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労働新聞 2019年1月25日号・2面〜3面

19旗開き/団結と交流深め、
国の進路転換誓い合う

 新春講演会・旗開きには、多数の来賓が参加した。あいさつの要旨を掲載する。なお、天木直人元レバノン大使らも参加したが、所用であいさつを受けることができなかった。(文責はいずれも編集部)。


今年を行動起こす1年に
鈴木宣弘・東京大学教授
 皆さん、明けましておめでとうございます。
 私は食料・農業の分野が専門なので、これらについて今どのような事態が生じているのか、お話しさせていただきます。
 安倍政権は「グローバリズムや国際的な規制緩和、自由貿易を推し進めれば経済が発展して皆が幸せになる」かのような話をしていますが、実際にはそれらはグローバル大企業の利益を増やすためだけに行われるものです。
 例えば、種子法という国民の命の源である作物の種を守る法律が一昨年、一瞬にして廃止されることが決まりました。モンサントという巨大企業が求めた施策で、自分の企業の種を売るのに公共の種がジャマだったからです。しかも、今まで国や県が開発した奨励品種を無償でモンサントに差し出すことまで決められた。併せて種苗法まで変えられ、種は自家採取禁止の方向に行っているのです。従来種もモンサントが先に登録したら使えなくなり、モンサントから買わないといけなくなります。また遺伝子組み換え表示の緩和や輸入穀物の残留除草剤の規制も行われ、これで日本人が病気になった時にはモンサントと合併したバイエル社の医薬品を売りつけようとしています。
 このようなことはすでに「米国の裏庭」である中南米で起こってきたことで、これに反対する運動が強まっているため、もっと儲(もう)けられる場をと日本に攻勢をかけてきています。モンサントの要求に応えた安倍政治により、国民の命が犠牲にされるのです。
 モンサントだけではありません。米穀物メジャーであるカーギルなどはJA全農を手に入れるため、全農の株式会社化を求めています。国は「農家株があるから大丈夫」などと言うが、すぐに譲渡可能になりグローバル大企業に買われてしまう。これはオーストラリアですでに起きたことなのです。
 安倍政治により日本はグローバル大企業の最大のエジキにされようとしています。
 昨年は林業や漁業でも規制緩和が進められました。生存権はく奪、憲法二十九条違反の悪法で、もう何でもアリです。さらに安倍政権は「農水省も要らない、農業は特別な産業ではない、企業が儲けられればいい」ということで、農水省を経産省に吸収する方向で動いている。経産省は既に農学部の学生を採用するなど準備を始めています。
 このように「今だけ、カネだけ、自分だけ」のグローバル大企業が地域や国民の命を犠牲にして好き放題に収奪するとんでもない状況がきわまっている。ここでこの動きを止めなければ国民生活の未来はありません。
 先日、フランスの女性から「日本の運動は中途半端だ。詰めが甘ければ何もやっていないと同じだ」と厳しい言葉をもらいました。フランスでは、政権が政策を変えるまで、農民が道路を封鎖する闘いを断行しました。こうした経験についても考えてみる価値はあるのではないでしょうか。
 大隈議長が先ほど訴えたように、今年こそ一致団結してこのような状況に歯止めをかける大きな運動が必要です。この会場にいる参加者それぞれが各地・各現場で闘いを呼びかけてもらいたいと思います。今年は行動を起こす一年にしなければなりません。私も研究者としていっしょに闘いたいと決意しています。


力集め仲間の早期奪還を
垣沼陽輔・全日本建設運輸連帯労働組合近畿地方本部委員長
 「労働新聞」を読んでいただければ分かると思うんですけど、昨年から私たちの執行委員が逮捕・勾留され、現在でも武建一委員長などが勾留されたままになっています。
 警察、検察は、「まだ余罪がある」ということで、起訴状のなかに「追起訴あり」と書くなど、弾圧はまだ続くのではないかと思っています。
 二〇一七年の春闘で生コンの値段も上がっているので、大阪広域生コンクリート協同組合はその中から運賃を出すということを約束しました。しかし、この約束を全然実行しないということから、一昨年十二月に生コン、バラセメント輸送の二つの適正な値上げを要求するためにストライキに入り、運賃を引き上げるということになりました。ところが、大阪広域協組執行部の「四人組」と言われる人たちが中心となって、「ヤメ検」の弁護士を雇い、さらに、ヘイト集団を呼び込んで、私たちに対して「悪徳・利権の反社会勢力である連帯労組」というレッテルを貼る事件が発生しました。またかれらは、経営者に対しても、「連帯労組と付き合うなら生コンを出荷しない」という圧力をかけました。このことは裁判でも違法であることが明らかになりました。
 そして、今度は滋賀県警が「強要未遂」ということをデッチ上げて経営者を逮捕し、その後、連帯労組の役員を「首謀者である」ということで逮捕しました。強制捜査に入った箇所は約百カ所を超えております。それから逮捕されたのは延べ四十人を超えています。
 しかし、それでもわれわれは中小企業と労働組合が手を携えて、大企業の横暴と収奪から守る、中小企業の経営を守るということ自身がそこで働く労働者の権利を守ることになるということで、闘っていきます。この基本路線は五十年間、変わっていません。そういう点では権力がいろいろなことをしてくるわけですけど、決してわれわれはこれに負けない闘いを引き続き、やっていきます。
 一月十二日に私たちの旗開きを行いましたけど、三百五十人を超える人たちが参加しました。われわれは決して、孤立していません。
 是非、全国の皆さんの力を貸していただいて、武委員長をはじめ、今被疑者とされている仲間たちの早期奪還をめざして今後も闘っていく決意です。どうぞ、よろしくお願いします


乾杯の音頭/安倍政権倒す統一戦線の前進へ
自主・平和・民主のための広範な国民連合代表世話人 西澤清
 私たち広範な国民連合は昨年、沖縄の福地曠昭顧問、東京の斉藤ゆうこ・荒川区議を失いました。謹んでお悔やみしたい。
 今、日本はどうなっているのでしょうか。私は高齢者組織にも関わっていますが、今年のあいさつで、こう言っています。今の日本をこのまま子どもたちに渡すわけにはいかない。私たちはよりよい最後をどう迎えるか、「終活」を考えるのではなく、生活にしよう。今の日本をどう生きるか、全力で闘うことを決意したいと思います。
 国会前の集会には高齢者が多いが、私たちもいっしょに闘う。賃金と年金は生活保障のためであり、これを要求するのは当然の権利です。闘いは現職者と退職者がいっしょに闘うべきです。
 退職した高齢者は何を武器にして闘うか、これを模索しつつ、安倍政権を倒すために奮闘しようではありませんか。当面の闘いに全力を挙げ、統一戦線を発展させたい。そのために、労働党の協力をお願いしたい。
 皆さんのご健康と活躍を祈念して、乾杯したいと思います。

横田ラプコンの撤廃めざそう
原田章弘 広範な国民連合代表世話人、同神奈川代表世話人 
 広範な国民連合・神奈川は昨年、横田ラプコンの撤廃を国に求める意見書を採択させようと、世話人が藤沢市、秦野市などの自治体を回るなど努力してきました。四月の統一地方選挙を経て新しい議会となれば、もう一度、意見書を求める陳情を行いたいと考えています。皆さんのご協力を改めて呼びかけます。

日朝国交正常化へ世論と行動を
日森文尋 朝鮮の自主的平和統一を支持する日本委員会議長、元衆議院議員
 労働党旗開きへの参加は三年連続で、毎年、楽しみにしています。
 二〇一八年は、米朝首脳会談を中心に、大きな前進が期待できる年でした。
 朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)の建国七十周年でもあり、私は平壌で演説する機会がありました。朝鮮半島の自主的平和統一は、北東アジア全体に平和をもたらすもので、そのために奮闘する年にしたいと思います。
 そのためには、日本と南北朝鮮の連携が必要です。南北関係は大きな前進を遂げています。日本がどのような態度をとるか、これが焦点ですが、安倍政権に可能かどうか。皆さんと連帯を深め、問題の解決のために努力していきましょう。併せて、日朝国交正常化のためにいっしょにがんばりましょう。

地位協定改定めざし奮闘する
日下景子 神奈川県議会議員 
 おめでとうざいます。今年は、神奈川県議会選挙があり、自民党が候補者を積極的に擁立するため、厳しい選挙が予想されます。自民党に県議会の過半数を占めさせないよう、かんばりたいと覆います。
 神奈川県は沖縄に次ぐ基地県ですから、地位協定の改定に向けてがんばっています。横田ラプコンの撤廃に向けても努力を続けていきます。
 労働党、広範な国民連合の皆さんといっしょにがんばります。

大企業との取引適正化が必要
中小企業経営者(川崎市) 小川登さん 
 労働者の皆さんにとって、賃上げは優先課題だと思います。中小企業の立場からすると、大企業との取引条件が改善するならば、時給一千五百円でも二千円でも払いたいという気持ちです。
 また、外国人の技能実習生を多く抱える企業もありますが、一部の企業は最低賃金さえ払っていません。そのような悪質な企業を、きちんと調査するところから始めるべきだと思います。
 零細企業に目を向ける政治を実現するため、労働党に期待します。

東京大空襲の悲惨さ描く
画家(三鷹市) 長谷緑也さん
 一九四五年三月の東京大空襲の絵を描いています。終戦五カ月前に召集され、千葉県柏市に配属されました。そこで大空襲によって東京が焼け落ちるさまを見せつけられました。その後、旧満州(中国東北部)に送られ、シベリアにも抑留されました。戦後は、砂川闘争にもかかわりました。その頃の労働組合の闘いを思うと、今は忸怩(じくじ)たる思いです。皆さんの奮闘に期待します。


祝電・メッセージ(要旨・敬称略・順不同)
・社会民主党全国連合
 党首 又市征治
 新年明けましておめでとうございます。
 昨年の臨時国会では、外国人労働者の受け入れ拡大を図る改正入管法が最大の焦点でした。安倍政権は改ざん・隠ぺいの反省もなく、技能実習生失踪の原因のデータを再び改ざんし、強行採決などの暴挙を繰り返してきました。
 通常国会では、軍事費拡大をめざす二〇一九年度予算案を厳しく追及するとともに、消費税の税率引き上げを中止に追い込まなければなりません。そして危険を増大させる原発再稼働など反国民的施策からの転換、当然、改憲を阻止する立憲野党の国会での結束した闘いも強化してまいります。
 沖縄ではこの二月、県民投票が行われます。沖縄の民意を「考察」ではなく「絞殺」してきたのが安倍政権です。新基地建設を断念させるため、今後とも粘り強く闘っていきます。
 今年は政治決戦の年です。統一自治体選挙で議席を拡大させ参議院選につなげていかなければなりません。参院選で社民党は、比例区での二%以上の得票率確保とともに、三議席以上を確保するため全力を挙げます。
 私たち野党や民主的諸勢力の使命は、憲法にもとづく政治を取り戻すことであり、そのためには立憲野党が小異を残して大同に就くことです。また東京をはじめ複数区では、公認候補擁立が必要です。こうした陣形によって参議院選では立憲野党全体として四十一議席以上獲得し、改憲派を三分の二割れに追い込まねばなりません。このため、わが党は野党共闘の要役を果たしていきます。
 皆様方の闘いの前進と成果、そしてご活躍を祈念し、メッセージとさせていただきます。

・新社会党中央本部
 委員長 岡崎ひろみ
 新社会党への日頃のご指導、ご鞭撻に改めて感謝申し上げます。
 さて、一九年の新年を迎えましたが、いまだ日本は安倍総裁の自民党政権の下にあります。宿願である改憲を何が何でも実現することに執着しています。臨時国会末の自民党改憲案提示は市民と立憲野党の闘いで断念させましたが、これからも策動は続くでしょう。
 一九年は待ったなしです。改憲に失敗すれば安倍退陣はいうまでもありませんが、今後の改憲の道を閉ざすことになります。護憲派にとって正念場といえます。
 沖縄知事選の勝利は、あらためて立憲野党が共闘の流れを大きく深化させることこそ歴史を進める大道であることを証明しました。
 参議院選での勝利は絶対です。もし負けることがあれば、改憲は現実のものになるでしょう。
 新社会党は、あらゆる局面での労働者・市民と野党の共同・共闘の強化に全力を尽くし、憲法決戦の勝利に奮闘します。ともに闘い抜きましょう。

・衆議院議員 道下大樹(北海道一区)

・衆議院議員 大島敦(埼玉六区)

・自主・平和・民主のための広範な国民連合代表世話人、元参議院副議長 角田義一
 日本労働党の新春旗開きにお集まりの党員並びに支持者の皆様に、新春にあたり一言メッセージを届けさせていただきます。
 新春旗開きが盛大に開催されますことに、心から祝意を表します。貴党の昨年のご活躍に心から敬意を表します。本年はまさに天下大乱の年になると思います。統一地方選挙、参議院選挙でわれわれの多くの仲間が勝利し、「野党統一の力で安倍政権を打倒する」一点に絞り奮闘します。
 貴党の本年のご活躍とお集まりの皆様のご健勝を心からお祈り致します。

・沖縄県議会議員、社民党沖縄県連合執行委員長・照屋大河
 新年明けましておめでとうございます。
 昨年は沖縄にとって激動の一年でした。翁長雄志前知事との別れに、県民は深く悲しみました。そのような中、翁長前知事の遺志を受け継ぐ玉城デニー知事を歴代最多得票で誕生させ、墓前に報告できたことは何よりの供養になったのではないでしょうか。
 ところが政府は、知事選挙で示された民意を無視する形で沖縄県による承認撤回の効力を一時停止し、新基地建設を強行しています。沖縄防衛局は県の度重なる行政指導や作業停止の求めに応じず、ついに昨年十二月十四日、埋立て土砂の投入に踏み切りました。断じて許せません。政府は県民の諦め感を醸成しようと躍起ですが、闘いは新たな局面に入ったにすぎません。
 玉城デニー知事は「あらゆる手段を講じて新しい基地は造らせない」と明言しています。
 私も与党県議の一人として、社民党県連委員長としてデニー知事を県議会内外で支え抜く決意です。当面は、辺野古新基地建設の賛否を問う県民投票で確固たる民意が示されるよう取り組んでまいります。
 七月には参議院選挙が控えます。沖縄選挙区での勝利はもちろん、全国比例では同僚議員・社民党県連書記長「仲村みお」を国政へと押し上げるべく全力を尽くす覚悟です。ご支持・ご支援のほど宜しくお願い致します。
 年頭に当たり、各位のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。

・在日韓国民主統一連合
 明けましておめでとうございます。
 二〇一八年は三回に渡る南北首脳会談と歴史的な板門店宣言、九月平壌共同宣言の発表とともに、六月には史上初の朝米首脳会談を通じ「新しい朝米関係」をうたった朝米共同声明が発表されるなど、朝鮮半島に立ち込めていた核戦争の暗雲が消え去り、平和・繁栄・統一へと大きく局面転換した歴史的な一年でした。南北は事実上の終戦合意に基づき、軍事境界線周辺の地雷を除去し、南北をつなぐ鉄道・道路の着工式を行うなど、両宣言を着実に履行しています。
 このように情勢が大きく好転するなか、一九年は朝鮮半島の平和統一を加速させる重要な一年になります。とりわけ、今年は日本の植民地支配に対し全民族的に闘った三・一独立運動百周年を迎えます。この意義深い日を南北共同で祝うことに合意した九月平壌共同宣言に基づき、大々的な三・一民族共同行事がソウルで開催されることが予見されています。韓統連は、この民族共同行事に十五年ぶりとなる大規模代表団を派遣し、同行事の成功に主体的に関与するとともに、韓統連に着せられた「反国家団体」の汚名をそそぐ決定的な契機にしたいと思っています。
 一方、進展する南北関係を横目に、日本の軍事大国化・歴史修正主義には警鐘を鳴らさざるを得ません。辺野古移設工事の強行や空母「いずも」の建造など、一連の軍拡政策は朝鮮半島の和解情勢と逆行するものです。さらに、日本軍「慰安婦」被害者や元強制徴用工被害者をはじめ、歴史清算を求める内外の声を無視しています。今年は軍国化反対と歴史清算を求める声を、韓日連帯でよりいっそう高めていかなければなりません。
 本年もよろしくお願い申し上げます。

・ミグランテ・ジャパン
 戦闘的・進歩的なフィリピン移民労働者団体である「ミグランテ・ジャパン」は、日本労働党の新年旗開きと、皆さんの日本労働者階級のための断固たる闘いに熱烈な連帯のあいさつを送ります。
 ミグランテ・ジャパンは、独占資本家による搾取と抑圧と闘う、日本とフィリピンの労働者による共同を主張します。皆さんの苦闘は私達の苦闘である! 皆さんの闘いは私達の闘いである!
 日本とフィリピンの新自由主義政策反対! 私達の資源に対する帝国主義的略奪反対! 全世界の労働者は団結し、帝国主義と闘おう! 国際連帯万歳!

【神奈川県】
・全国自動車交通労働組合神奈川地方連合会執行委員長 水野潔

・横浜市長 林文子
・相模原市長 加山俊夫
・平塚市長 落合克宏
・大磯町長 中崎久雄(崎の「大」は「立」)
・松田町長 本山博幸
・箱根町長 山口昇士
・清川村長 大矢明夫


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