ホーム労働新聞最新号党の主張(社説など)/党の姿サイトマップ

労働新聞 2019年1月1日号・9面

米戦略に追随する
安倍政権打ち倒そう
辺野古への土砂投入許すな


沖縄からのメッセージ

 安倍政権は米国のアジア戦略に追随し、沖縄県民の意思を踏みにじって名護市辺野古への基地建設を強行している。県民は昨年、玉城県政を誕生させる確固とした意思を示したが、政府は市町村への補助金直接交付など、卑劣な策動も強めている。沖縄と連帯し、わが国の「対中最前線基地化」に反対する全国での闘いを強化しなければならない。沖縄から寄せられたメッセージを掲載する。


闘いは新たな局面に
沖縄県議会議員、社民党沖縄県連合執行委員長・照屋大河

 新年明けましておめでとうございます。
 「労働新聞」読者の皆さまにおかれましては、清々しい新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 昨年は沖縄にとって激動の一年でした。辺野古埋め立て承認撤回の表明直後に急逝した翁長雄志前知事との別れに、県民は深く悲しみました。そのような中、翁長前知事の遺志を受け継ぐ玉城デニー知事を歴代最多得票で誕生させ、墓前に報告できたことは何よりの供養になったのではないでしょうか。
 ところが政府は、知事選挙で示された民意を無視する形で沖縄県による承認撤回の効力を一時停止し、新基地建設を強行しています。沖縄防衛局は県の度重なる行政指導や作業停止の求めに応じず、ついに昨年十二月十四日、埋立て土砂の投入に踏み切りました。断じて許せません。
 今回、沖縄防衛局が土砂投入に着手した海域は、埋め立て総面積のわずか四%にあたる六ヘクタール。実際に投入した土砂は四千八百トンで、この六ヘクタールの埋め立て必要総量の〇・二%でしかありません。沖縄県は辺野古新基地完成までにあと十三年かかると試算しています。政府は県民の諦め感を醸成しようと躍起ですが、闘いは新たな局面に入ったにすぎません。
 玉城デニー知事は「あらゆる手段を講じて新しい基地は造らせない」と明言しています。翁長前知事には、デニー県政のニヌファブシ(北極星=道しるべ)となって、この先も続く闘いを見守ってくださるものと信じてやみません。
 私も与党県議の一人として、社民党県連委員長としてデニー知事を県議会内外で支え抜く決意です。当面は、二月二十四日に予定される辺野古新基地建設の賛否を問う県民投票で確固たる民意が示されるよう取り組んでまいります。
 七月には参議院選挙が控えます。沖縄選挙区での勝利はもちろん、全国比例では同僚議員・社民党県連書記長「仲村みお」を国政へと押し上げるべく全力を尽くす覚悟です。ご支持・ご支援のほど宜しくお願い致します。
 結びに、年頭に当たり、読者各位のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。


県民投票を成功させよう
「辺野古」県民投票の会代表・元山仁士郎

 ハイサイ、グスーヨー、明けましておめでとうございます。
 「辺野古」県民投票の会の代表をしております、元山仁士郎です。私は沖縄・宜野湾市出身で、現在、一橋大学大学院の修士課程を一年間休学し、県民投票に向けて取り組みを続けてきました。
 私は普天間基地のそばで生まれ育ったのですが、沖縄にいた頃は米軍ヘリやジェット機の爆音に対する嫌悪感や米兵・軍属による犯罪への恐怖感、基地の中での異文化体験を通じた米国への「憧れ」など複雑な感情を抱いていました。ただ、このような感情を持っていたことを考えられるようになったのは、二〇一一年に東京に出て、周りの友人から沖縄の基地問題、特に普天間基地について聞かれたことがきっかけでした。そして、学べば学ぶほど私が送っていた"日常"の異常さに気づけるようになったのです。
 その後、特定秘密保護法に反対する学生有志の会(SASPL・Students Against Secret Protection Law)や自由と民主主義のための学生緊急行動(SEALDs・Students Emergency Action for Liberal Democracy)の活動を経て、二〇一七年十一月に成蹊大学法科大学院で行政法を専門にする武田真一郎先生の話を聞き、県民投票の取り組みを行うに至りました。
 武田先生からは県民投票の法的な意義について説明を受けましたが、私自身はその歴史的・社会的意義を感じ、行動を起こしました。
 一つ目は、「世代間の対話」です。私の祖母を含め沖縄戦体験者がいる中で行う最後の県民投票になるかもしれない中、若い世代がぜひ戦争体験者と改めて話し、戦争と基地について深く考えて欲しいと思いました。
 二つ目は「島々の対話」です。米軍基地は沖縄の本島と呼ばれる島に集中していますが、他の島々の人々はどう感じているのかを知りたい、さらに他の島々の問題も知りたいと思いました。県民投票を通じて島々の課題を共有し、解決していく一助にしたいと考えました。
 玉城デニー知事も対話による解決を訴えていますが、いま沖縄、日本に必要なことは一方的に主張することではなく、いろいろな人たちと話していく「対話」ではないでしょうか。
 東京都小金井市議会は十一月二十五日の本会議で、米軍普天間基地の県外・国外移転を国民全体で議論し、公正で民主的な手続きを経て決定するよう求める陳情を賛成多数で採択しました。
 なぜ私が、沖縄が県民投票をしなくてはいけないのか。普天間基地、海兵隊、日米安保が必要なのか。どうやってその議論を広げていくのかが重要です。県民投票を注視しながら、いま、日本で、それぞれの地元でできることをやっていきましょう。


Copyright(C) Japan Labor Party 1996-2019