20010305

日本のできごと

2000.2.20〜2001.2.27


米政府特使、「謝罪」はしたが
 原潜による実習船衝突事件に関して、米政府特使のファロン海軍作戦部長が二月二十七日来日し、森首相らと会談した。ファロンは、「謝罪」の意思を示すブッシュ大統領の親書を手渡した。だが、ブッシュは親書の中で、「このような時こそ日米関係の強さが試される」などと、事故が日米関係に影響しないよう、わが国政府にクギを刺している。森首相と河野外相は「(ファロンは)誠実な米側の態度を披歴された」などと、国民感情とかけ離れた売国的姿勢に終始した。

沖縄で日米地位協定改定問題が再燃
 名護市議会は二十三日、沖縄市議会に続いて日米両国政府に地位協定の速やかな改正を求める決議を全会一致で可決した。沖縄では一月に起きた米兵による連続放火事件をきっかけに地位協定の改訂問題が再燃している。稲嶺・沖縄県知事は二十五日、河野外相と会談し、最近の米軍犯罪について「もうがまんできる状況ではない」として、地位協定の改定、海兵隊の削減などを要請した。しかし、外相は「地位協定は運用の見直しで対処する。兵力削減が先に進み、国際情勢が悪化するということになってはいけない」と米軍を擁護。沖縄県民の悲痛な叫びにこたえぬ政府への批判が、ますます高まっている。

国民の期待託せぬ野党共闘
 民主、自由、共産、社民の野党四党首は二十一日、森首相の即時撤退を求めて共同歩調をとることを決めた。この動きを推進している自由党小沢党首は、民主党を一方の軸にした保守二大政党制を視野に入れて、野党共闘を画策している。こうした野党共闘では国民の利益を守る政策を実現することは不可能である。政権入りの妄想にとりつかれた共産党は、「『反対する共闘』から『政策共闘』に踏み出す大事な一歩だ」として、四党共闘を評価。予算案の共同組み替え要求でも「防衛費は昨年並み据え置き」を受け入れるなど、転落の道をつき進んでいる。

歴史わい曲教科書を韓国、中国が批判
 韓国国会の教育委員会は二十一日、「新しい教科書をつくる会」の主導で編集された教科書の出版中止を求める声明を採択した。韓国の超党派国会議員百六人は二十七日、過去の植民地支配を正当化し歴史をわい曲した教科書に対して日本政府の是正措置を求める決議案を提出した。また、中国の江沢民国家主席は二十七日、歴史教科書について「日中関係を傷つけないよう格別の配慮をお願いしたい」と述べた。アジアの信頼を得るためにも、教科書の反動化を許さず、子供たちに正しい歴史を伝えていかなければならない。

福島県知事がプルサーマルを拒否
 福島県の佐藤知事は二十六日、福島第一原子力発電所のプルサーマル計画について、「県全体に不信感が広がっている」として、当面は実施を拒否すると表明した。プルサーマル計画とは、使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを普通の原発で再利用するもので、福島第一原発がその第一号となる予定だった。国が進めている核燃料サイクル事業の破たんがいっそう明らかにっている。

三菱自工、9500人の合理化策発表
 三菱自動車工業は二十六日、グループ全体で六万六千人いる従業員の一四%にあたる九千五百人の削減、調達コスト一五%カットなどを柱とする三カ年の経営再建計画を発表した。また、国内の自動車生産能力を二〇%削減するため、主力の大江工場(名古屋市)の閉鎖・売却を検討する。今回の合理化は、筆頭株主であるダイムラークライスラーの、世界市場での生き残りをかけた大リストラ計画の一環である。労働者や下請け企業に大きな犠牲を強いる合理化計画に対し、反発は必至だ。

有明漁民、干拓現場を実力封鎖
 ノリ不作問題で有明漁連のノリ漁民ら千五百人は二十三日、九州農政局(熊本市)で、約六時間にわたり干拓事業の中止を求めた。農政局は「干拓工事の中止は非常に困難」として、漁民の要求を拒否。怒った福岡の漁民約二百人は翌二十四日、諌早湾干拓工事現場にある車両の出入り口を封鎖した。二十六日からは佐賀、熊本の漁民も合流し、実力行動が広がっている。(関連記事)