入はタクシー事業者の空白地帯を広げることにつながる。公共交通を守るための政治が必要だ」「新法は強欲なプラットフォーマーが新たな利権を得たいがためのものだ」などの声が上がった。
集会の最後、「オール公共交通で闘い抜こう」とガンバローで今後の闘いの決意を固めた。(取材・T)