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2024年5月15日 1面

パレスチナ連帯/
全米・世界で学生が決起

反帝国主義の闘い 断固支持

 パレスチナ人民に対する虐殺を続けるイスラエルとその後ろ盾になっている米バイデン政権に対する学生たちの抗議行動が、全米の大学で急速に拡大している。わが党は、学生たちの闘いを断固支持する。

ベトナム反戦以来の闘い
 抗議行動はコロンビア大学から始まり、イェール大学、MIT(マサチューセッツ工科大学)、ブラウン大学、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)、フロリダ大学など全米の50を超える大学にまたたく間に広がっている。警察を導入した強制排除などで逮捕者は2000人以上に上っている。
 これだけ大規模な学生の抗議行動は、ベトナム戦争反対を掲げた反戦デモが全米に広がった1960年代末以来である。
 イスラエルはガザでの虐殺で4万人以上ともいわれる死者を出しており、米国内でも若者を中心に「虐殺への加担」への批判が噴出。与党・民主党内からのバイデン批判にもつながり、再選戦略を揺さぶっている。
 米国の多くの大学は寄付などで賄われていて、著名な卒業生や法人からの寄付を基金にし、海外からの留学生も多い名門大学のなかには巨大な資産を持つところも少なくない。コロンビア大学の23年の基金の規模は約136億ドル(2兆800億円)に達する。その一方で、公的な助成が少ない私学の場合、日本の私学に比べても資産運用の裁量が大きく、財務の公開性・透明性は低い。学生たちはこうした大学がイスラエル企業に投資することを「虐殺への加担」と批判しているのである。
 学生たちの要求は、ディスクローズ(情報開示)とダイベスト(イスラエルからの投資撤収)であり、きわめて正当な要求である。こうした要求が軸になって全米の大学に抗議行動が広がっている。

中東・中南米政策を批判
 また、学生たちの抗議は、米国の帝国主義的な中東政策と併せて、これまでの米国の中南米政策に対する批判とも結びついている。
 イスラエルは冷戦期を通じて、米国の暗黙の了解の下、武器売却などを通じて中南米の右派独裁政権と結びつき、住民の弾圧・殺戮等に加担してきた。パレスチナ人の殺戮(さつりく)に使用された武器が、「効果が実証済み」という触れ込みで売却されていたのである。米国でいま争点となっている「国境管理」問題など対移民政策の根源が、米国とイスラエルが結託した中南米への帝国主義的な政策であるとする批判が、今回の抗議行動のもう一つの背景である。
 パレスチナの運動体は2000年代半ば以来、世界にイスラエル製品の「ボイコット、投資撤収、経済制裁」を呼び掛けている(BDS運動)。この要請を、米国の実情に合わせて学生たちが血肉化したといえるかもしれない。
 また、今回の抗議運動は、昨年の10月以降のガザ虐殺を受けて起こった自然発生的なものではなく、歴史的背景を持ったものである。
 学生組織や運動体の中には、ベトナム戦争期から存続しているものや、2003年のイラク侵略戦争に反対したものなどもある。コロンビア大学での「基金引き揚げ要求」も、すでに18年と20年に大学当局に対して出されており、こんにちまで「ゼロ回答」だった。学生たちはガザでの事態が始まる前から、活動を継続していたのである。
 さらにインターネットやSNSなどで、ガザやヨルダン川西岸地区の状況がリアルタイムで学生たちには伝わり、いわゆるリベラル派の「ハマスも悪い」といった「どっちもどっち論」にも、激しく抵抗しているとことも注目すべきである。

反戦を超え反帝国主義に
 今回の学生の運動の広がりは、「反戦・平和」という要求を超え、反帝国主義的な性質を帯びてきており、バイデン政権が学生や教員を激しく弾圧し逮捕・拘束などしている理由にはこうしたこともある。しかも、抗議運動がコロンビア大学のようなアイビーリーグの大学ばかりではなく、保守色の強いジョージア州やバージニア州などの州立大学にも広がっていることも注目できる。
 学生たちは、こうした実際の行動を通じて、バイデン政権の強圧的な対応に接することで権力の暴力を肌身で感じ、教育され、かれらの連帯意識はさらに強まっている。
 抗議行動の行方は、分断と対立が深まる米国社会と、米国の階級闘争の将来を左右する可能性を秘めている。

学生の抗議、世界に広がる
 米国の大学で広がった抗議行動が、欧州などにも波及している。
 メディアの報道によると、英国、アイルランド、スイス、スペイン、フランス、イタリア、オーストラリア、カナダ、メキシコなどの大学で、イスラエルに関連する企業や研究機関との取引停止やガザでの虐殺中止を求める行動が行われている。大学内にテントを設置して泊まり込みしたりして多くの学生が米国の学生の行動と連帯する行動を始めている。
 日本でも青年・女性を中心とする行動が続き、新学期を迎えた学生が加わり始めている。
 こうした闘いが、全世界の反帝国主義の闘いと結びつけば米帝国主義を追い詰めることができる。
 いつの時代でも若者の行動は時代を切り開いていく先駆けである。わが党はこうした学生たちの闘いを断固支持する。(H)

以上


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