890608(中央委員会)


中国情勢についての声明


一、

 わが党は、ブッシュ、サッチャー等のようなキャンペーンに加わろうとは思わない。
 彼ら資本主義諸国の指導者たちは、人権や民主議のためにたたかっているわけではない。彼らは、社会主義中国を痛めつけ、全世界の社会主義をめざす人民の意志を最後的にくじこうとしている。
 わが国の宇野内閣、自民党政府も本質的には同じである。
 にもかかわらず、中国での最近の事態は憂慮にたえない。どんな政府も、あれほど多くの人民の行動を、反革命だとか、陰謀だとか言いくるめて、武力弾圧を正当化することはできないからである。
 決起した人民に罪はなく、その要求は正当なものである。人民の政府ならば、社会主義の政府ならば、人民の要求に最後的に応えなければならない。
 わが党は、中国政府と軍部の指導層に、人民に銃口を向ける政治を即時中止し、事態を平和的に解決する道を模索するよう強く求める。

二、

 社会主義中国の今回の事態は、すでに十ヵ年を経過した改革路線の複雑だが一つの帰結であり、一般的には予測し得る一つの可能性であった。
 現在、社会主義諸国では「改革」が潮流となったが、社会主義中国で発生した憂慮すべき事態は、決して中国的な特殊性として片付けれるものではない。普遍性もある。一部には新理論のように吹聴して「改革」路線を進めている者もいるが、今回の事態が社会主義諸国の指導者たちの教訓となれば幸いである。

三、

 血の教訓という言葉がある。人民の認識とたたかいはそれを糧として前進してきた。偉大な社会主義のための運動、国際共産主義運動もそうやって前進してきた。
 社会主義中国の今回の経験、人民の血の教訓は、社会主義発展の新しい前進のための偉大な契機、歴史的な事件となる可能性がある。また、なさねばならない。
 社会主義建設途上での、「なにがマルクス主義か、なにが修正主義か」は、これまで定かではなかった。少なくとも議論の余地があった。今回の事件はそれに大きな示唆を与えるからである。
 
 いかなる帝国主義者も、現代修正主義者たちも、社会主義をめざす人民の前進を長期にわたって阻むことはできない。わが日本労働党は、隣国の活気あふれる偉大な中国人民と日本人民との連帯を不断に強め、困難に当面している中国共産党との連携を維持しつつ、最後的勝利をめざしてたたかいぬくと、決意を新たにするものである。
                                 以上

(声明の解説)


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