20000725

嘉手納基地包囲に2万7千人

厚木・岩国など全国でも基地撤去の行動

基地撤去へさらに大きな運動を


 米クリントン大統領は七月二十一日、沖縄県の「平和の礎(いしじ)」で演説、「日米同盟を持続するために沖縄は不可欠な役割を担っている」などと在沖米軍基地の重要性を強調、引き続き東アジア戦略に基づき沖縄を拠点とすることを断固として明言した。わが国支配層もまた、サミット開催をエサに、名護市への普天間代替基地移設の強行を狙っている。これに対し、沖縄県民は相つぐ米兵犯罪に怒りを高め、緊急県民大会、嘉手納基地包囲行動と、日米両政府の策動をうち破る闘いを展開してきた。厚木基地のある神奈川県、岩国基地のある山口県でも、これと連帯する集会が成功した。沖縄県民、そして全国の連帯した闘いは、さらなる大きな闘いへ向けた重要な前進となった。日米安保を破棄し、アジアと共生する国の進路を実現する上で、沖縄に連帯する行動を各地で盛り上げることは重要である。とりわけサミット後、日米両政府が基地県内移設を強行しようとする中、さらに運動を発展させなければならない。嘉手納基地包囲行動の中心的存在である、佐久川政一・県民大行動実行委員会共同代表と、山内徳信・前沖縄県収入役の声などを紹介する。なお、労働党は嘉手納包囲行動と神奈川集会に参加、共に闘った。(関連記事)


許せぬクリントン発言
県民大行動実行委員会共同代表・沖縄大学教授 佐久川 政一氏

 嘉手納基地を「人間の鎖」で包囲することを通じて、沖縄が戦後五十五年間、いかに基地重圧に喘(あえ)いできたかということを訴えたい。
 五年前の少女暴行事件で、県民は怒りを爆発させた。しかし七月三日、米兵はこともあろうに就寝中にしのび込み、女子中学生を襲った。
 米軍四軍調整官は稲嶺知事に謝罪したが、この五十五年間一度もなかったことだ。これは、サミットを優先するからであり、心からの謝罪とは思えない。実際、その舌の根も乾かないうちに、ひき逃げ事件が起こった。これは、基地があるがゆえの犯罪だ。
 クリントン米大統領は「平和の礎」で演説したが、それは、「沖縄の負担はアジア太平洋の平和のため」というものだ。
 平和には二つある。一つは、軍事力による「平和」で、クリントンは米軍が存在しているから「平和」なのだということを、国際的に認知させようとしている。しかし、私たちのいう平和はそうではない。基地がないことが平和に結びつくということを、世界に発信したい。
 今回の包囲行動には、本土からも多くの参加があり、大変ありがたい。しかも、包囲行動のかなり前の時間から、多くの人びとが基地周辺に集まってきている。これは、いままでの包囲行動ではなかったことだ。
 よく、本土のマスコミなどから「沖縄は基地がなくて経済的になり立つのか」と言われる。こういう言葉はいちばん聞きたくない、不愉快な言葉だ。そういうことが頭に浮かぶ人の生活は、基地に依存した生活なのか。基地経済で成り立っているのか、と聞きたい。これまで、基地に依存して、本質的に栄えた地域はない。
 私は読谷村長時代から、年中滑走路(読谷補助飛行場)に立って運動を続けてきた。基地撤去とあわせて、沖縄の内発的な産業を興すことが必要だと思っている。


基地に依存しない沖縄を
前沖縄県収入役 山内 徳信氏

 嘉手納基地を「人間の鎖」で包囲することを通じて、沖縄が戦後五十五年間、いかに基地重圧に喘(あえ)いできたかということを訴えたい。
 五年前の少女暴行事件で、県民は怒りを爆発させた。しかし七月三日、米兵はこともあろうに就寝中にしのび込み、女子中学生を襲った。
 米軍四軍調整官は稲嶺知事に謝罪したが、この五十五年間一度もなかったことだ。これは、サミットを優先するからであり、心からの謝罪とは思えない。実際、その舌の根も乾かないうちに、ひき逃げ事件が起こった。これは、基地があるがゆえの犯罪だ。
 クリントン米大統領は「平和の礎」で演説したが、それは、「沖縄の負担はアジア太平洋の平和のため」というものだ。
 平和には二つある。一つは、軍事力による「平和」で、クリントンは米軍が存在しているから「平和」なのだということを、国際的に認知させようとしている。しかし、私たちのいう平和はそうではない。基地がないことが平和に結びつくということを、世界に発信したい。
 今回の包囲行動には、本土からも多くの参加があり、大変ありがたい。しかも、包囲行動のかなり前の時間から、多くの人びとが基地周辺に集まってきている。これは、いままでの包囲行動ではなかったことだ。
 よく、本土のマスコミなどから「沖縄は基地がなくて経済的になり立つのか」と言われる。こういう言葉はいちばん聞きたくない、不愉快な言葉だ。そういうことが頭に浮かぶ人の生活は、基地に依存した生活なのか。基地経済で成り立っているのか、と聞きたい。これまで、基地に依存して、本質的に栄えた地域はない。
 私は読谷村長時代から、年中滑走路(読谷補助飛行場)に立って運動を続けてきた。基地撤去とあわせて、沖縄の内発的な産業を興すことが必要だと思っている。


沖縄から世界へ、平和のメッセージ(要旨)

 私たちは今日、米軍事拠点・嘉手納基地を「人間の鎖」で包囲した。基地の島から平和の島へ変えるため。
 沖縄を知っていますか。太平洋戦争では地上戦が行われ、20数万人のいのちが奪われた。戦後、巨大な米軍基地を背負わされた。土地・人権を奪われ、いのちをも奪われながら、この異常さはいまだ終わらない。
 それどころか、米海兵隊普天間基地の名護市への代替基地は、耐用年数200年のとてつもない基地である。
 私たちは提唱する。対話による平和的外交の促進を。G8のリーダーたちにはその責務がある。
 私たちは、人びとが結んだ「人間の鎖」を、暴力をもっても断ち切らせはしない。沖縄をアジアの軍事拠点の島から、文化が息づく平和拠点の島にするまで。
 想像してごらん 基地も戦争もない21世紀を

基地はいらない人間の鎖県民大行動実行委員会


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