日本労働党東京都委員会は東京で十二月九日、九月に開かれた日本共産党二十一回大会路線の裏切りをあばく演説会を開いた。演説会では、大隈鉄二・党中央委員会議長が演説を行い、深刻化する資本主義の危機のもとで、裏切りの路線をいっそう進化させ、体制の危機を救おうと犯罪的役割を果たす共産党を痛烈かつ根本的に批判した。同時に、この情勢のもとで、労働者階級、国民の大衆的基盤のある断固たる闘争だけが、労働者階級と国民諸階層の未来を切り開く道だと熱烈に訴えた。共産党の裏切りの暴露、批判は、労働者階級と広範な国民の闘争の前進にとってきわめて重要な意義をもち、いっそう強化されなければならない。
共産党は、「安心してもらえる」ようにかれらのめざす内外政策を作りなおした。
国民生活、経済政策は、二十回大会で掲げられていた大企業に対する「民主的規制」も言葉だけに投げ捨て、「ルールなき資本主義をただす」ことに置き換えられた。これはせいぜいヨーロッパなみの社会をめざすことに過ぎず、そこが労働者にとって地獄であることはもちろん、他国との比較の論法で、支配層のむごたらしい収奪を覆い隠す犯罪的理論となっている。
また、外交、安全保障政策では、「日米安保共同宣言」を安保、ガイドライン問題にわい小化して、何よりもそれが政治・経済・軍事に及ぶ戦略同盟である点が欠けている。これでは抽象的な世界認識にとどまって、東アジア戦略から目をそらし、わが国支配層が選択した対外路線と有効に闘えないか、闘いを避けていることになる。さらに、台湾問題では、共産党が、アメリカとわが国政府と同じ側にたっていることも、決議の中から具体的に明らかにされた。
さらに、これほどに支配層に恭順の意を示したとして、共産党は、さらに躍進できるのか、連合政権は可能なのか。ここで大隈議長は、躍進の根拠である「総自民党化」状況、批判票が共産党にのみ集まるという政治構造は、不動ではないこと、それは崩れざるを得ないことを明らかにした。これは皮肉にも、共産党不破委員長が、いずれ連携できる政党が現れる、という形で認めていることでもある。
共産党は、秘かにイタリアの例に学び、保守党との連合、「歴史的妥協」まで射程にいれて、政権にすり寄ろうとしている。そして、支配層もそれを察知し、この連中に、社民勢力に代わるものとして、期待をよせだした。まさに体制の危機を救う、最悪の裏切りである。
大隈議長は最後に、労働者階級、労働組合が、戦後史全体と、この決定的な歴史的瞬間における諸思想潮流と政党の、階級的なあるいは政治的な役割を批判的に検討しなければならないこと、教訓に学び共産党の裏切りをあばき、これにつき従い展望のない、議会の道に明け暮れるのではなく、自らの実力に頼って、前進しなければならないことを、改めて強く訴えた。
そして、支配層の危機が深まる今日、わが党は、歴史のすう勢を信じて、断固たる闘いを進めるとの決意を表明した。
集会は、共産党の裏切りを暴露すると共に、労働者階級、人民の歴史的任務を深く自覚させるものとなった。
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