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労働新聞 2024年2月5日号・5面

沖縄からの報告

石垣島と南西シフト
〜私たちは故郷の
島を失うのか〜

沖縄県石垣市議会議員・
花谷史郎

 私は、農業のかたわら市議会議員をして6年目です。石垣島の人口は昨年5万人を達成しました。日本の人口は減少していますが、石垣は微増です。昨年3月の自衛隊配備で600人が入ってきて、複雑な状況にあるということです。

八重山の戦争観ーマラリア
 沖縄は米軍による沖縄本島の地上戦で非常に厳しい目に遭わされたという印象をおもちでしょうが、石垣を含む八重山は戦争観が少し違います。米軍が上陸していないこととも関連しますが、日本兵が最大で1万人ほどいた時期があり、情報が漏れるのを防ぐために住民を山中に押し込め、そこでマラリアにかかって3647人が死亡し、米軍によって殺された178人を20倍も上回る方が強制疎開で亡くなった。沖縄島で戦争を体験された方と戦争観が若干違うということを押さえていただきたいと思います。
 そのうえで、今回、自衛隊が配備され、「台湾有事」とか「尖閣有事」と言って戦争をここでするんだというフィールドに指定されてしまっているように捉えています。
 石垣島では平得大俣地区に自衛隊が配備されています。私はすぐそばの嵩田というところで農業をしています。嵩田は戦前に日本の植民地だった台湾の方たちが切り開いた集落です。日本の敗戦によって国籍を失った方たちが、そこに住み着いて暮らし続けた場所です。私の同級生にも台湾二世、三世といった方たちが多いです。

南西シフトー尖閣と台湾
 南西シフトとは、全国に配置された主に陸上自衛隊の部隊を沖縄を含む南西諸島へシフトするということです。
 尖閣諸島を巡る件ですが、2015年に石垣島の自衛隊配備が発表された時点では、台湾有事という言葉はなかったんです。尖閣に中国公船が来るからどうにかしなければならないという議論が石垣市議会では行われていましたが、昨年、第11管区海上保安本部長が退官する際に「尖閣情勢はエスカレートしていない」と言っていました。石垣市議会の仲間均議員たちが領土主張のために船で尖閣に行くと、中国側の主張では自国の領土なので、それを取り締まるために入ってくる。中国側が居座っているのではなく、中国公船が付き合っているということです。自衛隊配備の理由の一つとされる尖閣の情勢が悪化しているということは、実態としてはないと私は考えております。
 台湾有事についても、台湾に中国が軍事進攻して、与那国島は110キロしか離れていないから、飛び火してくると。だから日本も軍事強化して守るというのが理屈です。仮に台湾有事が起こったとして、なぜ日本が巻き込まれる理由があるのか、全く理解できません。そもそも今の台湾、中国情勢を見ていると、すぐそういったことが起こるとも感じられません。

住民投票を求める署名運動
 石垣島の基地建設現場は、私の畑から大体1・5キロぐらいです。15年に、石垣島への駐屯地の配備が発表され、16年には与那国島に配備されました。10年前後から表立った動きがありますが、それ以前から米国の軍艦が与那国島や石垣島に入港するなどといったことがありました。今から15年以上前に計画は動き始めていて、気づかないまま自分の地域に配備されてしまったなということです。
 石垣島の自衛隊配備について、石垣市住民投票を求める会による署名運動がありました。20代の若者たちが中心となって署名活動を繰り広げました。島の有権者の37%、大体1万4000筆ですね、それを若者が中心となって集めた非常に大規模な運動でした。しかし、現在まで住民投票は行われていないのです。裁判にも諮ったのですが、国はこういった住民運動を認めていません。

配備と国民保護計画の矛盾
 自衛隊配備の賛否について、私たちは国境に近い所に、ましてや日中関係があまり良くない状況の時に、軍事施設、防衛力を配備することは、この島や日本のリスクになるという思いから、配備に反対してきました。  配備を推進する人は、自衛隊がいた方が抑止力になるいう理屈だったのですが、自衛隊が配備された後に、国や推進した人たちから出てきた話が、どうやって避難するかという話です。
 自衛隊が配備されたら安全だと言っていたのに、なぜシェルターだとか避難の話が出てくるのか。それはやはり、配備されるとリスクが高まるからなんです。石垣島では全員避難に民間航空機を使って約10日間かかると言われています。市議会での議論で分かってきたことは、国民保護法と離島の現場が乖離(かいり)しているということです。国民保護計画は国が指示するものですが、武力攻撃事態を国が認定した時にこの計画が指示されることになります。武力攻撃事態、または攻撃予測事態は、実際に弾がやミサイルが飛んでくる本当に直前だというような時に、避難計画が発動されるわけです。民間航空会社は、自社が危険にさらされない状態でのみ協力するという立場を取っていますから、武力攻撃事態が認定された時点で民間航空機は石垣島に来ないということが予測されています。ですので、米軍が攻撃された時に、集団的自衛権で日本が参戦せざるを得ないような状況を存立危機事態と言いますが、恐らく間に合わないだろうと。その手前の重要影響事態というのがあり、武力攻撃を受けるかもしれないと予測されるそういった時に、かなり手前の段階での、かなり余裕をもった避難が必要ではないかということも議論されています。

避難で故郷を失うのか
 余裕をもった避難は確かにそうですが、非常に大きな葛藤があります。すべての人が避難した時に、私たちはこの島を失うのではないかということです。
 中国が台湾に武力進攻するといった状況は全くないと考えていますが、日本政府が戦闘避難を石垣市にした場合、戦争が起こらなくても、私たちは島を出て行かなければなりません。そういう状況が複数年続けば、私たちはいつ島に戻ってこられるか分からない。そして、産業や文化が失われた島に、果たしてどれだけの人が戻れるのかも分からない。国民保護計画を研究すればするほど、私たちがふるさとを失うという事態がそこまで来ているということを、痛感させられています。そういった意味でも、日本政府として外国との対話を求めるべきだし、私自身も当事者として、中国やアジア諸国との対話を続けるということが、今最も重要ではないかと思い、活動しているところです。

沖縄平和友好訪中団に参加
 昨年と一昨年、自主・平和・民主のための広範な国民連合や労働党の皆さまのご協力を得て、「沖縄を平和のハブとする東アジア対話交流プロジェクト」のシンポジウムを成功させました。それをきっかけに訪中団を結成して、伊波洋一参議院議員や市民の皆さんと共に12月25日から30日まで訪中してきました。
 ハイテク企業のファーウェイを参観しましたが、中国の技術力の高さ、経済力のすごさを目の当たりにし、日本は追い越されているなと痛感しました。琉球国時代に琉球からの留学生が学んだ国子監(大学)も訪れました。抗日戦争記念館では、日本の侵略に対して中国人がどういうイメージをもっているのかを学ぶことができました。日本兵による百人斬り競争を称賛する日本の新聞記事も見ました。こういう日本の残虐行為に中国人が一体となって立ち向かったことが示されていました。一方、日本との交流では、田中角栄総理の写真もあり、日本と共にこれから平和をつくっていくのだというメッセージも感じられました。中国の指導者たちのメッセージには平和という文字が必ず2回出てきます。平和があってこそ発展があるということを共通して強く思っていると感じました。
 私は一足先に中国に入って上海の街並みを見ました。日本の最大の貿易相手国と戦争をすると言う。日本は30%そこそこの食料自給率、最大の貿易相手国が中国であるという現実です。そういった現実で、本当に戦争というものができるのかどうか。もし戦争が始まったとしたら、果たしてどうなってしまうのか。そういった現実を全く無視して進められているのが、この南西シフトという計画だと思っています。
 沖縄からアジアの平和を発信する取り組みが進んでおります。
 私自身、政治の場に立ってみて、市民の意見、地域の意見がいかに反映されにくい社会が構築されてしまっているのかということを痛感しております。まさに、労働者をはじめとする一般市民の方たちのための政治、そういったものを取り戻すために、まず沖縄からアジアの平和のハブとなるような行動を起こして、そこから経済交流、文化交流などを始め、日本の政治を根底から変えていく、そういったことが起こらない限り、沖縄の平和、そして沖縄の基地問題も解決しないんだなと思います。
 皆さまのご理解をいただきながら、共に闘っていただけるようお願いします。


報告/祝電・メッセージ

能登地震被災地で医療ボランティア

秋吉崇博・ナースメン代表

 私は出身県の大分で、救急現場の看護師を14年ほどしていました。今は東京都荒川区でナースメンという会社を構え、訪問看護ステーション、訪問看護師の会社を動かしています。
 元日に石川県能登半島地震が起き、僕らはボランティアの医療スタッフとして現地に行ってきました。きょうは荒川区議会議員をされていた河内ひとみさんのご縁で報告の機会をいただきました。簡単にお話しさせていただきます。
 最近、地震や洪水などの災害、事件・事故などが大変増えていますが、こうしたことが起きたとき、ナースメン、男性看護師が真っ先に呼ばれるような世の中にしたいと、僕らが頼りにされる存在になることを目指して活動しています。
 そんなさなか、起きてほしくないのですが、能登半島地震が1月1日に起きました。めでたい気持ちが一気に崩れ去りましたね。僕らはこういった災害が起きたときに何ができるかなって考えますと、まだまだ小さい会社ですし、看護師なので病院に所属していて自由に動けないメンバーが多いのです。でも、実はきょうこのイベントが終わったら、少人数ですが男性看護師のチームメンバーを5人集めて、また石川に行ってきます。これで3回目の災害支援になります。
 しかし、ニュースでも流れていますが、ただ災害支援に行けばいいというものではありません。許可もなく個人で勝手に災害支援に行って、土地も分からない、ひどい地割れが起きてるところに雪が積もっていて分からず事故を起こしたり、ただでさえガソリンがないのに、ガソリンも持たず向こうのガソリンを奪うとか、渋滞を巻き起こしたりとかですね。ボランティアって必要なんですけど、ボランティアに行くことによって逆に現地の人たちを困らせてしまっている現状もあります。
 僕らはそんなことも考えて、ガソリンも自分たちで携行缶を用意しました。いろんな方が下さった支援物資、寝袋やトイレットペーパーなど生活必需品も持参しました。僕らが行った場所は七尾市です。ここは一番ひどい場所に比べれば、被害は少ない方でしたが、それでも水は止まっていますし、生活用品も足りず、トイレさえ自由にできないような状況がいまだに続いています。食事は皆さんからの支援でようやく届いてきましたが、なかには遠慮して食べない人、いつも食べてる母ちゃんの料理が食べたいと言って全然口にしない人とか、避難所にはたくさんいます。
 七尾市はまだ被害が少ないところですが、それでも昔からあった2階建ての建物が一気に崩れ落ちたり、避難所になっている中学校が1メートルぐらい陥没したりして、そんなとろに避難しなければならないのです。避難場所がないので、めちゃくちゃな状態です。さらに七尾市から北に行けば地割れでアスファルトがめくれ上がってひび割れて車が通れない状態。助けに行ってる消防救急隊が渋滞になっているんですね。
 日赤のチームとかDMAT(災害派遣医療チーム)とかが、余震が続く中、医療サポーターとして入ってきています。僕らも看護師という資格を生かして、避難所のサポートを支援したり、現地の訪問看護ステーションと連絡を取り合って、力を合わせて、まだ安否確認できていない人の捜索を一緒にしたりとか、僕らにしかできないことに力を入れています。
 先ほど男性看護師の強みっていうことを言いましたが、ここでの強み、避難所での強み、被災地での強みっていうことも考えています。危険な場所でもありますし、力仕事、体力仕事がここでもめちゃくちゃ必要になります。
 メディアでは、ちょっと落ち着いてきたかのような報道が結構されてますよね。ある程度支援した、自分たちはできることしたって感じで、関心が薄れてるように僕には見えるんですが、現地に行けば分かるんですよ。ほとんど変わってないというと言い過ぎですけど、苦しんでる人たちは変わらずいます。避難所でコロナやインフルエンザが今また蔓延(まんえん)していて逃げ場がないような状況ですね。
 こんな状況で僕らに何ができるかを考えて、今夜出発して明朝着いて、できる支援をしようと思っております。僕らもできることは本当に限られますが、皆さんが送ってくださった物資を届けますし、支援金も皆さんがたくさんご協力してくださって、その支援金を届けたり、自分たちのガソリン代に充てさせていただいたりとか、皆さんの力を借りながら災害支援活動に行っています。
 これからも被災地では大変な時期が続きます。僕らはきょうのような報告の機会を増やしながら、多くの方々に聞いていただき、何かできることはないかと一緒に考えていただき、貸していただける力があればいただきます。自分たちが被災する場合もあるかもしれません。防災ということも含めて、協力していただけたらと思います。
参加された皆さんへのメッセージ

稗造防災センターにて(堂下健一・石川県志賀町議会議員)

 地震で被災しなければ皆さんと共に労働党創立50周年を祝いたかったところですが、悔やまれます。
 能登半島地震に対する全国からのお見舞いや激励、大変ありがとうございました。
 元日から避難所へ避難されている方も多くいますが、私は1月6日より山崩れによる県道の通行が不能になることを恐れての避難でした。4日間は自主避難所で持ち寄った食品を煮炊きしながら過ごしました。10日には行政からの避難指示も出たため指定避難所・稗造防災センターという所で今日まで避難生活をしています。
 避難所には当初、町の職員も常駐していましたが、現在は神奈川県職員あるいは神奈川県の自治体職員が交代で日中の避難所運営を担当しています。私は議員ということもあり神奈川県の皆さんがいない時間帯の避難所の責任者のような任務を請け負っています。
 地元はもちろん全国の皆さんからも志賀原発に対する心配の声が多くよせられましたが、北陸電力からの情報は小出しで、新聞情報を超える情報を知ることができないもどかしさがあります。それでも毎日新しい情報を地震学者や新聞記事から知ることができます。
 志賀原発は、2011年の3・11以前から諸事情で稼働はしていませんでしたが、使用済み核燃料がありましたので、多くの皆さんが心配されたことと思います。町内ではこれまで再稼働について発言をしてこなかった人の反対の声が増えています。
 輪島では陸の隆起が4メートルもあり、漁協の機能が破壊され使用不能となる現実を見たこと。あるいはこれまで調査してこなかった海底活断層が連動して動いた事実。すぐ近くの富来川南岸断層も動いたという事実などから、福島原発事故を多くの皆さんが再度思い起こしたようです。
 地震の活動期に入ったと言われて久しいわけですが、原発事故と地震の複合災害という事態になれば未曽有の災害をもたらしかねません。改めて反対していく意思を皆さんと共に確認していきたいと思います。  復興まで考えれば長期戦は避けられないことは覚悟しています。
来賓のあいさつ

要旨(順不同・敬称略)

山崎誠・衆議院議員(立憲民主党)
 私は神奈川で活動しており、いろいろご指導、ご支援をいただいています。労働党創立50周年ということで、本当におめでとうございます。
 言うまでもないのですが、政治がひどい状況になっています。自民党は「政治とカネの問題」と言いますが、私は「政党とカネの問題」だと思っています。この国会で決着をつけなければと思っています。
 対米追従政治とか、沖縄の問題、オスプレイが落ちた後の対応なども、本当にひどいことになっています。辺野古の問題は言うまでもありません。日本の人権はどこ行ってしまったのでしょうか。
 国会でも、国の大きな在り方を通していかなければいけないと思っています。皆さんと一緒に流れに逆らい、闘っていきたいと思っています。
 私はエネルギー政策、特に原発の問題で長く闘っています。新しい社会を切り開くために、皆さんと力を合わせていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

服部良一・社会民主党幹事長
 党創立50周年、本当におめでとうございます。
 ご案内いただいた時に、50周年ということでびっくりしました。社民党より長いんだなと。労働党結成の時、私は中国の下放じゃないですけど京都大学をやめて労働運動をやろうということで大阪の西成にいたんですが、そこに大学時代の後輩がわざわざ訪ねてきて、「いい知らせがあります。日本労働党というのが発足しました」って報告してくれたことを思い出しました。それから50年間闘ってこられたことに対して、心から敬意を表したいと思います。
 ご存じかもしれませんが1月18日から20日まで訪中してまいりました。2014年以来10年ぶりの社民党の訪中団で、中国共産党対外連絡部長をはじめ、ナンバー4といわれる王滬寧政治局常務委員をはじめ面談をさせていただきました。非常に重要なメッセージをいただき、近々報告書を作りますので、ぜひ皆さんもお目通しください。
 今日は朝鮮総聯の方もお見えになっていますが、朝鮮民主主義人民共和国あるいは韓国と中国、そうしたアジア諸国と外交を強化し、連帯を強めなければと考えています。そして絶対に戦争だけは起こさせない。日本あるいは沖縄・南西諸島が再び戦場になることがあってはなりません。そういう力を、ぜひ皆さん方と力を合わせてつくっていきたいと思います。
 もう自民党政権はヘロヘロですから、われわれ野党が本当に頑張って政治を変えていくためにも頑張っていきたいと決意を申し上げます。
 最後に労働党の皆さんにお願いしたいのですが、国政選挙にもぜひチャレンジをしていただきたい。一緒にチャレンジして、日本の政治がおかしな方向に行かないように、共に頑張ろうじゃありませんか。
 この50年を皮切りに検討していただいて、われわれ社民党と、本当に兄弟の政党として、共に頑張っていただけるようにお願いを申し上げましてあいさつに代えたいと思います。

武谷新吾・全日本建設運輸連帯労組関西地区生コン支部副委員長
 おめでとうございます。労働党50年の闘いの年表を見て、この間の世界とか日本の情勢の変化の中で労働党が50周年を迎えるということは、やはり先輩たちの闘いがあったからだと思う。こういう時期に50周年を迎える日本労働党はすごいな、これはもう躍進間違いないと思って。岸田内閣も自民党もボロボロ、米国もガタガタ。そういう中で労働党が今年も闘って飛躍するということです。
 講演で大嶋さんが、いい意味でわれわれ労働組合を叱咤(しった)激励されました。関生はいつまでも弾圧で動かれないと言うなよと捉えましたので、しっかり頑張っていきたいと思います。
 昨年は皆さんのご支援のおかげで多くの成果がありました。私が関わった和歌山事件で、3月6日に大阪高裁で逆転無罪判決を勝ち取り、検察側も上告を断念しました。
 他に、コンプライアンス活動が恐喝、威力業務妨害とされ滋賀事件と言われている裁判があり、地裁で実刑4年の判決が出されて今は控訴審の段階に入っています。それ以外にも、労使紛争で解決金を受け取ったことが恐喝だとされた京都事件なども抱え、公判が続いていますが、これらの裁判で実刑を粉砕したり、無罪判決を勝ち取ったりするために全力を尽くしますので、引き続きご支援よろしくお願いします。

李泰栄・在日本朝鮮人総聯合会中央本部国際局副局長
 創立50周年を心からお祝い申し上げます。また、ここにお集まりの方々が、朝鮮総聯の諸活動に大変力強いご支援をくださったことに、この場をお借りして心から感謝を申し上げる次第です。
 今、世界の情勢は大変厳しいです。戦争という言葉を、抽象的じゃなくて米国をはじめごく一部の国々がそれを現実に押し込もうとする力が世界に蔓延(まんえん)しています。それは台湾とかそういうことではなく、米国が軸になって自分たちの国益のために起こしている戦争です。皆さん、日本の周りでまた戦争が起きたらどうしますか。抽象的な言葉ではなく、現実的に戦争っていうことが日に日に高まっているんです。それを朝鮮は何としてでも戦争をさせない、そうした力を蓄えているわけです。
 昨年、朝鮮の自主的平和統一を支持する集会が沖縄であり、終わって私がホテルにいたら3時か4時ごろ、私の携帯を含めて大変大きなJアラートが鳴りました。びっくりしてテレビをつけたら、朝鮮民主主義人民共和国が大陸間弾道弾(ICBM)を発射したとかで「皆さん隠れてください、避難してください」って言ってましたが、ICBMはどこにいましたか。もう既に沖縄を通過していたんです。それを偵察しているのは米国だし日本政府ですよ。私はこの日本に住んでいますが、この状況が日に日に深まっていることは間違いありません。
 でも半面、1月に大きな動きがありました。1日にBRICSの会合がありました。かれらは今何をしようとしていますか。米国の力に反抗して立ち上がった国々が、当初の5カ国から今は10カ国になりました。そういった世界の動きがあります。私はこうした世界の力と団結していくことが大変重要だと思っております。そういうことでわれわれ朝鮮総聯も頑張っていきます。皆さん、共に闘っていきましょう。

凌星光・福井県立大学名誉教授
 日本労働党創立50周年に際して心からお祝い申し上げます。
 元議長の大隈鉄二さんとは、長い付き合いがありまして、亡くなられたあと日本労働党がどうなっていくか一抹の不安を感じていました。皆さんの中にも同じような気持ちを抱いた方がいらっしゃると思います。しかし党員の並々ならぬ努力と周囲のご協力のもとに、日本労働党は立派に存在し、発展しています。私は大変うれしく思うとともに、大いなる賛辞をお贈りしたい。
 というのは今、日中関係が大変悪くなっています。中国を敵視する雰囲気が大変濃厚になっていて、日中関係をどうやって発展させるのかというのが大きな課題です。この50年の歴史の中で、日中関係は全体的に順調に発展してきているけれども、いろいろ紆余(うよ)曲折があり、今は日本全体の雰囲気が最悪状態にあります。そういう中において、日本労働党はずっと日中関係を大切にし、間違った勢力と勇敢に戦ってきました。私はこの点において、日本労働党を高く評価し、引き続き正しい路線を堅持し、発展されることを願っております。
 確かに中国でもいろいろ問題があります。しかし、全体的に見たら健全な発展を遂げております。もっと改善する余地がある点については、建設的意見、提案をどんどん出してくれたらいいんです。中国は民主的じゃないと言われますが、実際にはわれわれインテリの意見も含めて絶えず意見を求めています。日本のような選挙制度ではありませんけれども、民意を反映する選挙も行われます。また、いろいろ市民の意見を吸い上げる仕組みや組織があって、社会主義民主が機能しています。政策決定においても、決して独裁ではありません。
 現在の複雑な世界情勢の下で、戦術的ミスが時にはあるにしても、戦略的には大変うまくやっているように思います。それは中国の社会主義制度の中において、いろんな意見を吸収して政策を決めるという制度的仕組みがあるからです。
 というわけで、皆さんに中国に対する理解を一層深めていただき、日中関係の改善と発展にご尽力されること、そして労働党がますます大きな役割を果たされることを期待して、私のあいさつとさせていただきます。

イナン・オネル・思想誌「TEORI」編集委員
 私は日本在住のトルコ人です。もう2年近く前になりますが、時間の感覚を失うぐらいに解決しないのがウクライナの問題です。トルコにとってロシアとウクライナは黒海を挟んだ隣国です。この問題が起きてから、日本でまともな見解を発信している団体はないかと探していて、見つけたのが日本労働党でした。
 今回、50周年を迎えるということで、お祝いに駆け付けました。ポーランドのゲットーを描いた絵を贈りたいと思います。これは欧州でユダヤ人が受けた悲劇ですが、今これと同じ悲劇がパレスチナで、ユダヤ人が建設した国家によって繰り返されています。
 帝国主義、ポピュリズム、ファシズムに対して、万国の労働者と被抑圧国民は団結して闘おう!
祝電・メッセージ

要旨(順不同・敬称略)

角田義一・元参議院副議長、自主・平和・民主のための広範な国民連合代表世話人
 日本労働党創立50周年に際してお祝いと連帯のごあいさつを申し上げます。自主・平和・民主のための広範な国民連合は昨年暮れに結成30年を迎えました。結成以来支えていただいた労働党の皆さまに改めて感謝申し上げます。
 こんにち日本は新たな戦前に直面する重大な局面を迎えています。混迷する岸田政権ですが、国民の力で退陣に追い込むことが現在の最大の課題です。
 岸田政権は一昨年暮れ米国の対中国戦略にそって中国を「これまでにない最大の戦略的挑戦」と位置づけ「安保3文書」を閣議決定しました。戦後75年間墨守してきた国是ともいうべき専守防衛路線をかなぐり捨てて敵基地攻撃能力を取得しました。「やられる前にやってしまえ」という国際法上違法とされる先制攻撃です。これを中国に向かって公然と行使しようとするはまさに暴挙です。岸田政権が日本を公然と戦争ができる国へと引きずり込もうとしています。
 際限のない軍備拡張も行われ、日本は世界第3位の軍事大国になります。財源は増税以外にありません。国民の力で何としても阻止しなければなりません。
 沖縄・南西諸島は自衛隊の軍事基地が急ピッチで拡大され、対中国のミサイル戦争の準備が着々と進んでいます。沖縄では老若男女を問わず戦争阻止のための闘いが発展しています。われわれもいっそう沖縄と連帯して全国で闘う体制をつくらなければなりません。
 憲法9条は生きています。対中国戦争に日本を駆り立てる米国に対し敢然とした態度で「日本は米国と一緒になって無謀な戦争をしない」という意思表示をすべきです。そうすることによって、日本は米国の属国からの脱却を図ることができるのです。
 今後も皆さんと一緒に奮闘いたします。

玉城デニー・沖縄県知事
 はいさい、ぐすーよーちゅううがなびら(皆さん、こんにちは)。
 皆様からの多大なご尽力をいただき、沖縄県知事選挙の二期目の当選から1年4カ月が経ちました。昨年はコロナ禍からの経済・観光の回復、離島への行政視察、そして、訪米、訪中、訪台、国連の人権理事会での口頭声明等、沖縄県の現状について内外へ向けて発信してきました。
 今、沖縄県における民主主義・平和・人権・地方自治などの問題にとって重大な局面を迎えております。
 先般、国が提起した代執行訴訟においては、民主主義の理念からも「対話による解決」と、「辺野古が唯一とすることには、必要性・合理性」がないこと、辺野古新基地建設に反対する多くの県民の民意が「公益」とされなければならないこと、そして、辺野古新基地建設問題の解決の道を、対話によって探るために、お互いに歩み寄ることが最善の方法であることを訴えました。
 私は、安心・安全で幸福を実感できる沖縄を創造するためには、軍事力による抑止に過度に偏らず、「万国津梁の精神」「命どぅ宝」などのウチナーンチュのアイデンティティーをもとに、アジア太平洋地域の緊張緩和と信頼醸成につながる取り組みを実施し、今後も国連を含む国際社会へ沖縄からメッセージを発信するべきだと考えます。国際交流・経済交流等の平和構築に貢献するためにも沖縄ならではの地域交流を積極的に推進します。
 また、「命どぅ宝〜命を大切にする魂」を未来の世代へつなげ、世界中から戦争の恐怖を一日も早く取り除くことができるよう、対話と共存を求め、平和的な外交、緊張緩和と信頼関係の構築が不可欠であると訴えてまいります。
 今こそ、世界中の人びとがそれぞれの立場や互いの違いを認め合い、協力し信頼し合うことで心穏やかで真に豊かな生活を送ることができるよう、あらゆる場面でつながっていくこと、「命の絆」が大切だと思います。
 労働党中央委員会におかれましては、基地問題の解決と日本の経済発展、地方自治と立憲主義を守るために、県政への引き続きのご支援をお願いいたします。

屋良朝博・衆議院議員
 自民一強が続く日本の没落ぶりは悲劇的で、民主主義国家と呼べない状態に陥っています。
 私の選挙区では、名護市辺野古の埋め立て工事が進み県民の声を押しつぶしながら、美しいサンゴの海が破壊されています。
 政府は今後12年で完了すると発表していますが、現在のペースでは最低でも40年かかります。さらに軟弱地盤の改良工事は難航が想定されるため、終わらないモンスター事業となる可能性すらあります。
 この馬鹿げた工事はいったい誰のためでしょうか。米軍さえ滑走路が短いと不満を訴えています。自民党の政治資金事件に見る利権の構造が辺野古で巨大化しています。
 いまこそ政治を国民の手に取り戻さなければなりません。
 民主国家、市民国家の実現を目指し、ともに力を尽くしていきましょう。

伊波洋一・参議院議員
 防衛省は、米軍の辺野古新基地建設に向けて、新年早々1月10日に大浦湾側の埋め立て工事を強行しました。知事が、政府の埋立申請を安全性が担保されておらず、県民の民意にも反しているとの理由で不承認にしたものを、国は行政不服審査請求手続きにより代執行するという極めて異常な強硬手段です。沖縄はこれ以上の基地負担を受け入れることはできません。
 今後も玉城知事を先頭に県民ぐるみで辺野古新基地断念を求めていきます。辺野古新基地反対を訴える闘いは、沖縄及び日本全国を戦場にさせないための闘いにつながっています。
 私は昨年末に沖縄平和友好訪中団に参加しました。私は沖縄の状況を説明し、「中国は日本・沖縄を攻めてくるのか」と問いました。中国の皆さんの答えは一つです。「日中間は、日中共同声明と日中平和友好条約で『紛争を武力では解決しない』という条約を結んでいる。だから私たちは条約をしっかり守って、決して沖縄を攻めるようなことはしない」
 「沖縄をふたたび戦場にしてはならない」という声を伝えることは今とても大切だと思っています。

高良鉄美・参議院議員(沖縄社会大衆党委員長)
 創立50周年おめでとうございます。
 政府の言う「核抜き本土並み」とされた沖縄復帰も2年前に50年を迎えましたが、1974年には伊江島で核模擬爆弾の投下訓練が行われていることが明るみに出ました。核密約の存在は明確にしていませんが、沖縄の核模擬爆弾は密約の存在を示すものともいえます。  辺野古の埋め立て工事に加えて、既設の辺野古弾薬庫地区にさらに核兵器格納庫建設の疑惑が上がっています。とても「普天間の代替施設」とは言えません。政府は積極的黙認(容認)をしており、これも明るみに出さず、隠し続ける姿勢です。これが核兵器だとすると、逆に沖縄は間違いなく核の標的にもなります。
 半世紀ともなれば、多くの行動や運動を積み重ね、苦労とともに喜びもひとしおのことと思います。貴党の今後のますますの発展を祈念します。74年前の米軍統治下において「日本国憲法の精神を堅持して、平和で民主的な文化日本国の発展と真の地方自治の確立により、豊かな沖縄県建設を図る」との綱領から出発した沖縄社会大衆党も共に頑張ってまいります。

BAYAN(フィリピン新愛国者同盟)
 BAYANは、解放と人類の社会主義的未来のために闘うすべての反帝国主義勢力と共にあります。
 アジア人民は、この地域における米帝国主義の策動を暴露し、立ち向かい、米軍基地のネットワークを解体し、平和を推進する必要があります。米国の挑発行為と中国包囲網の一環として、岸田政府がフィリピン政府との間で軍事交流と地位協定の締結を目指していることに、私たちは深い懸念を抱いています。
 日本政府の動きは、強化された防衛協力協定と米比二国間の安全保障ガイドラインを通じて、フィリピンにおける米軍のプレゼンスが拡大していることと軌を一にしています。米国は中国との対立をエスカレートさせながら、台湾と西フィリピン海(南シナ海)をにらみ、フィリピンに新たな前進基地を設置しようとしています。フィリピンにおける米軍プレゼンス向上はまたフィリピン国民に対する対反乱作戦への米国の介入拡大にもつながります。
 フィリピン人民と日本人民が団結して、軍国主義の台頭と帝国主義戦争に反対することを希望します。米国が地域と世界をより大きな紛争と危機へと押しやる中、国際的連帯が大いに必要とされています。
 団結した人民は決して負けることはありません。闘う者たちの未来は明るいでしょう。
国際連帯万歳!
帝国主義を倒せ!
帝国主義戦争反対!
人類の社会主義的未来へ!

大島敦・衆議院議員
福島伸亨・衆議院議員
鬼木誠・参議院議員
西島藤彦・部落解放同盟中央本部執行委員長
角替豊・公明党京都府本部代表、元京都府議会副議長
在日韓国民主統一連合
コンイエン・中国華語智庫総裁
香港日報報業集団有限公司


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