990415


県知事選挙

神奈川・山本候補31万七千人
福 岡・中村候補12万三千人 の支持

政策に広い共感、この力を発展させ県政転換をめざす


 統一地方選挙は前半戦が終わり、二十五日投票の後半戦に移る。わが党は、前半戦で神奈川県知事選挙に山本正治同志を、福岡県知事選挙に中村哲郎同志を公認候補として闘い、大きな支持を受けた。四月十一日に発表した両県委員会の声明(要旨)を紹介する。


県民とともに県政の危機打開を 党神奈川県委員会

一、今回の選挙は、リストラや産業空洞化など地域経済の危機、福祉の後退など県民生活の危機、さらに財政危機など、まさに山積する課題への県政の対応が問われていた。

 告示直前にあったリストラに抗議するブリヂストン労働者の割腹自殺のように、多くの県民が文字通りの意味で活路を求めていた。

 七党派相乗りの現職、岡崎氏が再選はされた。だが、投票率は前回をさらに下回る四五・六八%で、有権者の四分の一が岡崎氏を支持したに過ぎない。県民は岡崎氏に不信任を突きつけたといえる。

 投票結果には、「相乗り県政」への批判とともに、こうした緊急課題への岡崎県政の無策・無対応、無責任への、県民のきびしい批判が明瞭に示された。

二、わが党の山本正治候補は、三十二万近い県民の支持を受けた。支持された皆さんに心よりお礼を申し上げる。

 山本候補は、深刻な生活危機の中で県政の転換を望む人びと、とくにリストラに直面した労働者や失業者、商工業者、また高齢者などの悪政への怒りと政治転換への希望を受け止めることができた。

 「モノづくり産業元気化」の経済政策と「臨海部一極集中型から分散型の県土づくり」の開発政策、「米軍基地撤去、アジアの共生」を三本柱とする基本政策は、岡崎県政との明確な争点となって論戦をリードした。なかでも、サービス経済化による臨海部再開発か、リストラ規制・新しいモノづくりでの経済活性化か、という提起は大きな共感を呼び、支持を受けた。

三、今回は、山本候補以外に、共産党推薦候補など三候補がオール与党の岡崎県政を批判した。保守派の関山候補、「臭いトイレ・ボロボロ校舎」といった批判の共産党、それにわが党であった。

 この危機の中で現政治の打破を求める県民にどの党が方向を示し、支持を受けるか、問われ争われた。こうした中で、わが党、山本候補は確固とした支持を得た。それは、わが党と共産党とで、有権者の支持に重要な変化が見られることでも明らかである。

 わが党の得票率は一一・三四%、共産党は一七・一七%であって、六ポイント弱の開きにすぎない。大井町など三町でわが党支持は上回り、寒川町の二票差など多くの市町で支持は接近した。特に注目できるのは、日産など大企業のリストラと商店街崩壊が進むなど地域経済の危機に直面した横須賀市、平塚市、小田原市などで、ほぼ肩を並べる支持を獲得したことである。

 これらの地域では前回と比べても、支持の差は大幅に縮小した。労働者の支持の広がりを示すと同時に、保守基盤の崩壊の中でわが党が前進していることも特徴的である。

五、県民生活の深刻な現実は、「オール与党」などでやっていける状況ではない。県政の基本政策の転換が求められている。相乗りの各政党は、深刻な批判にさらされるに違いない。わが党は、広範な県民の皆さんとともに県政の転換のため奮闘する。


各界と連携し県政転換のために闘う 党福岡県委員会

 福岡県知事選挙では、六党(自民、民主、公明、自由、社民、自由連合)と連合福岡、農政連が推薦する麻生氏が再選を果たした。わが党が公認した中村哲郎候補は、残念ながら当選を果たせなかったが、得票数、得票率ともに前回を上回り、県民のあいだに支持を拡大、健闘した。

 この選挙戦を通じて、わが党は、麻生県政のこれまでの四年間の実際を暴露して、多党相乗りとはいえ実質は大企業・自民党主導の県政を転換し、県民大多数のための県政の樹立、「福岡一極集中政策の転換」などを訴えて闘った。麻生陣営は、「均衡のとれた県土づくり」などと主張して県民の目をごまかして、多党相乗りで、県民各層の利害の対立を覆い隠しながら選挙戦を進めた。県民の選択肢は狭まり、現場ではシラケムードが広がり、多くの労働組合幹部や活動家の間に不信が生み出された。こうしたことで、社民党県議候補の多くが落選し、自民党などが議席を伸ばした。労組や社民党の中には割り切れない思いが広がっているが、この結果から多くの指導者や幹部の人びとは教訓を引き出す必要がある。前進しようとすれば、これまでの福岡県政の歴史がそうであったように、県民大多数の利害をかけて堂々と支配層と県政を争うべきである。

 わが党はその政策で力を入れたように、得票数、得票率では、県南部の筑後地域や筑豊地域で前進した。共産党の拠点である北九州地域でもわが党は大きく前進した。

 中村候補は、前回の二倍以上の二十二市町村で共産党が推薦する候補者を上回って県民の支持をえた。特に、県南部地域や京築地域、福岡市周辺都市でも共産党推薦候補を上回った。共産党は、県議での議席を増やし、前進したと言うが、肝心の知事選挙では、得票の伸びはわが党より低く、県下自治体の約三分の一でわが党より下回るかほぼ互角という結果となった。

 今回、ご推薦をいただいた全港湾労働組合(北九州港支部、博多支部)、福岡県電機商工組合、福岡県牛乳商業組合の皆さんをはじめ各界の皆さんのご支援、ご協力に感謝する。また、中村候補者の勝利のために寝食を惜しんで奮闘した同志、友人、支持者の皆さんに心より感謝したい。

 わが党は、今後とも、麻生県政の反県民的な実態を暴露し、県民各界各層の連携を強め、また労働組合をはじめ心ある人びととの連帯を広げ、県民大多数の県政樹立のために闘う決意である。


県知事選挙 労働党候補の得票検証へ


Copyright(C) The Workers' Press 1996,1997,1998,1999