20010225

日本のできごと

2000.2.10〜2001.2.19


悪政続けた森首相、退陣必至へ
 森首相は、KSD、外務省機密費問題などを抱える上に、実習船追突・沈没事件では知らせを聞いてもゴルフを止めず、与党内からも厳しい批判の声が上がっていた。そして、二月十九日に発表された森内閣の支持率は、九%となった。こうしたことから自民党内にも退陣論が強まり、首相のすげ替えは必至である。政局は混迷し、政府の国会運営は苦しくなるであろう。しかし、森政権の悪政を支えてきたのは、自民、公明、保守の三党であり、首相を代えれば済むことではなく、責任は大きい。

野中、集団的自衛権の行使を主張
 自民党の野中前幹事長は十日、憲法が禁じる集団的自衛権について「同盟国たる米国が攻撃を受けた場合に、わが国の集団的自衛権は発動されうる」と述べた。これは、ブッシュ政権が日米同盟強化を求めてくることを前提にしたもの。野中はすでに「同盟国というのはお互いに責任を果たすことだ」と発言しており、自民党の有力者の発言だけに、危険な動きとして警戒が必要である。

北谷町議会、海兵隊撤退を決議
 沖縄県北谷町で一月に二度の放火事件があり七軒が燃えた。この事件で、沖縄署は十三日、米海兵隊員に対し逮捕状を取ったが、米軍が引き渡しを拒否した。北谷町議会は十五日、在沖縄海兵隊の撤退などを求める抗議決議を可決した。米海兵隊の撤退を求める決議は初めてである。嘉手納町議会も十九日、海兵隊の削減、地位協定見直しなどの決議を可決、沖縄市議会も米兵の深夜外出禁止を求める決議を可決した。えひめ丸事件もあり、国民の怒りと反米感情は高まっており、河野外相も日米地位協定の見直しを言わざるをえない状況である。

野呂田予算委員長、戦争賛美
 野呂田衆議院予算委員長は十八日、太平洋戦争を「大東亜戦争」と呼んだ上、「(戦争を)やったことで(欧州列強の)アジアの植民地支配が根本からなくなった。東南アジアを歩くと日本のおかげで独立できたと言う人がたくさんいる」などと述べた。この発言に、中国外務省は十九日、「日本軍国主義は侵略戦争を起こし、アジアの人びとに甚大な災いをなした。犯罪行為は筆舌に尽くせず、否定は許されない」と批判し、韓国外交通商省も同日、同様に強い不快感をあらわした。正しい歴史認識が欠落した政治家がいる限り、アジアから信頼される日本にはなれない。

学校教育法、奉仕活動を明記
 文部科学省が今通常国会に提出を予定している教育改革関連法の原案が十三日、明らかになった。小中高校生に奉仕活動をさせる根拠として、学校教育法に新たに「社会奉仕体験活動、自然体験活動などの充実に努めるものとする」との条文を追加する。だが、学校の荒廃に奉仕活動では対処できない。また、こうした動きとともに、「不適格教員」の免職・転職制度の動きが強まっている。学校における管理体制の強化のために「指導力不足」などの教員を職場から排除するものであり、学校教育全体への攻撃が強まっている。

タオル業界、セーフガード要求を決議
 日本タオル工業組合連合会は十六日、大阪市で臨時総会を開き、政府にセーフガードを発動するよう決議した。中国からのタオル輸入は九九年に五万一千トンに達し、国内生産量とほぼ並び、昨年には逆転したとされる。そのため倒産・廃業が相つぎ、連合会には九〇年に九百二十五社が加盟していたが、現在は半分以下の四百五十七社に激減した。このままでは、国内生産がなくなるとの危機感が強い。(関連記事)

第3セクターのシーガイア、破産
 宮崎県の大型リゾート施設「シーガイア」は十九日、会社更生法を宮崎地裁に申請し、事実上倒産した。負債総額は関連会社を含めて三千二百六十億円といわれ、第三セクターとしては過去最大規模となる。この施設には、宮崎県と宮崎市が出資金のそれぞれ二五%を出しており、その上、県は昨年二十五億円の補助金を拠出していた。こうした運営こそが県財政の赤字を拡大するものであり、自治体の対応が問われている。