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2022年2月27日

ウクライナ情勢について

日本労働党中央委員会総政治部責任者・大嶋和広

一、ロシアは二月二十四日、ウクライナの首都キエフなどへの軍事侵攻を開始した。
 ウクライナのみならず、すべての独立国の国境・領土と主権は尊重されなければならない。主権の相互尊重は、各国が激しく争うこの世界において、平和な国際環境を実現する基礎である。
 いかなる理由・主張があるにしろ、ロシアはウクライナへの攻撃を直ちにやめ、軍隊を撤退すべきである。

一、しかしウクライナ情勢の戦乱は、ロシアを非難するだけでは解決できない。われわれは、米欧帝国主義によるロシア非難に与しない。
 一九九〇年の「ドイツ統一」に際し、旧ソ連は軍隊を撤退させ、米欧は北大西洋条約機構(NATO)の「東方不拡大」を約束した。ところが、米帝国主義は約束を破ってNATOを拡大させ、ロシアに圧力をかけ続けた。旧ソ連圏での政権転覆(カラー革命)など、各国に乱暴に内政干渉し続けた。これが問題の遠因である。
 米国は昨年来、ロシア周辺国への増派・武器供与をいちだんと強化している。
 米国はロシアや旧ソ連圏、東欧諸国への干渉を即刻中止すべきである。これが緊張緩和の「前提」である。
 そもそも、米帝国主義は何度も他国を侵略し、国家転覆を謀ってきた。イラクやアフガニスタンの悲惨な現状が、その犯罪性を告発している。どの面を下げてロシアを非難できるのか。
 ロシアとウクライナは、「即時停戦」などで合意した二〇一五年の「ミンスク合意2」を守り、平和的解決に尽力すべきである。国際社会は、それを支えなければならない。

一、アフガニスタンからの無様な撤退にあらわれたように、米帝国主義の衰退は急激である。
 世界資本主義の危機はいちだんと深まっている。ウクライナ情勢の緊張は、国際的な資源価格の高騰、バイデン政権の威信失墜、諸国間の力関係の変化などとして、以降の国際情勢を激変させるだろう。
 第二次大戦後の米帝国主義を中心とした世界秩序も、冷戦崩壊後の「一極支配」も「過去の遺物」となった。帝国主義の力でつくり上げた「秩序」は、持続不可能である。
 対米従属のわが国は、否が応にも対応を迫られることになる。

一、岸田政権は米英などとともにロシアを非難し、制裁に踏み込んだ。だが、それで問題は解決するのか。
 安倍元首相らは「台湾に対し中国がどのような対応を取るかを占う意味で、日本にとって深刻な出来事」などと「台湾有事への影響」を叫び、中国敵視の世論をあおり立てている。時代錯誤で、世界、アジアの緊張を激化させる道である。
 問題は、立憲民主党などの野党である。とくに日本共産党はロシアだけを非難し、政府・与党に追随している。これでは、岸田政権との政治的対抗軸など立てようがない。アジアの平和も実現できないことは明白である。

一、経済制裁はロシア、ウクライナ人民を苦しめ、事態の平和的解決に逆行するだけである。岸田政権は制裁措置を直ちに撤回すべきである。
 わが党は、ウクライナ情勢を悪用した中国敵視に断固として反対する。
 国連安全保障理事会による「ロシア非難」決議に、中国、インドは棄権した。こうしたアジアの国々と協力し、米国に追随せず、ウクライナ情勢を平和的に解決する外交に積極的に乗り出すべきである。それが世界平和に貢献する道であり、アジアに生きるわが国の展望となるであろう。


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