990405


神奈川県知事選挙・山本正治候補

労働者、失業者、中小商工業者、農民など
切実な声を代弁し奮闘


密着取材 リストラの規制を訴える山本候補
大工場の労働者からも拍手

 三月三十一日、県知事選挙がはじまって早くも一週間が過ぎた。今日はあいにくの雨。朝七時からの戸塚駅前の宣伝では、なかなかビラがさばけない。しかし、午前八時からスピーカーによる山本候補の訴えがはじまると、駅のホームから熱心に聞いている人びとの姿が目立つ。

 特に山本候補が、先日のブリヂストン本社でのリストラに抗議する割腹自殺の話を例にしながら、大企業の一方的なリストラに歯止めをかける県政の実現を訴えると、労働者は真剣に聞きいっている。この戸塚にはブリヂストンの工場があり、誰も人ごとではないようすがヒシヒシと伝わってくる。

 その後、職安前を通りながら「失業者を支援する県政の実現」「税金や国民健康保険料の減免措置の実施」などを訴える。

 山本候補と候補者カーのメンバーによる簡単な打ち合せを行う。ここでも失業問題が話題になる。支援に来てくれた一人も実は今日から失業したとのこと。運動員の女性は「知り合いがブリヂストンの社員と結婚して戸塚の社宅にいるけど大丈夫かしら…」とポツリと話す。  「本当に山本さんに知事になってもらわないと生きていけない」と切実な話が出る。

 また、ドライバーをかって出てくれたタクシー労組の二人も「本当に規制緩和で厳しくなっている。ぜひ山本さんにがんばってほしくて今日は参加した」と話してくれる。このように必死に努力する人びとが山本候補を応援し、いっしょに選挙戦を闘っていることが、今回の神奈川での知事選闘争の特徴の一つである。

その後、昼休みの工業団地に入り、労働者や中小企業の経営者に政策を訴える。雨で多くの労働者は外には出てこないが、窓越しに手を振る姿が目立つ。昼休みが終わりかけたころ、やっと雨が止む。さっそく、山本候補が演説を行う。工場のフェンス越しに握手を求める労働者やビラを取りに来る労働者が多くなる。 

 山本候補の政策「神奈川再建計画」に共鳴する協同組合の役員を訪ね、県知事選挙の政策ビラを預けてくる。選挙後もモノづくり産業の復権について話し合おうと約束する。

午後一時から山本候補と運動員の遅い昼食となる。それぞれが「雨で動きづらかったが、けっこう演説を聞いていた。郵便局の窓からは何人も手を振っていた」「駅でタクシー運転手が一生懸命に聞いていた。自分もタクシーで働いていると言うと『ビラを十五枚くれ。職場で配るから』という反応があった」などの反応を出し合う。

 「午前中は雨でしょうがなかったが、午後から取り戻そう」と気合いを入れて、出発。

 小杉ひでき選対事務局長も合流し、山本候補は横浜市内の商店街で演説する。そして横浜市長選挙で小杉ひできを支持してくれた商店街の会長さんなどの店を訪ねて、ビラを渡す。そこでも「横浜市も県もみなとみらい(MM)にばかり金をつぎ込んで、われわれ商店街を放り出している。商店街の振興は町づくりなんだ」との声が飛び出してくる。

 夕刻の五時過ぎに横浜市緑区役所を訪ねる。市役所の職員が仕事を終えて出て来る。ビラを受け取り「がんばってください」と声をかける人、山本さんに握手を求める人などが目立つ。自治労は現職候補を推薦しているが、県の公務員の一時金カット、賃上げ九カ月延期などの攻撃を加えた現職候補への批判は強く、現場では山本候補を応援する雰囲気がでてきている。

 そして、NECや松下通信などの大工場がある鴨居駅前で山本候補が政策を訴える。やはり、リストラ問題が大きな関心を呼ぶ。山本候補がブリヂストンの話をしながら、「リストラは企業の再構築であり、決して労働者の首切りではないはずだ。大企業の一方的な首切りを規制する県政をつくる」と訴えると拍手が起こる。運動員に近づき、「がんばってください」と声をかける労働者がいる。労働者がいかにリストラ攻撃にさらされながら、必死に生きているかを感じさせられた。

 その後、宣伝カーは横浜市内をまわりながら選挙事務所に戻り、その日の反省会を行った。

 一日宣伝カーを運転してくれたタクシー組合の人からは「これだけ反応があるのだから、もっと積極的に応援する。いつでも呼んでくれれば運転ぐらいはする」と話してくれる。女性の運動員からは「失業やホームレスは人ごとではない。私の知り合いも失業したばかりだ。こんな時代だから山本さんの政策を実現しないと大変になる。だから私ももっとがんばります」と話してくれる。

   ◇     ◇

 候補者カーに一日同乗してみたが、四年前の県知事選に比べて県民の反応はかなりよくなっている。特に、「モノづくり産業の復活を」との山本候補の主張は、労働者だけでなく深刻な不況にあえぐ中小の商工業者にも受け入れられていることを実感した。

 山本候補への期待の高まりを感じながら、選挙事務所を後にした。(Y)


山本さんに期待する


Copyright(C) The Workers' Press 1996,1997,1998,1999