2000215

日本のできごと
1/30〜2/9


野党の腰くだけで国会「正常化」
 野党欠席の中、衆院定数を二十削減する公選法改正案が可決・成立するなどした国会は二月九日、民主党が伊藤衆院議長の見解を受け入れたことで「正常化」した。民主党は当初「出席には(公選法採決を急いだ)自自公の謝罪と解散・総選挙が必要」などとしていたが、施政方針演説に対する代表質問を行うことなどで妥協し、完全に腰くだけとなった。民主党が自民党などに妥協的であることが、改めて明らかとなった。(861号社説参照)

大阪府知事、相乗り候補勝利したが
 大阪府知事選挙と京都市長選挙が六日、投開票され、いずれも自自公民などが相乗りした候補者が当選した。この結果に、与党は「自自公政権が信任を得た」などとしているが、大阪府知事選の投票率は過去最低の四四・五八%で、当選した太田氏は全有権者の二割程度の支持しか得られなかった。また、民主党は国会で自民党と対決しつつ、地方では相乗りするというあいまいで妥協的な醜態をさらした。

沖縄県民の命を脅かす米軍
 那覇市沖の上空で四日、民間機と米軍戦闘機が、六十メートルのニアミス(異常接近)を起こしていたことが分かった。米軍当局は「民間機を訓練対象としたものではない」などとしているが、民間機機長は米軍機が「からかうような動き」をしたと証言している。これに対し、沖縄平和運動センターが「民間機が訓練の標的にされたとしたら、ゆゆしき問題」とコメントしたのをはじめ各界に怒りが広がっている。また、F18戦闘攻撃機など、横須賀基地を母港とする米空母キティホーク艦載機による訓練が一月二十四日から嘉手納基地を拠点に始まっており、住民は爆音被害に苦しめられている。米軍基地がある限り、沖縄県民の命は脅かされ続ける。

海自、対北朝鮮のヘリ部隊新設へ
 海上自衛隊が二〇〇一年をメドに、京都府舞鶴基地内に哨戒ヘリコプター部隊の新設を計画していることが、六日までに明らかになった。部隊は対潜水艦用の哨戒ヘリ六機で構成され、来年三月から運用を開始する予定。朝鮮民主主義人民共和国を標的にしようとするものであることは明白で、東アジアの平和に逆行し、緊張を高めるものである。

給与減など国民の生活苦さらに
 この期間に発表された各種官庁統計によると、九九年の平均失業率は、前年比で〇・六ポイント上昇し四・七%となり、最悪を記録した。失業者は三百十七万人と、初めて三百万人を突破した。また、九九年における従業員五人以上の事業所の一人当たり月平均現金給与は、前年比で一・四%低下し三十五万三千三百五十七円となり、二年連続で減少した。ボーナスなどの特別給与が六・二%減となったのをはじめ、ボーナスや残業代を除いた所定内給与も〇・一%減と、初のマイナスとなった。九九年九月の生活保護受給者も前年同月比六・二%増加し、百万千百八十人となった。受給者は九五年から増え続けており、この四年間で十二万人あまり増えたことになる。さらに、九九年の全世帯の消費支出は一・二%減となり、初の七年連続マイナスとなった。国民の生活難はいっそう進んでいることが示された。

医福審、高齢者負担増を答申
 医療福祉審議会(厚相の諮問機関)運営部会は三日、高齢者の医療費負担を一割の定率とする健康保険法改正案を答申した。実施は七月からとしている。答申では月額に上限を設けるとしているが、これが実施されれば、現行一回五百三十円、月二千百二十円上限の患者負担はぼう大なものとなる。際限のない国民負担増の政策は、許されない。

弾圧法の規制法をオウムに発動
 公安調査庁は四日、団体規制法による観察処分が適用されたオウム真理教(アレフと改称)に対し、全国五カ所の施設に初の立ち入り検査を行った。同法は令状なしの立ち入りを認め、三カ月ごとの構成員名簿や財政簿の提出を義務づけ、違反した場合には活動禁止命令を出すことができる治安立法である。破壊活動防止法、組織犯罪対策法と並び、結社の自由を犯す悪法であり、左翼政党、労働組合などへの弾圧ももくろむことができる。


Copyright(C) The Workers' Press 1996-2000