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2023年5月23日

G7広島サミットについて

2023年5月23日

日本労働党中央委員会
総政治部責任者・大嶋和広

一、先進7カ国首脳会議(G7サミット)が広島で行われ、「首脳宣言」が発表された。サミットは、米帝国主義が同盟国をひきつけて中国・ロシアへの敵視と包囲網をいちだんと強化する舞台であった。米帝国主義の策動は、アジアでの戦争の危険性を高める許しがたいものである。

一、宣言の「地域情勢」は、その大半が中国を標的にした。「台湾」や「人権状況」などの言及は、中国の内政問題への乱暴な干渉である。中国にロシアへの「圧力」を求めたのも、外交主権への明らかな介入である。「中国と建設的かつ安定的な関係」を望むなら、相手を独立国として尊重しなければならない。

一、さらに、戦争当事者であるゼレンスキー・ウクライナ大統領を引き入れ、最大限の「支援」を表明した。ウクライナ戦争の長期化をもくろむもので、ウクライナ・ロシア両国人民はさらなる惨禍(さんか)にさらされる。戦争の即時停戦こそ、世界の人びとの願いである。

一、被爆地・広島で行われたサミットだが、首脳による平和記念資料館訪問はパフォーマンスにすぎず、「広島ビジョン」では公然と「核抑止論」がうたわれた。被爆者・被爆地への冒涜(ぼうとく)で、断固として撤回を求める。最大の核配備国である米国こそ、まっ先に核軍縮に踏み出すべきである。

一、帝国主義者は居丈高だが、深刻な金融不安や国内の階級矛盾など、足元は大いに揺らいでいる。米国にいたっては「債務上限引き上げ」をめぐり右往左往している。
 米国がもくろんだ、「グローバルサウスの獲得」も不首尾に終わった。ルラ・ブラジル大統領が、ウクライナ戦争をめぐりバイデン米大統領を批判したのは典型で、こうした声こそ「世界の大勢」である。G7も「中国抜き」では生きられない。現に、中国への対応では米欧間に違いがあり「結束」は容易ではない。
 帝国主義による世界支配は末期で、先進国労働者階級の力でこそ打ち倒すことができる。

一、岸田首相は世界を飛び回り「議長国」として外交成果をアピールしたが、欺まんである。岸田政権は「非軍事」などといいつつ、ウクライナへの自衛隊車両の提供など、事実上の軍事支援を強化している。衰退する米国の先兵役として「アジアの大国」をめざす、時代錯誤の亡国の道である。わが国は米戦略の下で戦争の危機に直面させられている。

一、独立・自主の政権でない限り、わが国とアジアの平和と繁栄は実現できない。核廃絶に貢献することも不可能である。
 広島サミットに対し、被爆者は「戦争をあおる会議」と怒りの声を上げている。沖縄では、若者を中心に「沖縄を再び戦場にしない」と集会とデモが行われた。
 わが党はこうした怒りと闘いと結びついて発展させ、中国をはじめ新興諸国・途上国と連携して、独立・自主の政権を樹立するために奮闘する。


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