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2018年8月25日号 1面

沖縄/県民大会に7万人結集 
闘う意思を改めて示す

全国で闘い、安倍政権倒せ

 沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設をめぐり、政府と対峙(たいじ)してきた翁長県知事が急逝した。
 われわれは、知事の逝去を深く悼むものである。

県民大会が大成功
 「オール沖縄会議」が主催した「土砂投入を許さない! ジュゴン・サンゴを守り、辺野古新基地建設断念を求める県民大会」が八月十一日、那覇市で開かれた。主催者の予想を超える七万人が参加し、基地反対の確固たる意思を示した。
 採択された大会決議では、「県民の命と暮らし、沖縄の地方自治と日本の民主主義と平和を守るため、この不条理に対し、全力であらがい続ける」と、うたいあげられた。
 沖縄県民が改めて固い決意を示したことは、基地建設を強行する安倍政権への痛撃となった。

米中矛盾激化と米軍基地
 世界は大激動、歴史的変動期である。
 衰退を深める米帝国主義は、中国を主たる対象に「貿易戦争」を開始し、追加関税などの制裁措置をエスカレートさせている。東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)などの場を使い、南シナ海問題をあおりアジアへの介入を策動している。
 これらの狙いは、自国経済を再生させることだけでなく、台頭する中国を抑え込み、自らの世界支配を維持することにある。米帝国主義は、決して、自ら支配的地位から降りることはない。
 米中間は、政治・経済・安全保障だけでなく、サイバー空間を含めた広義の「戦争状態」にある。その争闘は、曲折を含みながら激化の方向にある。
 米国が中国に対抗する上で、アジアに位置する日本の協力は不可欠である。米国からの対日圧力は、中長期に強まりこそすれ、弱まることはない。
 なかでも、「対中国」の最前線となる在沖米軍基地の位置づけは、軍事的な意義だけでなく、国際政治上もますます重要なものとなっている。沖縄、さらに日本は、アジアにおける戦争の危機の最前線に立たされる。沖縄をはじめ、日本全土からの米軍基地撤去を求めた闘いが急がれる。

米戦略に貢献する安倍政権
 安倍政権は、こうした米国の要求に、世界で唯一と言ってよいほどに従順に付き従っている。
 「地球儀俯瞰(ふかん)外交」、自衛隊の増強と南西諸島への重点配備、集団的自衛権のための安全保障法制、武器輸出三原則の廃止、特定秘密保護法などを次々と制定、さらに輸送機オスプレイやイージス・アショアの配備など、わが国を中国に対抗する前線基地に変えようとしている。憲法九条の改悪も、日程にのぼらせようとしている。
 経済政策でも、トランプ政権の要求に沿い、カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法も強行可決した。日銀の緩和政策も、米国の「出口」を補完する意味合いがある。
 安倍政権の犯罪的な点は、従来以上の対米従属政治を「強い日本」などと呼号、わが国の自主を広げるかのように装っていることである。
 米国に従ってその先兵となり、中国などアジア諸国・人民に敵対する安倍政権の方向は、わが国の孤立の道で、戦争の惨禍にさえ巻き込みかねない亡国の道である。大多数の国民には、さらなる貧困と収奪が襲いかかる。
 独立・自主でアジアと共生する、国民大多数の利益のための国の進路を実現することは、ますます喫緊の課題である。

県知事選の勝利を
 沖縄県内の労働組合、政党、諸団体は、すでに九月に予定される県知事選挙に向けて動き出している。
 県民運動を強化し、それを背景に知事選に勝利し、安倍政権・与党の思惑をくじかなければならない。
 われわれも、そのために微力を尽くす決意である。
 安倍政権は、県知事選挙への影響を恐れ、十七日に予定していた埋め立て土砂の投入の延期を表明した。県民運動に追い込まれたものではあるが、県知事選への影響を恐れての術策でもある。
 本土、全国の闘う勢力は、沖縄に連帯した闘いをいちだんと強化することが求められている。
 それは、知事選に勝利するという当面の目標のためだけではない。
 沖縄県民の闘いは、対米従属政治と闘い、打ち破り、独立・自主の政権をめざす国民的戦線を形成する上で、その有力な一翼となり得るからである。
 国民的運動を巻き起こす条件はある。
 安倍政権の「高支持率」を支えたアベノミクスは完全に行き詰まり、トランプ政権からの圧力など、内患外憂である。
 ますます深刻化する国民生活を打開することは、安倍政権と闘う勢力にとって共通、かつ重要な課題である。そのためにも、対米従属のわが国の進路を転換させ、アジアと共生する国の進路を実現しなければならない。
 日米地位協定の抜本改定を要求する闘い、垂直離着陸輸送機オスプレイの配備に反対する闘い、辺野古への土砂搬出に反対する闘いなど、地域の実際に即した形で闘いを繰り広げよう。
 国民運動の中心的役割を果たすべきは、労働運動である。先進的労働者は、現場での闘いを基礎に、国の運命にかかわる闘いで先頭に立とう。    (K)


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