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2018年9月5日号 1面

沖縄/「承認撤回」は県民の総意

労働運動は県民運動のさらなる
強化と県知事選挙勝利の先頭に

 沖縄県の富川、謝花両副知事は八月三十一日、故翁長知事が表明していた、名護市辺野古への新基地建設に関する、仲井真元知事による埋め立て工事承認の撤回を表明した。
 われわれは改めて、沖縄の判断を断固支持することを表明する。
 撤回は、基地建設に反対する県民の総意を代弁したものである。県民にとっては、「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」の主催で、八月十一日に七万人余が結集して成功した県民大会を引き継ぐ成果である。
 安倍政権が連日座り込む住民を暴力的に排除して強行していた新基地建設は、停止に追い込まれた。これにとどまらず、建設自身の断念に追い込まなければならない。
 謝花副知事は、工事承認の条件となった「留意事項」にある環境保全策などの不備や大浦湾側の海底の軟弱地盤などを例示し、「翁長知事の思いを受け止め、違法状態を放置できず、行政手続きの観点から判断した」と述べた。
 これに対して、御用マスコミは「政治的パフォーマンス」(「産経新聞」)などと金切り声をあげている。かれらが「自治体の長である知事に(外交・安全保障政策を)覆す権限は一切ない」「在沖米軍は、沖縄を含む日本や北東アジア地域の平和を維持するための重要な抑止力」などと言えば言うほど、沖縄県民の闘いに追い詰められた支配層のあがきを証明するだけである。
 それでも安倍政権は性懲(こ)りもなく、撤回の「執行停止」を裁判所に求めるなど対抗措置を繰り出し、県民の意思をくじこうとしている。
 大衆行動をいちだんと強化し、安倍政権の策動を打ち破らなければならない。
 こんにち、国際情勢は激動のさなかにある。
 米帝国主義、トランプ政権は自国の衰退を巻き返すため、中国を主たる対象にした制裁措置など「貿易戦争」を仕掛けている。安全保障面でも、中国ハイテク企業を閉め出し、南シナ海でもけん制を強化するなど、台頭する中国を抑え込む策動をエスカレートさせている。
 ここには、中国が自国に取って代わることを許さないというだけでなく、アジアを収奪して自国経済を再建しようという狙いも込められている。
 こうした米国にとって、沖縄は「対中国」の最前線であり、その政治的・軍事的意義はいちだんと高まっている。沖縄・日本がアジアの緊張の最前線に立たされる危険性は、ますます高まっている。
 米軍が沖縄をはじめ、日本全土から撤退に追い込まれるようなこととなれば、米国のアジア戦略は崩壊し、その世界支配は巨大な挫折を伴うことになる。それは、帝国主義の世界支配にとっては大打撃ではあるが、中小国・人民、被抑圧民族にとっては平和と解放への道である。
 すでに翁長前知事の死去に伴う県知事選挙について、九月十三日告示、三十日投開票という日程が決まっている。対決の構図も決まった。基地問題と併せ、厳しい県民生活を打開することも重要な争点となっている。
 安倍政権と国政与党が推薦・支持する候補に、県民の厳しい審判を下さなければならない。
 また、その後には、新基地建設の賛否を問う県民投票を実現するための県民投票条例制定が遡上に上る。この成功も重要である。
 戦略的にもっとも頼りになるのは、労働運動を中心とする県民運動の強化である。
 本土の闘う勢力は、沖縄県民の闘いと連帯して戦うことがますます求められている。
 辺野古埋め立て用土砂搬出との闘い、垂直離着陸輸送機オスプレイの配備に反対する闘い、日米地位協定の抜本改定を求める闘いなどの闘いを繰り広げ、安倍政権を追い詰め、打ち倒さなければならない。(K)


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