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2010年4月25日号 2面 

第81回メーデーに際し、
全国の労働者に訴える

日本労働党中央委員会

 全国の労働者の皆さん!
 第八十一回メーデーに際し、日本労働党は熱烈な連帯のあいさつをおくります。
 民主党が総選挙に大勝して成立した鳩山政権ですが、誕生から七カ月余、この政権の諸政策と金権的性格は国民の不信と怒りを増大させています。
 わが党は、鳩山政権の実際に即して、労働者の皆さんが「政権交代」の実態と政権の階級的本質を見抜き、幻想を捨て、断固たる闘いに立ち上がることを呼びかけます。

 鳩山政権による政治は、相も変わらぬ対米追随政治で多国籍大企業のためのものです。政権が変わっても失業と倒産はますます深刻で、国民生活も営業もよくなりません。他方、財界・大企業は何らこの政権を恐れず、むしろ歓迎さえしています。
 そのはずで、鳩山政権は多国籍大企業には血税の直接注入、減税や補助金など数々の救済策を行っています。リーマン危機後アジアシフトを強める大企業のために、閣僚が「セールス役」を買って出、巨額の補助金まで準備しています。大企業への法人税減税はすでに公約となりました。
 一方、「国民生活が第一」というかけ声とはうらはらに、労働者、国民に犠牲を押しつけています。控除廃止などで増税を強い、「ムダ排除」と言って国民に切実な政策を切り捨てています。子ども手当や高校無償化は参議院選挙対策で、継続される保証もないばかりか、財源不足を理由に消費税などの大増税が公然と準備されています。事業仕分けは国民に増税を納得させるためのセレモニーにすぎません。
 さらに大企業の国際展開のために日本農業を犠牲にする自由貿易協定(FTA)を、農家への戸別所得補償とセットで進めています。中小企業が望んだモラトリアムは、大銀行の抵抗で骨抜きです。「コンクリートから人へ」を掲げる鳩山政権ですが、実態は「コンクリートから大企業へ」です。
 「対等な日米関係」も、普天間基地の「国外・県外」移設という約束が事実上反故(ほご)にされたように、欺まんにすぎません。大企業のアジアシフト・市場確保を側面支援する狙いの東アジア共同体構想ですら、米国を加えたものへとトーンダウンしました。
 日米基軸と安保条約堅持を党是とする民主党には、米軍基地問題を解決できるはずもなく、アジア諸国の信頼を得ることもできません。

 鳩山政権が「自公政権よりまし」などとの言い草はまったく事実と異なります。
 鳩山政権は、最高実力者・民主党・小沢幹事長の政治戦略を実行するための政権です。それは憲法改悪を含む「普通の国」の実現であり、巨大銀行を頂点とするわが国独占体・多国籍大企業の、国際市場における覇権的利潤追求のための政治にほかなりません。
 冷戦崩壊以降、多国籍大企業は激化する国際競争に打ち勝とうと、そのための内外政治を求め続けてきました。国内的には財政再建、対外的には日米同盟の下での国際的発言権の強化です。一九九〇年代には橋本政権が、二〇〇〇年代には小泉政権がその役割を担ったものの、自民党ゆえの限界で不十分に終わった大改革、効率的で強靭(きょうじん)な政府を実現することです。鳩山首相は、すでに「戦後行政の大掃除」を言明し、財界の求める小さな政府実現に呼応しています。
 しかし参院選が迫り、また、連立政権であり、「不徹底」は避けられません。小沢幹事長は、衆議院だけでなく参議院でも多数を握り政権基盤を「安定」させ、強大な権力を独占して「普通の国」戦略を突出させることを狙っています。
 鳩山政権への幻想を捨て、小沢戦略と闘うことなしに、国の進路を打開し、国民の生活と営業を守ることはできません。


 今こそ政権の軸を、多国籍大企業から国民の七割を占める労働者、すなわち国民の側へと移さなくてはなりません。そうしてこそ政治を根本的に転換させ、何より、戦後続く対米追随政治、その根幹である日米安保体制を打破し、自主的な国の進路を実現することが可能となります。
 鳩山政権と社民党の迷走が教えるように、普天間問題をはじめ米軍基地問題はそれ以外に解決できません。わが国経済の危機打開にも、ドル依存からの脱却が不可欠です。アジア近隣諸国と友好的平和的に共存することこそ、わが国の繁栄の道です。それは明治以来の侵略と戦争の歴史の教訓ですが、米国のアジア敵視の戦略・米軍再編に加担してはそれは不可能です。
 大銀行・多国籍大企業のため対米従属政治を転換し、国民経済を発展させ、国民が豊かで、独立・自主、アジアと共生する日本へと、進路を切り替えるときです!
 現実の中に、その展望が発展しています。
 沖縄県民は四月二十五日、九万人の結集で超党派の県民大会を大成功させ、普天間基地の即時閉鎖と県外移設を求める断固たる意思を表明しました。オール沖縄の闘いは、鳩山政権との闘い、安保破棄の闘いへと発展するに違いありません。しかも、闘いは徳之島など、全国で発展しています。
 農民や商工業者など国民の中には鳩山政権への失望と怒りが急速に広がっています。政権支持率が三〇%以下に急落したように、自公政権に見切りをつけた国民は、民主党政権をも見放し始めています。
 経済危機は深く、膨大な財政赤字に縛られてマニフェスト(政権公約)の実行もままならず、沖縄県民の怒りの一撃も加わって、小沢戦略の成功は風前の灯火(ともしび)です。参院選での民主党の勝利もきわめて危うく、政権はまさに「死に体」です。たくらまれている、保守二大政党制もますます難しくなっています。
 安保破棄、独立・自主の国の進路を実現する闘いを発展させる時です。
 それは第一義的に労働者階級の任務です。沖縄県民の闘いを支持し連帯し、国民諸階層と連携して広い戦線を形成し、先頭で闘うべきです。
 ところが、連合中央の一部幹部は、小沢戦略に追随して鳩山政権を積極的に支えています。
 その幹部たちがあおる「労働を中心とする福祉型社会」など、かれら自身も信じていないでしょうが、何の根拠もない空論です。しかも、彼らは、労働組合員を参院選へと駆り立て、「政権交代による成果を確立する」などとダマしています。「成果」どころか、小沢戦略を助け、アジア諸国に脅威を与えわが国を孤立させるとともに、労働者、国民諸階層にこれまで以上の苦難を強いる犯罪的役割を果たすものです。
 すでに連合内からも、地方連合を中心に「政治とカネ」や候補者擁立問題への不満という形で、小沢幹事長に対する反発が広がりを見せています。こうした不満は当然です。連合中央一部幹部の裏切りを打ち破り、参院選に期待せず、自らの要求を掲げて闘いに踏み出すときです。
 他方、共産党は鳩山政権の暴露を避けて「建設的野党」などとすり寄り、オバマと米帝国主義への幻想もあおっています。あわよくば政権の一角に参加する野心を募らせる、この党には期待できません。むしろ「左」ポーズだけに、危機の深まりの中で財界のための政権を支える反動的役割を果たすことになります。打ち破らなくてはなりません。
 連立政権に加わった社民党中央は、小沢が何を狙っているか分かった上で、この危険な政権にしがみついています。選挙での議席が重要でないとは言いませんが、国民が見放した政権に汲々(きゅうきゅう)とするようでは展望はありません。連立政権から離脱し、国民の怒りを組織し闘うことこそ展望ではないでしょうか。それを労働者と国民は望んでいると確信します。


 政権の軸を切り替える、こうした闘いの勝利には、確固とした戦略を持ち、労働者階級にしっかりと依拠した革命政党の存在が不可欠です。わが党は、そのような党をめざしています。
 世界経済は落ち着いたかに見えますが、各国とりわけ中国の財政投入と国際協調に支えられたもので、先行きはきわめて危ういものです。米国を筆頭とする帝国主義が衰退を深め、世界は多極化が定着、各国では政変が相次ぐなど、世界は激変のさなかにあります。
 労働者の皆さん、いまや資本主義のシステム自身がいよいよ断末魔を迎える時代です。破局が迫っていますが、その前途は労働運動の前進にかかっています。革命政党の成長、そのスピードにかかっています。
 全世界の労働者階級、中小国・人民と連帯して帝国主義と闘うとともに、労働者階級の根本的解放を闘い取るという歴史的役割を担おうではありませんか。
 日本労働党に結集し、ともに偉大な歴史的事業を担われんことを心から呼びかけます。


 第八十一回メーデー万歳!
 万国の労働者、被抑圧民族は団結せよ!


第81回メーデー万歳

幻想を捨て、鳩山政権打倒へ前進しよう!


大銀行・多国籍大企業のための対米従属政治の転換!
国民が豊かで、独立・自主、アジアと共生する日本へ!
国の進路を切り開く壮大な国民的戦線を!

労働者階級の強固な革命政党建設こそ急務 労働党に結集し闘おう!

完全な独立を達成し、自主的平和的な対外政策でアジアとの平和友好関係を築こう!
・国の完全な独立の達成!
・普天間基地の即時閉鎖・返還! 県内移設と欺まん的「県外」移設反対! 社民党中央は手を貸すな!
・沖縄をはじめ全米軍基地の撤去! 日米安保条約破棄!
・鳩山政権による「日米同盟の深化」反対!
・自主外交の確立! 即時無条件の日朝国交正常化! 朝鮮への制裁を中止せよ!
 侵略の歴史を清算し、平等互恵な近隣諸国関係の構築!
・「新防衛計画大綱」反対! 沖縄への新基地建設など自衛隊増強と海外派兵反対!
 集団的自衛権反対!
・憲法改悪反対! 国会議員定数削減など政治反動反対! 民主主義の完全実施!
・大国が核を独占する核不拡散(NPT)体制反対!
 すべての非核国・中小国と共に帝国主義と闘い、核兵器廃絶の前進を!

国民の生活向上、営業を発展させる政治をつくろう!
・すべての労働者に大幅賃上げと権利の保証! 中小零細企業や農民の営業・営農を保証!
・大企業に増税、勤労国民には減税を! 法人税減税反対! 消費税増税反対!
・年金、医療、介護など社会保障制度の大幅充実!
・多国籍大企業の国際競争のための国内農業つぶし・自由貿易協定(FTA)反対!
 FTAとセットの戸別所得補償は欺まん! 国の独立の基礎、食料自給の確立を!
・大企業による中小企業への圧迫・収奪反対、金融円滑化法はペテン!
 大銀行による「貸し渋り」反対!
・「地域主権」の名による自治体破壊反対! 地方切り捨て反対! 道州制反対!
 地方財界、地域支配層の自治体支配打ち破り、自治体を住民利益守る砦(とりで)に!
・多国籍大企業主導の「東アジア共同体構想」反対!
・労働者と下請け企業を犠牲にする大企業のアジア・シフトを許さない!
・近隣諸国と有無相通ずる経済関係の確立! 国民生活を豊かにする国民経済を発展させよ!

経営側の攻撃と対決断固たるストライキで要求を勝ち取ろう!
・定昇見直し反対! 賃金・ボーナスカット反対! 残業なしで生活できる大幅賃上げを!
・長時間労働・サービス残業撲滅!
・「早期退職募集」など首切り反対! リストラ・工場閉鎖反対! 出向・配置転換の強制反対!
・欺まん的な労働者派遣法改正案反対! 非正規労働者に生活できる賃金と権利を保証せよ!
・「小さな政府」反対! 公務員削減・公務員制度改革反対! スト権を取り返そう!
・男女均等待遇の実現 女性差別反対!
・労働組合をすべての職場に!
・失業者に職をよこせ!

全世界の労働者階級、人民、中小国家は連合し、米国を先頭とする帝国主義と闘おう!
・財界の党、保守二大政党制の一方の装置、民主党への幻想を捨てよ!
 連合中央の民主党支持押しつけ反対!
・鳩山政権と闘わず米帝国主義を美化し、「議会の道」を説き、
 労働運動の革命的発展を妨害する共産党を打ち破れ!
・保守二大政党制を挫折させよ!
・「福祉国家論」は欺まん! 労働者を中心に、国民大多数が政権の実権を奪い取れ!
・階級的革命的な労働運動の発展を実現しよう!
・沖縄県民、農民や中小商工業者と連帯し、国の進路打開の先頭に立とう!

 先進的労働者は日本労働党に結集しよう!
 万国のプロレタリア、被抑圧民族は団結せよ!
 第81回メーデー万歳!


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