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2023年4月25日号 1面

第94回メーデーに際し、
全ての労働者に訴える

 すべての労働者の皆さん!
 第94回メーデーに際し、日本労働党は熱烈な連帯のあいさつを送ります。

世界はまさに戦争を含む乱世、歴史的転換点
 二つの大戦を通じて確立した米帝国主義を頂点とした世界支配秩序が崩れています。中国の政治的・経済的台頭と、これまで帝国主義列強によって搾取され虐げられてきたグローバルサウスと呼ばれる新興国・途上国が大きく前進しています。米欧日などの主要7カ国(G7)がわが物顔にふるまってきた時代は終わりを告げています。
 欧米の帝国主義本国の労働者はストライキなどで闘い政権を揺るがしています。米国は深刻な社会の分裂と政治対立で揺れ動いています。帝国主義の世界支配は大きく揺らぎ、世界の労働者階級の闘いの前進にとって有利な時代になっています。
 これを押しとどめようと米国・バイデン政権は、「民主主義対専制主義」などといって台頭する中国を抑え込むために、さまざまに世界の分断を図って戦争の危険を高めています。「台湾独立」をあおり、ウクライナに続く代理戦争を東アジアでも画策しています。わが国岸田政権も「G7議長国」の立場を内外政治で最大限利用しながら、米国の意を受けて外交攻勢に出ています。グローバルサウスを引き付けようと躍起になっています。
 ウクライナへのロシアの侵攻は許されませんが、米国をはじめ北大西洋条約機構(NATO)諸国はウクライナへの軍事支援・武器供与を際限なくエスカレートさせ、戦争を長引かせ、双方に多大な犠牲者を生んでいます。際限のない戦線の拡大は核戦争の危機をもはらんで、「戦争か平和か」が真剣に問われています。即刻の停戦でこれ以上犠牲者を出させないことが最も重要です。中国が表明した「和平への立場」も各国に影響を広げています。岸田政権に「直ちに停戦」のための外交を求めます。

資本主義世界の経済・政治危機は末期
 世界経済の危機は、コロナ禍とウクライナ戦争が重なっていちだんと深まっています。エネルギーや食料、原材料の高騰は世界的なインフレとなっていちだんと深まっています。世界の労働者は自らの生活を守るため闘いに立ち上がっています。とりわけフランスやイギリスをはじめ欧州各国の労働者は、年金改悪に反対したり、大幅賃上げを要求したりして大規模なストライキや抗議行動を繰り広げています。階級対立は激化し、各国の政権を揺さぶっています。
 インフレ抑制のための各国の高金利政策は、リーマン・ショック以来の米欧などでの金融機関の破綻連鎖などとなってさらに危機を拡大しています。新興諸国の債務問題も深刻化し、世界経済危機の大きな火種となっています。
 こんにちの世界は極めて少数の富裕層が富をひとり占めし、大多数の人々が飢餓や貧困に苦しみ、その格差はますます広がっています。世界的な需要不足は軍需依存・戦争経済にならざるを得ません。
 深刻化する気候変動や新型感染症はわれわれの生存そのものを脅かすほどになっています。これらは企業の最大限の利潤追求の結果であり、資本主義それ自身が生み出したものです。だから企業の思惑、各国の利害がもつれて打開のための対策を打てずにいます。全世界で若者を中心に気候変動対策を要求する闘いが沸き起こっています。
 世界の資本主義は行き詰まり、ますます末期の様相を呈しています。

対米追随からの脱却、独立・自主の国の進路を
 衰退する米国は、単独では中国に対処できず、「統合抑止」といってわが国を対中国の最前線に立たせようとしています。
 わが国支配層・岸田政権は、経済でも安全保障でも米国に追随し、米国の衰退を見越しながらアジアでの盟主の座を確保する狙いもあり、米国の対中国戦略の最前線に立っています。
 岸田政権は、昨年末、国家安全保障戦略をはじめ「安保3文書」を改定し、日米安保体制下での「専守防衛」という戦後の安全保障政策を大転換しました。敵基地攻撃能力の保持を明記し、中国を「最大の脅威」として戦争準備、軍備拡大を進めています。九州・沖縄、南西諸島への自衛隊基地の新設、強化、長距離ミサイルの配備などが急ピッチです。米国の対中国抑止政策の強化で、偶発的な軍事衝突の可能性が高まっています。こうした中国敵視、戦争準備に対して経済界や保守層内部にも動揺が生まれています。沖縄では「再び戦場にするな」との声が上がり、戦争準備に反対して平和外交を求める新たな県民運動が始まっています。平和を願う全国の人々は、沖縄県民の闘いに呼応し全国で連帯して、戦争と軍拡増税に反対する声を上げましょう。

生活できる賃金闘い取ろう
 今春闘で、大手などでのベースアップなど、昨年までとは少し違う様相となりました。しかし、非正規、未組織など多くの労働者は取り残されたままです。すべての労働者の生活向上と要求実現のため最後までがんばりましょう。
 今また物価高騰の波が次々と押し寄せ、諸物価値上げの計画が目白押しで、実質賃金は上がりません。これでは大多数の労働者は生きていけません。
 生活実態を根拠に、フランスやイギリスの労働者のように闘って大幅賃上げを勝ち取らなければなりません。「生活できる賃金よこせ」とストライキを含め自らの力に頼って闘える労働運動に再生するため、共にがんばりましょう。
 諸物価の急激な高騰は酪農畜産など農家の経営を危機に陥れ、非正規労働者をはじめ低賃金にあえぐ多くの勤労者の生活を直撃しています。高齢者への犠牲の押し付けも強まっています。現状の打開と生活を守りたいという大多数の国民の声と結び付いて、政治の変革をめざす広範な国民運動をつくり上げましょう。

世界の流れを見極め、力を蓄え、戦線を広げよう
 労働運動は、アジアの平和と共生のために役割を果たせていません。アジアの平和と共生のためには対米追随から脱却して独立・自主の政権を打ち立てる以外に道はありません。ほとんどの野党は、中国脅威論に屈服し、中国批判などで政権に追随し、政策的な対抗軸を立てきれていません。
 世界は危機の中にありますが、大きな歴史的転換点の最中です。労働者階級とすべての抑圧された人々の解放を実現する革命政党の強化は待ったなしです。
 先進的労働者は、世界の流れを見極め、わが国労働運動が、力を蓄え、戦線を広げ、広範な国民運動の中核として成長するように共に闘いましょう。

第94回メーデー万歳!
万国の労働者、被抑圧民族は団結せよ!

第94回メーデースローガン

岸田政権の対中国戦争準備反対
自主・平和、アジアの共生、国民生活守る政権実現

生活危機打開、大幅賃上げ、諸権利の大幅改善を
 ・物価高騰から生活守るため全ての労働者の大幅賃上げを!
 ・最低賃金を即刻、時給一千五百円に!
 ・首切り・雇い止め反対! リストラ反対!
 ・長時間労働反対! 全ての労災を雇用者責任に!
 ・技術革新を口実とした労働者犠牲反対!
 ・非正規労働者の権利確立!
 ・女性労働者・外国人労働者の権利を守れ!
 ・公務員削減反対!
 ・関西生コン支部など労働運動への弾圧を許すな!

労働者は国民諸階層の要求を支持し共に闘おう
 ・資産家のための金融緩和政策を転換せよ! 国民のための財政出動を!
 ・大企業に増税を! 内部留保を吐き出させろ!
 ・消費税廃止! 公共料金の引き上げ反対! 社会保障制度の改悪反対!
 ・生活保護費を大幅増額せよ!
 ・肥料・飼料の高騰から農家経営を守れ! 欧州並みに戸別所得補償制度を拡充せよ!
 ・大企業のための規制緩和やライドシェア反対!
 ・「国際金融都市」構想など大都市集中政策反対!
 ・ローカル線廃止反対!地域住民の足を守れ!
 ・「IR」カジノ計画反対!
 ・コロナ禍で傷んだ中小企業・自営業の経営・営業を守れ!
 ・政府の責任で医療崩壊を防げ! 「変異株」対策を徹底せよ!
 ・自治体病院の民営化・独法化・病床削減反対!

ウクライナの即時停戦、和平の実現
 ・ロシアは即時停戦し、軍隊を撤退させよ!
 ・米欧はウクライナへの大量武器供与を停止せよ!
 ・米欧はNATOの拡大とロシア圧殺をやめよ!
 ・米欧日によるロシア制裁反対! 岸田政権はロシア制裁をやめよ!
 ・米欧ロは直ちに和平交渉を開始せよ!

独立・自主、アジアと共生する国の進路を切り開こう
 ・「安保3文書」の閣議決定を撤回せよ!
 ・日米同盟のさらなる強化・軍事一体化反対! 日米安保条約破棄!
 ・米英仏豪などとの多国間軍事訓練をやめよ!
 ・中国敵視政策を転換せよ! 日中共同声明を守れ!
 ・朝鮮民主主義人民共和国との即時・無条件の国交正常化!
 ・憲法9条改悪反対!
 ・防衛費増額反対、軍拡増税反対! 米国から高額な武器を買うな!
 ・辺野古新基地建設阻止! 普天間基地の即時閉鎖!
 ・南西諸島への自衛隊基地増強・ミサイル配備反対!  オスプレイ配備反対!
 ・馬毛島のNLP基地建設反対!
 ・戦争準備のための政治反動と国民監視強化に反対しよう!
 ・原発再稼働反対! すべての原発を廃炉に! 汚染水の海洋放出反対!
 ・食料の自給率を引き上げよ! 農産物の国境措置を強化せよ!

岸田政権打倒、国民大多数のための政権樹立をめざそう
 ・選挙に幻想を持たず、広範な国民運動で岸田政権を打倒しよう!
 ・岸田政権の社会的支柱、連合指導部を打ち破れ!
 ・労働者の切実な要求背景にストライキで闘い、労働運動を革命的に再建しよう!
 ・資本主義は末期、労働者階級は立ち上がろう!
 ・全世界の労働者階級は団結し、米欧帝国主義に反対する諸国・人民と連携して、戦争と殺戮(りく)の元凶・米帝国主義と闘おう!
 ・先進的労働者は日本労働党に結集し、新しい国の進路を切り開こう!

第94回メーデー万歳!


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