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2011年4月25日号 2面・メーデーアピール 

第82回メーデーに際し、
全国の労働者に訴える

日本労働党中央委員会

 全国の労働者の皆さん!
 第八十二回メーデーに際し、日本労働党は熱烈な連帯のあいさつをおくります。
 リーマン・ショックから二年半、世界は危機を脱するどころか、諸国間の対立や諸国内の階級対立はますます激化し、破局に向かっています。未曽有(みぞう)の被害をもたらした東日本大震災とその後の事態はそれを加速し、政治の根本的転換なしに労働者階級と国民諸階層の活路がないことを教えています。
 わが党は先進的労働者の皆さんに、米国と財界の走狗(そうく)、菅政権を打ち倒す闘いに立ち上がると同時に、対米従属で多国籍大企業のための政治を打ち破り、新たな国の進路を切り開く国民大多数による政権を樹立するため、強固な革命政党建設と実力ある国民的戦線構築に尽力されるよう訴えます。

 この間の諸事件は、世界資本主義の危機の深さとその破局が迫っていることを示しています。
 米国が危機脱出策として投入した巨額の資金は、自国経済を救わないばかりか、金融機関にタダ同然の投機資金を与えて高収益を保証する一方、新興国にバブルとインフレの新たな危機を引き起こしました。これが要因となって中東・北アフリカの人民が決起し、旧秩序と米世界戦略に打撃を与えています。さらに、米国の「不均衡是正」要求は中国をはじめとする新興国との対立を激化させ、対抗勢力としてBRICSの結束を促しています。
 欧州連合(EU)諸国も財政不安国への支援は容易ではなく、財政再建は国内矛盾を引き起こしています。米欧の対立も激化しています。
 米国を頭とする帝国主義が支配してきた世界は「国際協調」が急速に崩れ、構造変化と内乱を含みながら国益をかけた激しい闘争の局面となり、まさに大動乱、歴史的転換期を迎えています。
 時代を切り開くには何をすべきか。中東・北アフリカ人民の決起とその後の経過は、革命党の建設と労働者階級の前進こそがカギで、それなしに勝利は不可能であることを教えています。わが党は、先進的労働者の皆さんがこの教訓に深刻に学び、前進されるよう訴えます。

 世界の構造変化、激しい争奪の環境下、菅・民主党政権は、自民党政権以上に米国追随で財界に忠実で、国民に犠牲を押し付ける政治を推し進めてきました。
 リーマン・ショック後の激しい世界競争にわが国多国籍大企業が打ち勝つための「新成長戦略」を策定、閣僚は原発、インフラを新興国に売り込むセールスマンとなりました。また、大企業には法人税減税で負担を減らす一方、国民には「社会保障と税制の一体改革」などと消費税増税などを押し付けようとしています。
 外交でも、普天間基地(沖縄県宜野湾市)の県内移設の日米合意順守を策動。中国の台頭を口実とする米日韓合同軍事演習強化、新防衛大綱の決定など日米同盟を飛躍的に強化する方向にカジを切りました。加えて、米国の危機打開のための通商戦略・環太平洋経済連携協定(TPP)への参加を策動しています。
 菅政権の日米同盟「深化」路線はわが国を米通商戦略に従属させるもので、独立の基礎である農業を壊滅させ、中小企業、労働者を犠牲にする売国の選択です。米戦略に追随し、中国を「共通戦略目標」としアジアで孤立する亡国の道です。
 菅政権のこれらの政策の下、大企業はリストラで中小企業と労働者に犠牲を押し付け、新興国需要で荒稼ぎし、二百兆円を超える内部留保をため込むほどにV字回復しました。
 対照的に、国民大多数の営業と生活はますます悪化しました。
 失業者は潜在的失業者を加えれば一千万人に達します。職に就けていても賃金は十年以上も下がり続けています。ボーナスさえない労働者が大半で、非正規など約一千百万人の労働者が年収二百万円以下の貧困を強いられています。
 労働者だけではありません。
 農民は米価下落、燃油や飼料代の高騰で、ますます経営が困難です。その上、関税を原則ゼロとするTPPへの参加で将来が見えません。
 中小企業の倒産は年間一万件以上に達します。大銀行はカネ余りでも融資せず、廃業に追い込まれる零細企業は後を絶ちません。
 地方経済の疲弊(ひへい)も深刻です。生活保護受給者は二百万人を超え、民主党政権下で二十万人以上も増えました。

 こうしたわが国を東日本大地震が襲いました。大津波、原発事故が重なり、死者・行方不明者が三万人弱、地域産業に壊滅的打撃を与え、被災地のみならず国民大多数をいっそうの苦難に突き落としました。
 にもかかわらず、菅政権による政権運営は、度し難い財界支援、米国追随です。
 政府・日銀は早々と大銀行に百二十兆円以上もの資金を供給、輸出大企業を守るための為替介入も行いました。「被災」大企業への法人税還付だけでなく、極悪企業、東京電力への血税投入さえ策しています。
 他方で、職を失った百万人もの労働者、壊滅的被害を受けた漁業者、津波に農地をさらわれた農業者、家畜を見捨てざるを得なくなった酪農家など被災者への支援は遅々としています。震災を口実とした大企業による首切りや労働条件引き下げなどの無法を容認しています。
 また、財界は「道州制の先行モデル」「国際競争力のある経済圏の先進モデル」などと大企業優先の復興計画を立て、被災地を食い物にし、国民への増税で財源を確保しようとしています。
 菅政権の復興政策が、こうした財界の要求に忠実に応えようとしていることは、「財源」と称して早々と消費税増税が打ち出されていることからも明らかです。
 さらに見過ごせないのは、財界に尻をたたかれ、TPP参加に向けた検討を再開しました。また、米軍との「トモダチ作戦」は、危険な日米同盟「深化」に踏み込むものです。
 まさに、菅政権は旧自公政権以上の、対米追随で多国籍大企業のための政権です。
 民主党政権の存続を許せば、国民生活の悪化はさらに進み、国の安全も危うくなります。この政権を倒すことは緊急の課題です。


 全国の労働者の皆さん!
 菅政権の財界支援の復興路線と闘い、被災者の切実な要求を基礎にした国民大多数のための救援・復興を求めて闘うことは緊急課題です。四兆円程度の政府補正予算ではまったく不十分で、膨大な外貨準備(米国債)の売却、二百兆円を超える大企業の内部留保などを財源に、即時、十分な復興策を要求しましょう。
 併せて、菅政権が財界支援の復興路線と並行して進めようとしている国民負担増、売国のTPP参加、日米同盟「深化」を打ち破るため、広い戦線で闘わなければなりません。
 統一地方選挙の結果にも示された通り、多くの国民は菅政権と既成政党に強い不満と怒りをもち、打開の道を求めています。労働組合や知識人、与党の中にも、TPPや成長戦略、税制などをめぐり、政府や財界と異なる意見があります。広範で実力ある戦線を形成し闘い、政府を追い詰める条件は満ちています。
 組織者、活動家の役割が肝心です。前途はとりわけ、労働運動にかかっています。
 ところが連合中央一部幹部は、国民の信を失った民主党政権をなおも支えています。一部幹部が宣伝する「働くことを軸とする安心社会」は空論です。民主党支持の押しつけは、労働者、国民の苦難を増大させる犯罪的なものです。
 「ルールある経済社会」などと、財界の政治支配と闘わない共産党には期待できません。
 社民党中央も、菅政権に対する態度はあいまいです。これでは悪政と闘えません。
 独立・自主で国民大多数のための政権を樹立するには、労働者階級を基盤とし、国民的戦線を指導できる革命政党の建設が不可欠です。
 日本労働党に結集し、全世界の労働者階級、中小国・人民と連帯して帝国主義と闘うとともに、労働者階級の根本的解放を闘い取る歴史的役割を担おうではありませんか。


 第八十二回メーデー万歳!
 万国の労働者、被抑圧民族は団結せよ!


第82回メーデースローガン

米国と財界の走狗・菅政権打倒!

財界支援ではなく、国民大多数のための救援・復興を!
「日米同盟深化」路線を打ち破り、独立・自主、アジアと共生する日本を!
破局に備え革命政党建設と実力ある国民的戦線構築を急ごう!


○財界支援ではなく、国民大多数の苦難を打開する救援・復興を!
・すべての被災者に、緊急に住宅と生活資金を!
・原発の犯罪的事故に対する東京電力、政府の責任の追及! 被害者への完全な損害賠償を! 危険な原発を直ちに停止・廃止せよ!
・震災を口実にした解雇、雇い止め、内定取り消し反対! 被災地と全国で、民営企業か公営事業かを問わず、全失業者に職を!
・農業者、漁業者が希望のもてる第一次産業再生の抜本的支援策を!
・中小零細企業、自営業者の営業再建・活性化につながる抜本的支援策を!
・敏速で大胆な復興資金の投入を!
・救済・復旧・復興資金の財源を、消費税増税など国民に押し付けるな! 外貨準備の一部(米国財務省債)を売り払ってあてよ! 大企業への法人税減税はやめ、過剰な内部留保を復興財源に取り立てよ! 国有地、国有財産の売却と、政府機関の遊休資金で!
・復興構想会議に国民各層代表を参加させ、要求の反映を保証せよ!


○大銀行・大企業の利益優先から国民の営業・生活向上の政治へ転換!
・原発輸出、環太平洋経済連携協定(TPP)参加など多国籍大企業優先の新成長戦略を根本的に見直せ! 中小企業、農民、都市自営業者、労働者が豊かになる経済・金融・財政政策を!
・「社会保障と税制の一体改革」なる消費税大増税、国民負担増に反対! もうかった大企業には増税、勤労国民には減税を 法人税減税反対! 国の責任ですべての勤労国民への年金、医療、介護など社会保障を充実させよ!
・財界が推進する地方再編、道州制策動反対!


○「日米同盟深化」路線を打ち破り、独立・自主、アジアと共生する日本を!
・米国追随、多国籍大企業の利益優先、売国と亡国のTPP参加反対! アジアなど新興国との平等互恵の経済関係を! 国の独立の基礎、食料自給率の向上を!
・危険で対米従属の原発推進政策を転換せよ! 原発の新増設は中止、プルサーマル計画と核燃料サイクル計画は撤回! 再生エネルギーを含む自主的なエネルギー政策に転換を!
・「震災支援」を口実とした沖縄米軍の居座り、日米軍事同盟強化反対! 普天間基地の即時閉鎖・返還 沖縄県内移設反対!
・中国を「共通戦略目標」とする「日米同盟深化」反対! 「新防衛大綱」反対! 沖縄への新基地建設と自衛隊増強反対!
・集団的自衛権反対! 自衛隊の海外派兵反対!
・対米従属の核政策反対 大国独占の核不拡散政策反対!
・沖縄をはじめ全土から米軍基地を撤去せよ! 日米安保条約破棄!
・朝鮮と即時無条件の国交正常化を! 朝鮮への制裁・敵視政策を中止せよ!
・侵略の歴史を清算し、中国、アジア諸国との友好関係の確立・発展を!


○幻想振りまく日和見主義を一掃し、階級的革命的労働運動の発展を!
・大企業のリストラ、賃金抑制に呼応する労資協調路線を打ち破り、ストライキで賃金引き上げ、雇用確保を! 非正規労働者に生活できる賃金と権利を!
・多国籍大企業優先・対米従属政治の転換なしの「福祉国家論」の欺まんを打ち破れ!
・連合指導部は米国と財界の走狗(そうく)、民主党への支持押し付けをやめよ!
・「選挙でルールある経済社会を」なる幻想で根本的転換の道をそらす共産党を見破れ!
・労働運動は政治の根本的転換をめざす実力ある国民的戦線構築の組織者に!
・破局に備え、強固な革命政党建設を急ごう!


・先進的労働者は、日本労働党に結集しよう!
・全世界の労働者階級は団結し、人民と連帯、中小国家と連合して、米国を頭とする帝国主義を打ち破ろう!
第82回メーデー万歳!


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