99年新年旗開き


大隈議長あいさつ(3)


(3)国内問題について

 国内問題について若干触れてみたいと思います。

 小渕政権は経済も外交も翻弄(ほんろう)されるだけで、打つ手もまた効果もきわめて限られた中で、窮地に立っている。そして、ここから政治反動の道を選ぶようになってきている、これについて若干申し上げてみたいと思います。

 銀行の救済、景気対策、効果のないままの財政も限界が見えてきたんですね。これは国債をあまりにも発行することによって、国債の価格が下がり、金利が上がるという格好になった。私は党内で、ブレーキとアクセルをいっしょに踏むような格好になっている、こう申し上げている。小渕も初心者マークではありませんので、たしかに、アクセルを踏んでいるんです。ところが、一生懸命踏むんだけれども、ブレーキが横にくっついて離れない仕組みになってしまったんですね。

 ユーロ問題でもどうにもならない。米国も応じる気配はない。もし一定の枠内でゆるやかな相場制うんぬんというのならば、それは金の問題ではなくて、政治として腹を固め、対米従属を断ち切り、独立自主の道を歩むのかどうかという、決断の問題で、それがないままやろうとしても、どうにもならないと思います。

 与党内部でもどうにもならないので、フラストレーションがたまっているんですね。この間、法務大臣が、米国はまるで帝国主義ではないか、気にくわないところには爆弾を落とすと、こう言っておりましたね。もう自民党の内部ではカッカカッカきている。このような発言は、野中官房長官がもう一年くらいになりますか、北海道かどこかでした。「米国はアジア市場を植民地のように奪い取っている」、と。

 企業家の中でも、政治家の中でも、自民党政権の中でも、反米感情が非常に高まっているんです。にもかかわらず、彼らにはどうにもならん。対米関係を恐れている。小沢も「米国なしに日本は生きていけないんだ」と。やつは勇ましい男のように見えますが、こと対米関係に関するかぎり、従属的で頭があがらん。

 日本の支配層、経済界も政治家も、長い間、米国から飼い慣らされたので、米国というパラソルかなんかしりませんが、ボロボロになってるパラソルから首をひょっと出して、世界というか、世間を見たらよかろうと思う。自動車だって、サンルーフとかというのがあるが、あれを運転していると、子供が顔を出して外の景色をながめている。そのくらいの勇気があってよさそうなのに、日本の自民党はまるでその、五つ六つの子供の勇気さえないんです。世界を見ようとしない。ヨーロッパ人はそこへいくと違うんですね。営々とユーロをつくって、ざまあみろっていうもんでしょう。もちろん、一挙にドルが崩壊すると困るというようなこともあるようですが。彼らも世界の企業家ですから。

 しかしまあ、情けない日本の支配政党、自民党ですね。ただただ、銀行がきついと言えば六十兆円もの銭を用意する。貸し渋りをやられるとなんとかしてくれと、また運ぶ。どうですか。こういう政党。展望はないと思うんですね。

 つまり、こういう中で国民の生活が日一日と厳しくなってきている。

 対米追随の枠内で日本が滅びようとしているわけですから、さらにきりなく追随するかどうか、この問題で腹を固めなくては日本の前途がないと思うんです。野党も似たような問題です。腹が決まらない。そして国民が苦しむ、こうなっている。

 



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