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労働新聞 2016年1月25日号・2〜3面

2016新春講演会・旗開き

来賓あいさつ

結成50周年事業が成功 春闘で正規化勝ち取る
全日建連帯労組関西生コン支部 武 洋一書記長

 関西生コン支部は昨年、結成五十周年を迎えました。この五十周年事業について、紹介させていただきます。
 その前に、大隈議長の講演には感銘を受けました。
 テロの評価、あるいは朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)の核実験に対する態度については同感であります。核を持っている敵国から自国を守るためにどうするかは、考えざるを得ない問題です。かつてイラク戦争のとき、「テロもダメ、侵略もダメ」という声が巻き起こりましたが、私ども全日建は、まず侵略に反対する立場です。「テロ反対」ということは米国に同調することですから、そうは言わないという立場を貫いてきました。
 拉致問題もそうですが、日本は朝鮮と平和条約を結んでいない。朝鮮戦争は「休戦状態」で、まだ続いています。確かに、国民が拉致されるのは許しがたいことですが、朝鮮とと無条件に平和条約を結ぶことで、拉致問題も解決すべきではないでしょうか。
 関生支部は、五十周年の事業を展開しました。まず、新しい会館学働館・関生」をつくり、十二月に竣工式を行いました。あらかじめ資金があってつくったわけではありません。この五十年間、わが組織がどれほどの人的な交流、組織の交流をつくってきたのか、その集大成を証明するという意義から、関西の生コンの企業、関連業界の皆さんから多くのご支援をいただいた。組合員からも、多大なカンパをいただきました。皆さんのご協力にも、感謝いたします。
 これらは、関生が五十年間進めてきた、中小企業政策の成果だと思います。中小企業産も期待していると思います。会館を建てる財力もそうですが、どれほどの関係をつくってきたかということの集大成としてつくろうという決意をしました。敵権力からすれば「よくつくったな」ということでしょうが、会館は中小企業の砦(とりで)であり、労働者の砦です。
 もう一つは、組織拡大です。組織が強くならなければ中小企業政策は進められませんから、組織を第一に考えてきました。
 関生コン支部は、共産党の介入によって三十年前に分裂しました。以降、実際には、組織がなかなか増えてきませんでした。そこで、組織拡大を五十周年の締めくくりにするということで、取り組んできました。プロジェクトチームを作り、班を編成して、地を這(は)うように企業や労働者の調査をしてきました。その種を育て、徐々に開花させることが、昨年暮れから進められています。機関紙「くさり」には、毎月、新しい組合員の報告が載っています。
 その上で、この二月には、生コン支部に所属していた生コン以外の業種の組合員、清掃や産廃業者、医療介護の部会をつくり、新しい支部として結成する予定です。この二年ほど、関西支部は、生コン部門を「機関車」として、全体を引っ張るという意味で強化してきました。今回、支部をつくることで、一般業種の皆さんも自立してもらいます。ぜひ、皆さんのご協力をお願いします。
 実は、この十数年、大阪の生コン業界は混乱していました。五年前、大阪府下の経営者会や協同組合が、労働組合との対決姿勢をあらわにしました。セメントが一立方メートルで八千円〜九千円というダンピング価格で売られ、多くの中小企業が倒産しました。
 昨年七月、経営者会が労働組合との対決姿勢を改め、業界再建に向かうということが確認されました。大阪にある三つの協同組合が大同団結して値戻しを行い、過去の労働組合との約束事項を履行することが確認されました。おそらく、四月には一万三千八百円ぐらいの生コン価格が打ち出されるだろうと思っています。これを機に、中小企業の基盤が確立するだろうと思っています。
 そのように進められてきているのが、五十周年事業です。
 今春闘ですが、この間、生コンの多くの労働者が非正規化されています。経営側は労組との関係を薄くするために下請け化を進め、運賃を切り下げてきました。当然、下請けは正規社員を雇えず、日々雇用が増えます。実際、関西の多くの工場に、正規運転手はほぼおりません。これはメーカーが行ってきた不当労働雇用であり、今春闘で正規化を勝ち取っていきます。経済要求ももちろんですが、最大の要求は正規化を図っていくことです。
 大隈議長の講演にもありましたが、敵側が追い込まれているわけです。今こそ労働者と中小企業が大同団結し、大企業からの収奪を抑制し、ため込んだ資金を賃上げとして取る。そういう春闘を闘っていきたいと思います。
 労働党の旗開き、おめでとうございます。


乾杯の音頭/統一した力を強める
自主・平和・民主のための広範な国民連合代表世話人 西澤 清

 明けましておめでとうございます。
 昨年11月の国民連合全国総会は、大勢の方にご参加いただき、ありがとうございました。
 今年は「激動の年」というだけでは言いあらわせないと思います。私たちが敵とする帝国主義者が劣化していることが特徴です。米国では、トランプ氏のような下劣な人物が台頭しています。日本の政治も品格がなくなっている。その代表が安倍首相です。
 安倍首相には早く辞めてもらわなければなりません。アベクロノミクスで300兆円以上の国債を抱え、米国の戦争に追随してどうなるのか。安倍首相、黒田日銀総裁には、その責任を取ってほしい。勤労者の私たちに謝ってほしい。
 情勢は私たちの方向に有利ですが、力がないといけません。大隈議長の講演でも、さまざまな人びとが結集して政治を変えるという趣旨のことが触れられていました。憲法が改悪されようとしているなか、統一した勢力を結集するためにがんばります。
 労働党の皆さんも、働く者のためにがんばってほしいと思います。


TPP批准阻止へ
全国農団労 小川 宏 書記長

 おめでとうございます。全国農団労は、農漁協職員の労働組合です。
 昨年は、環太平洋経済連携協定(TPP)の「大筋合意」がインパクトを与えました。政府は「農業生産は下がらない」などと言っていますが、真っ赤なウソです。
 もう一つ、農協法の改悪です。これは、TPPの国内対策です。
 農協の理事会の過半を認定農業者やマネジメントの専門家、要するに「農外」から入れることになります。また、旧法では、農協の事業は「利潤を目的にしてはならない」とされていました。それが外された。
 規制を撤廃、緩和して、農村、コミュニティを投資家の「草刈り場」にするものです。
 TPPの批准阻止に向けて運動を広げています。フード連合、国公連合とともに活動を強めます。国民的な運動を広げなければなりません。


組織建設で前進する
全日建連帯労組近畿地本委員長 垣沼 陽輔
 「学働館・関生」は、労働者の思想を学ぶ拠点していこうと思っています。新しい幹部を育てていくという、壮大な夢を考えています。
 大隈議長の話にありましたように、日本経済は決して安泰ではありません。中国経済が失速するなか、日本経済も遅かれ早かれ、失速するでしょう。安倍政権の思惑は簡単にはいかないでしょう。
 その意味では、労働組合は現状に甘んじることなく、奮闘が求められています。
 生コン支部を先頭に、一万五千人の組織建設をめざします。
 安保法制だけでなく、これからは労働法制の改悪も進みます。地域でもがんばっていくことをお誓いします。


平和運動盛り上げる
原子力空母の母港化に反対し、基地のない神奈川をめざす県央共闘会議共同代表 桧鼻達実

 おめでとうございます。
 安保法制に続いて、普天間基地の移設問題、そして垂直離着陸輸送機オスプレイの配備問題が浮上しています。岩国への艦載機移駐、さらに横田基地も強化されようとしています。本土での基地拡張です。
 私たちは、厚木基地、キャンプ座間、相模総合補給廠の問題にかかわっています。八月、相模総合補給廠で倉庫が爆発しました。厚木基地からは、ソマリアでの「海賊対策」のためにP3C哨戒機が出動しています。米軍と一体になって闘う、それが安倍政権による安保法制です。
 闘いの先頭に立っているのは沖縄県民です。私たちも、神奈川の地で、反戦平和運動を盛り上げ、安倍政権のもくろみをぶちこわしたいと思います。


沖縄県民との連帯を
関東沖縄経営者協会副会長 豊里 盛泰
 皆さん、おめでとうございます。
 私は沖縄の宮古群島の伊良部島の出身で、本土に「上陸」してから今年で五十一年になります。ふるさとよりも、横浜での生活が長くなりました。
 皆さんが、沖縄問題で熱心に行動されていることに、出身者として心から感謝します。ありがとうございます。
 宜野湾市長選も始まりましたし、参議院選挙もあります。二百四十万人県民の願いである、戦争のない社会をつくるには、沖縄県民のの力だけではできません。本土の人、ヤマトンチューの皆さんの力添えを、ぜひお願いします。
 労働党の発展と、皆さんの健康をお祈りします。


メッセージ/ 心を一つに奮闘する
衆議院議員 仲里 利信

 新春のお慶びを申し上げます。
 日本労働党におかれましては、平素より国民の生活を守り、独立・自主の国の進路を切り開いてこられたことに対し、衷心より敬意を表するとともに感謝申し上げます。
 昨年はわが国及び沖縄県においては、大きな転換期となった年でした。安倍首相と政府・与党は、憲法違反の戦争法案である安保法制や労働者いじめの労働者派遣法改正法案、特定秘密保護法施行、大企業減税で庶民増税となる税制改革等悪法を相次いで強行制定・改悪しました。また農林水産業を破壊する環太平洋経済連携協定(TPP)を「大筋合意」しました。しかも国会審議や国民への説明は十分に行わず、独善的、強権的に手続きを進めました。わが国の民主主義や法治国家、主権在民はどこに消えたのか、先達が苦労を重ねてたどり着いた平和国家・憲法を葬り、戦前に回帰しようとしているのかと言わざるを得ない状況です。
 それは沖縄においても同様でした。相次ぐ選挙やキャンプ・シュワブ前での座り込み等で明確に示された民意や思いを全く無視し、何が何でも米軍にひたすら追随し辺野古新基地建設を強行しようとしています。挙句の果てに、翁長知事の工事停止指示や埋立承認取消に対して、農水相と国交相が相次いで執行停止決定を行い、国が地方自治体を訴えるという前代未聞の事態です。一方、キャンプ・シュワブ前や大浦湾では、屈強な警視庁機動隊員や海上保安官が非暴力であくまでも平和的に抗議する無抵抗な市民に暴力で臨み、排除し続けています。市民弾圧の一方的な行為で、目に余るものです。
 しかし、悪い事態ばかりではありません。今まで物を言わなかった市民や労働者、若者たちが沖縄の現況やわが国の危機的状況、労働者が虐げられている実態を見聞きして、危機惑を抱き、敢然と立ちあがり始めているのです。
 これは正しくオール沖縄、オール日本ヘの息吹であり、わが国の大きなターニングポイントになり得る動きであり、日本労働党がこの間取り組まれてきた地道な運動の成果の一つだと考えます。
 二〇一六年は、このような動きをさらに大きくすることが求められるところであり、その主体として日本労働党に寄せられる期待や役劃がますます大きくなってくるものと考えております。
 私も国政の場において、わが国を取り巻く諸課題の解決に取り組んでいく所存であります。
 わが国の望ましい未来を築き上げるため、心を一つにしてがんばりましょう。(要旨)

社会民主党 党首 吉田忠智
 日本労働党旗開きにご参加の皆さん、新年明けましておめでとうございます。
 安倍政権は「戦争法」の先に、今年の参議院選挙で憲法改正の発議要件の三分の二の議席確保を狙っています。平和憲法をなくさせるわけにはいきません。社民党は「戦争法」の廃止をめざすとともに、この法律を発動させないために闘います。憲法を守り、戦争への道を阻止するために全力を挙げます。
 また、労働分野の規制緩和も重大です。「生涯ハケン」を押し付ける派遣労働改悪に続き、残業代ゼロを狙う労基法改正が狙われています。働く者の権利を奪い、長時間過密労働で過労死を助長させるこの法改正を認めるわけにはいきません。社民党は働く仲間の皆さんと手を携え、雇用と労働条件を守るために闘います。
 今夏の参院選は平和憲法の命運がかかる重要な闘いです。何としても前進を勝ち取りたいと思います。本年もよろしくお願いいたします。

新社会党本部 顧問 上野建一
 新春の旗開き、おめでとうございます。
 新しい年は、七十年間、守り活用指摘や日本国憲法が完全に破壊されるかどうかの闘いの年であります。安倍晋三政権はすでに「戦争」などによって憲法の破壊を大々的に行っています。
 私たちは、戦闘的大衆運動によって安倍政権を打倒しなければなりません。この大衆運動を実践する以外に、参院選の勝利もありません。労働党のご活躍を期待し、私たちも共にがんばります。

TPP合意の真相と影響評価の誤謬
東京大学教授 鈴木 宣弘

 環太平洋経済連携協定(TPP)が合意に達したとされたアトランタ会合で、日本は何でもする「草刈り場」と化して、譲歩を一手に引き受けた。他の国が医薬品の特許の保護期間などで最後までもめたら、どちらともとれる表現を提案し、とにかく合意した形をつくろうとした。
 日本政府は、自動車での利益確保に、ハワイ会合を決裂させるほどにこだわったのに、アトランタでは、それさえ差し出した。
 米国では、影響試算に基づいて議会で議論する手続きと日程が明示されているのに、わが国では協定の詳細も国民に示さず、影響試算が出される前に「国内対策」だけが先に示され、しかも、関連団体から要望を聞いたとしながら、対策も半年以上前に決まっていた。政府が考えている以上のセーフティネット政策の必要性を要請項目に挙げた団体には、政権党の幹部が激怒し、役所を通じて、政府が考えている以上のことを要請するなと事前に要請事項の削除を迫るという「暴挙」が行われた。
 やっと出された政府の影響試算は、「影響↓対策」の順で検討すべきを「対策↓影響なし」と本末転倒にし、価格が多少下がっても、国内対策を前提にすれば生産性も向上し、農林水産業の生産量と所得への影響は全くないと言う。子供だましよりも稚拙なシナリオである。
 協定の日本語版も出されたが、条文の背景説明を求めると、「交渉過程は四年間秘密なので説明できない」との回答が返ってくるだろう。こんな異常な手続きが「民主主義国家」で進められている。
 内閣府の再試算では、日本の国内総生産(GDP)は一三・六兆円増加し、農林水産業の損失は一千三百億〜二千百億円程度にとどまるとされ、政府が同じモデルで、GDP増加三・二兆円、農林水産業の損失三兆円としていたのと極端に異なる数字である。
 これほど意図が明瞭な試算の修正は例がない。「数字を操作した」と自ら認めるようなものである。
 控えめに推定しても、農林水産物で一兆円、食品加工で一・五兆円の生産額の減少が生じる一方、自動車でも、むしろ生産額の減少が生じ、全体で日本のGDPは、わずか〇・〇七%、〇・五兆円しか増加しない可能性がある。
 牛肉関税の九%に象徴されるように、今回の主な合意内容は、すでに、昨年四月のオバマ大統領の訪日時に、一部メディアが「秘密合意」として報道した内容とほぼ同じだ。
 その後は、双方が必死にがんばっている演技をして、いよいよ出すべきタイミングを計っていただけの「猿芝居」だったのだ。
 TPPがチャンスだというのはグローバル企業の経営陣にとっての話で、TPPで国民の仕事を増やし賃金を引き上げることは困難である。 消費者の価格低下のメリットが強調されているが、輸入価格低下の多くが流通部門で吸収されて小売価格はあまり下がらない。
 さらに、米国などの牛肉・豚肉・乳製品には、日本では認可されていない成長ホルモンなどが使用されており、それが心配だと言っても、国内で生産農家がいなくなってしまったら、選ぶことさえできなくなる。
 農産物関税のみならず、「守るべき国益」とされた食の安全、医療、自動車などに関する非関税措置についても、国益の決議は早くから全面的に破綻していた。
 さらに、米国投資家の追加要求に日本の規制改革会議を通じて対処することも約束され、際限なく続く日米二国間協議で、日米巨大企業の経営陣の利益のために国民生活が犠牲になる「アリ地獄」にはまった。
 米国では批准が容易でない状況にある。「巨大企業の経営陣の利益VS市民生活」の構造だが、双方から不満が出ている。
 心配は、日本政府は再交渉には応じないとしつつ、米国議会批准のために水面下で日本がさらに何かを差し出すことだが、もうしている。
 農業について、政府は「規模拡大してコストダウンで輸出産業に」との空論を展開しているが、その意味は「既存の農林漁家はつぶれても、全国のごく一部の優良農地だけでいいから、大手企業が自由に参入して儲(もう)けられる農業をやればよい」ということだ。しかし、それでは、国民の食料は守れない。食料を守ることは国民一人ひとりの命と環境と国境を守る国家安全保障の要である。農林漁家が所得の最低限の目安が持てるような予見可能なシステムを導入し、農家の投資と増産を促し輸出を振興している。わが国も、農家保護という認識でなく、安全保障費用として国民が応分の負担をする食料戦略を確立すべきである。
 条件闘争では国民は守れないし、現場でがんばっている地域の人びとや農家に示しがつかない。結局、組織も見放される。現場の人びとともに強い覚悟を持ち、食と農と暮らしの未来を切り開いていくために主張し続ける人たちが必要である。食料のみならず、守るべき国益を規定した政権公約と国会決議と整合するとの根拠を国民に示せない限り、批准手続きを進めることは許されない。(要旨)。

・千葉県議会議員 西尾 憲一
・沖縄県議会議員 照屋 大河
・在日韓国民主統一連合

【神奈川県】
・相模原市長 加山 俊夫
・平塚市長 落合 克宏
・秦野市長 古谷 義幸
・綾瀬市長 笠間 城治郎
・清川村長 大矢 明夫


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