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新ガイドライン関連法案反対!

共同行動ではね返そう


 新たな日米防衛協力の指針(新ガイドライン)関連法案に反対する運動はさらに強まり、参議院特別委員会での強行採決を前に、各団体は集会、デモ行進などを行った。団体の違いを超えた共同の取り組みも行われた。アジアとの共生をめざし、日米軍事同盟強化に反対する運動はますます重要となっている。


沖縄上京団も参加し1000人が集会

 五月十九日、東京で「つぶそう! 新ガイドライン法案とめよう! 米軍用地特措法の再改悪 戦争協力を許さないつどい」が行われた。つどいは、二月からと連続して法案反対の行動を続けてきた実行委員会と特措法改悪に反対し急きょ上京した沖縄・東京行動実行委員会の共催によるもの。沖縄からの参加者三十七人を含む約千人が参加した。

 沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの上原成信氏は「今日は、沖縄・東京行動実行委員会と一時から国会前座り込みと特措法再改悪反対の要請行動を行ってきた。さらに力をあわせて新ガイドライン廃案の意思表示をしていこう」とあいさつ。

 沖縄から参加した三十七人全員が壇上に上がり、四人が報告を行った。

 反戦地主会の照屋秀伝氏は「本日午前十時に沖縄県庁前で、特措法再改悪反対の座り込みを行って参加した。特措法再改悪は四百七十五本の地方分権一括法案にまぎれこませる卑劣なやり方で国会に上程された。これは反戦地主や自治体の抵抗を封じるために、全国の民有地を首相の決裁で接収可能にするもので許せない」と特措法再改悪を暴露した。

 さらにサミットについて「カネのバラまきで、沖縄の土地を奪い、基地を強化するものだ」と批判し、「沖縄からアジアから十万人の米軍をなくすために闘い抜こう」と決意を語った。

 連帯のあいさつで、全日本海員組合の三尾勝氏が「陸海空に働く交通運輸労組は法案に反対し、組織を超えて連携して闘っている。二次大戦では多くの船員が戦死した。海は平和でなくてはならない。また、海には前方や後方はない。すべてが戦場である。政府が民間協力を求める後方支援は安全だというが、これはペテンだ。政府のいうことは信用できない」と述べた。

 宗教者、女性団体やフィリピン学生連盟などが、労組や団体の枠を超えて連携し、廃案に追い込むために闘おうと訴えた。


女性団体、消費者団体などが 反ガイドライン、護憲で会設立

 集会「戦争をするなさせるな 平和憲法を守ろう」が五月二十一日、東京・ウィメンズプラザで開かれた。

 これは「新ガイドラインに反対し、平和憲法をまもる市民と団体の会」設立記念集会として開かれたもの。同会は、日本有権者同盟や日本YWCA、主婦連合会などの六団体と、憲法学者の小林直樹氏などの学者や本島等・元長崎市長など、個人二十二人が発起人として呼びかけた。

 集会には約二百五十人が参加し、新ガイドラインや憲法改悪の動きに反対した。

発起人の発言(一部)

◎石川 真澄 新潟国際情報大教授

 いちばん恐いのはまた自分の手が血で塗れる、加害者になる日がそこに迫っているのではないかという気がしている。

◎江尻 美穂子 日本YWCA会長

 本当に善良な人たちでも「日本は危ない、米国に守ってもらってるから安全だ」ということを信じ込んでいる。周囲の人たちにこの問題を訴えていかなけえばならない。YWCAではパンフをつくり配布している。

◎紀平 悌子 日本婦人有権者同盟会長

 戦前の軍国主義的全体主義の方向に向かいつつあることは誰の目にも明らかだ。有権者同盟はどうして設立されたか。世界恒久の平和を理念に掲げて設立された。私たちが今の状況に黙っていては存在意義はありません。最後まで闘う決意です。

◎清水 鳩子 主婦連合会会長

 主婦連は運動方針の中に平和憲法を守り新ガイドラインの法制化に反対しようと入っている。暮らしを守る消費者運動を戦後五十年ずっとやってきたが、新ガイドラインについて消費者団体の中から「もっと他にするべきことはある」という意見も出た。しかし消費者運動も根本は「人権と平和」。人権を尊重し、暮らしが保障されるなかで成り立つもので、消費者運動の枠外ではない。これこそ人権を扱う市民団体の最大のテーマだと思う。

◎武田 逸英 不戦兵士・市民の会

 国民は日々の生活に追われる中で、毎日見聞きするもので、日本の支配層の考え方が宣伝されている。国会討論を聞いていると、国会議員はとんでもないことを言っている。新ガイドライン関連法案なんて憲法の前に出すこともできないようなものが堂々と出されている。

◎田中 里子 東京都地域婦人団体連盟参与

 人間が人間を殺すことは、どんな理由があれ否定します。敗戦の時、もう二度とこういうことをしないと決意したはず。武力は行使しないという平和憲法が脅かされている日本の現状を変えさせる力に、大きく輪を広げることが意味があると思う。

◎武者小路 公秀 明治学院大教授

 米国の「平和の強制」という戦略のなかで、米国は大国へのけん制としてその近くの小国をたたいている。イランの近くのイラク、ロシアの近くのセルビアだ。二正面作戦といっており、どちらかが片付けば、米国は中国の近くの朝鮮をたたく日がくるだろう。そしてそのための新ガイドラインが用意されている。


陸・海・空・港湾労組20団体、宗教者呼びかけで5万人集会

 五月二十一日には、東京・明治公園で「ストップ戦争法! 全国大集会」が開かれた。これは「宗教者たちの『平和を求める』集い実行委員会と、陸・海・空・港湾労組二十団体が呼びかけたもので、約五万人が参加した(関連記事 参加した労組の声)


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