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2013年4月5日号 2面・解説

第84回メーデーに際し、
全国の労働者に訴える

日本労働党中央委員会

安倍政権打倒!独立・自主の政権樹立こそ打開の道
アベノミクスは財界のためのバクチ的危機打開策
日米同盟強化で中国に対抗する亡国の道を打ち破れ
労働者階級は独立の旗を掲げ国民運動の先頭に
破局に備え、強固な革命政党の建設を急ごう

アベノミクスへの幻想を捨て、国民経済・国民生活を向上させる政治への転換を!
・政府・日銀による大銀行・大企業への支援策反対! 中小企業、農漁民への経営支援を!
・燃料、生活必需品、公共料金の値上げ反対!
・消費税増税などあらゆる大衆増税に反対! 勤労国民に減税を! 儲けた大企業・投資家にこそ増税を!
・生活保護、年金など社会保障制度の改悪反対!
・「財政再建」は大企業と銀行の負担で! 米財務省債を売り払え!
・大企業によるリストラ・賃下げ攻撃反対!
・すべての労働者に生活できる大幅賃上げを! すべての失業者に職を!
・非正規労働者の権利確立!
・地方公務員への賃下げ強制反対! 公務員のスト権を取り戻そう!
・解雇の金銭解決など労働法制の全面改悪反対!
・財界支援ではなく、被災地住民のための復興を!
・原子力発電所の再稼働・新増設反対! 原発輸出反対!
・財界が推進する道州制策動反対!

日米同盟強化を打ち破り、独立・自主、アジアと共生する日本を!
・米国のアジア戦略に従い中国に対抗する日米同盟強化反対! アジアからの米軍基地撤去を!
・普天間基地の即時閉鎖・返還! 名護市辺野古への移設反対! 全土から米軍基地を撤去せよ!
・集団的自衛権反対! 動的防衛力整備反対! 日米合同演習反対! 自衛隊の海外派兵反対!
・環太平洋経済連携協定(TPP)への参加反対! アジア諸国と平等互恵の経済関係を!
・独立の基礎、食料自給率の向上を!
・自主的で安全優先のエネルギー政策を!
・朝鮮との即時無条件の国交正常化! 朝鮮への制裁・敵視政策をやめよ!
・侵略の歴史を美化する策動反対! アジアへの誠実な謝罪と補償を行え!
・中国、朝鮮などアジア諸国との人民間交流の活性化を!
・日米安保条約破棄!

日和見主義を一掃し、革命政党の建設を勝ち取ろう!
・連合中央指導部が振りまく労資協調路線を打ち破り、ストライキで闘おう!
・「福祉国家論」は幻想だ! 連合中央指導部は民主党支持の押し付けをやめよ!
・支配層にこびへつらう共産党を打ち破れ!
・労働運動は独立の政権めざす実力ある国民的戦線の組織者に!

・先進的労働者は、日本労働党に結集しよう!
・全世界の労働者階級は団結し、中小諸国の闘いと連帯して、米国を筆頭とする帝国主義と闘おう!
第84回メーデー万歳!


 全国の労働者の皆さん!
 第八十四回メーデーに際し、日本労働党は熱烈な連帯のあいさつをおくります。
 世界資本主義がリーマン・ショック、「百年に一度の危機」に陥ってから五年、不況は終わらず、いよいよ末期症状を呈しています。
 米国を中心とする帝国主義諸国による前代未聞の金融緩和策は内外矛盾を激化させ、国際協調は崩れ「通貨戦争」を起こしています。危機から抜け出せない中、帝国主義者は戦争への衝動を強め始めています。
 安倍政権は「日本経済再生」を掲げ、「アベノミクス」と称する異次元の金融緩和などの政策手段を投入、マスコミは「景気回復」の幻想を振りまいています。しかし、これは世界資本主義の危機が深刻化する中、余儀なくされた政策です。「成功しなければ日本は滅ぶ」というほどの危機感に駆られたイチかバチかのバクチで、成功の保証はなく、一歩間違えば破局への道です。しかも、この経済政策が環太平洋経済連携協定(TPP)参加、動的防衛力強化など、中国をにらんだ米国のアジア再均衡戦略への追随、日米同盟強化と一体で進められていることは、危うさを倍加させています。
 安倍政権の登場によって、わが国は、危機からの脱却を米国にゆだねその先兵を担うのか、それとも独立・自主を確立してアジアとともに未来を切り開くのか、「二つの道」の歴史的岐路に立っています。
 日本労働党は、先進的労働者の皆さんに、独立・自主の旗を敢然と掲げ広範な戦線を構築して、安倍政権の亡国の道を打ち破る闘いの先頭に立つよう訴えます。
 危機が深刻化、戦乱を含む激動の時代には、「福祉国家」や「ルールある資本主義」などの改良は幻想で、政権を握ることこそが唯一の現実的道です。そのために、限界を露呈している選挙、議会制民主主義への幻想を捨て、直接民主主義すなわちストライキなど断固たる闘争、強力な国民運動の構築に全力を挙げようではありませんか。

 1
 全国の労働者の皆さん!
 世界資本主義の危機はいちだんと深刻さを増しています。リーマン・ショック後、各国は前例なき金融・財政政策を続けています。それでも、最近の二十カ国・地域(G20)会合でも認めざるを得なかったように「世界経済の成長は弱すぎ」「失業者は多すぎる」状況です。
 米国の失業率は依然として高止まりして貧富の格差はさらに拡大、「財政の崖」を抱え階級間の利害対立が激化、オバマ政権への不満が高まっています。
 欧州連合(EU)でもキプロスやスロベニアに危機が波及、イタリアなどでも失業者が増大、「成長か、財政再建か」の闘争で政治は不安定化しています。これに連動して中国などの新興国経済も減速、国民の不満が高まっています。
 米国、欧州に続き、安倍政権が打ち出した「異次元緩和」は、各国間の輸出競争、「通貨戦争」をいちだんと激化させ、中国など新興国との矛盾が激化しています。「中央銀行頼み」の対策は打てば打つほど矛盾を激化させ、限界は明らかです。
 それは当然で、今回の「百年に一度」の危機はカネが少ないから起きたのではなく、「カネ余り」が引き起こしたものだからです。資金は世界中に行き渡り、有り余る生産力がありながら、人びとの貧困がゆえに商品が売れない、過剰生産と過少消費という資本主義の仕組みそのものに内在する矛盾が極限にまで激化しているからです。
 この矛盾は本質上、私的所有を基礎とする資本主義制度そのものの廃絶以外に解決することはできません。まさに、資本主義は命脈が尽きようとしています。
 注意を喚起したいのは、一九三〇年代の世界大恐慌からの脱出は、結局のところ第二次世界大戦、すなわち膨大な生産力の破壊と戦争需要創出以外になかったという事実です。こんにち世界資本主義の末期的危機に当面し、米国など帝国主義者が戦争への衝動を高めたとしても不思議ではありません。
 日本労働党は、全世界の労働者階級が人民の多数を率いて敢然と闘い、政治権力を奪うという歴史的任務を果たすための準備を急ぐよう訴えます。

 2
 安倍政権の経済政策「アベノミクス」は、世界資本主義の危機が末期症状をさらす中、いちだんと苦境に陥ったわが国支配層がそこから脱するために余儀なくされた、しかもバクチ的政策です。
 先進的労働者は、「アベノミクス」の攻勢に圧倒されず、幻惑されてはなりません。この政策の本質は、一握りの大銀行、大企業と大資産家に「濡れ手にアワ」の利益をもたらす一方、労働者と中小企業、農業者など国民多数には耐え難い苦難を強いるものであることを暴露し、闘わなければなりません。
 国債価格や株価の上昇は「官製バブル」そのもので、資産を持つものと持たないものの格差はますます拡大する一方です。円安は株高とともに輸出大企業を潤していますが、中小企業や農民には原料、燃料高、国民には諸物価値上げとして襲いかかっています。
 安倍首相は「賃上げ要請」のパフォーマンスを行いましたが、実態はごく一部の大企業労働者への今回限りの一時金にすぎず、大多数の中小企業労働者の賃金は下がっています。地方公務員には、露骨な政治介入で賃下げを強制しています。金銭解雇を認め、経営側の事情でいつでも労働者の首を切る制度さえ導入しようとしています。
 黒田日銀による「異次元緩和」は事実上、公共事業などの財源を低コストで賄うものにほかなりません。「機動的な財政出動」は歯止めを失い、危機的な国家財政をさらに破局的なものとさせかねません。
 こうして国民には物価高と賃下げ・失業、大増税と社会保障制度の切り捨てなどの犠牲が押し付けられるのは必至です。
 肝心な問題は、アベノミクスで民間投資に火がつくかどうかです。安倍政権は「成長戦略」で民間投資を引き出そうと躍起ですが、あてがないことは黒田総裁自身が認めている通りです。国内の需給ギャップが膨大な上、円安にもかかわらず大企業は海外展開を強めているからです。
 こんにちの株高、円安を支えている海外投機筋の思惑次第では、より深刻な危機さえ起きかねません。
 さらに「アベノミクス」による円安は「通貨戦争」、世界的争奪を激化させ、危機脱却に困難な条件となってはね返ります。
 アベノミクスが早晩、破たんせざるを得ないことを見抜き、戦略的にべっ視して闘わなければなりません。

 3
 安倍政権と闘う上で今一つ重要なことは、バクチまがいのアベノミクスが、中国をにらんだ米国のアジア再均衡戦略への追随、日米同盟強化と一体であることです。
 衰退する米国は危機打開のためにアジアへの参入を強め、台頭する中国をけん制するアジア戦略を進めています。日本をTPPに引き入れることはその一環です。朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)への圧迫も戦略の一部です。
 安倍政権は日米首脳会談を通じて米戦略に追随し、いちだんと同盟強化を進めています。普天間基地(宜野湾市)の辺野古移設のための埋め立て申請など米軍基地の再編・固定化、動的防衛力強化、朝鮮敵視と制裁強化、インド、ミャンマーなど中国周辺国との関係強化など。集団的自衛権の行使容認の地ならしを急ぎ、九六条からの憲法改悪を参院選の争点にしようと策動しています。
 しかし、世界資本主義の末期症状と世界政治の構造変化が進む中、安倍政権による日米同盟強化の道は、時代錯誤で売国と亡国の選択です。
 しかも、米国などの帝国主義者は危機打開のために戦争への衝動を強めています。その手駒となれば、第二次世界大戦以上の悲惨な結果となりかねません。
 日本労働党は、先進的労働者の皆さんに、独立・自主の旗を高々と掲げ、広範な戦線を構築して、安倍政権の亡国の選択を打ち破る闘いの先頭に立たれるよう訴えます。
 独立・自主の強力な政権を打ち立ててこそ、リスクが多く、国益と国益がぶつかり合う世界に対処でき、国民多数の生存と平和、将来を切り開くことができます。

 4
 全国の労働者の皆さん!
 安倍政権と首尾よく闘うためにも、三年三カ月に及んだ民主党政権の経験その崩壊から教訓をくみ取ることは重要です。
 第一は、民主党と最大の応援団である連合中央指導部の甘ったるい情勢認識です。連合はリーマン・ショックを「市場原理主義の終えん」と見て「パラダイム転換」を唱えましたが、事実とかけ離れています。「終えん」どころか、空前の金融緩和と財政投入で大銀行と大企業は救済され、危機をより深めています。連合指導部の見解は、深刻な危機と矛盾をおおい隠す見解です。
 第二は、そうした反動的情勢認識の下、民主党政権によって「働くことを軸とする安心社会」が実現するかのような見解は幻想です。国の基本政策で自民党と違わない二大政党の一翼としてつくられた民主党に、対米従属で財界のための政治を変えることはあり得ないことでした。実際に民主党政権が行った政治は、自民党以上に対米従属で財界のための政治でした。民主党政権は世界資本主義の危機が深刻化する中、連合指導部を通じて労働運動の発展を抑え込み、対米従属政治の危機乗り切り役を演じたのです。
 危機下では「新自由主義反対」や「福祉国家論」のような改良は幻想です。独立・自主で国民大多数のための政権を樹立することこそ労働運動めざす打開策です。
 第三に、民主党政権の崩壊は、危機の時代にはもはや二大政党制による「安定」した政治は成立しないことと併せ、議会制民主主義が民意を吸収できないことも示しました。
 戦後六十数年間、選挙に動員されてもそれに見合う生活改善はもたらされなかったこと、「政権交代」に裏切られた経験から、真の打開の道は選挙ではなく直接民主主義、労働者自身の断固たる闘争、広範で強力な統一戦線の力による政権樹立の道である、という結論を下すべきでしょう。議会闘争は、国民運動と結びついてこそ大きな力を発揮したことは、戦後の経験が示しています。

 5
 全国の労働者の皆さん! とりわけ先進的労働者の皆さん!
 安倍政権が推し進める「アベノミクス」、日米同盟強化の道と根本的に争い、打ち破り、独立・自主の政権を樹立するためには、労働運動の政治的自覚を促し、もっとも広範な強力な統一戦線を指導できる強固な革命政党が必要です。
 連合指導部は、この期に及んでも民主党基軸を改めず、他方で安倍政権へすり寄りを始めています。
 共産党はますます「月並みな政党」へと堕落を深め、米国と多国籍大企業にこびへつらい、労働者の闘いを選挙に収れんさせ、根本的変革の道からそらしています。
 社民党中央は総選挙の深刻な総括もなく、参院選での議席獲得に汲々(きゅうきゅう)としており、安倍政権に対する対抗軸、戦略的で包括的政策も示せていません。
 これらの政党に労働運動とわが国の運命を託すことはできません。
 わが党は、先進的労働者の皆さんに、わが党に結集し、ともに革命政党建設の事業を担われるよう心から訴えます。
 全世界の労働者階級、中小国・人民と連帯して帝国主義と闘うとともに、労働者階級の根本的解放を実現するという歴史的役割を担おうではありませんか。

 第八十四回メーデー万歳!
 万国の労働者、被抑圧民族は団結せよ!


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