99年新年旗開き


大隈議長あいさつ(4)


(4)労働党の闘いについて

 労働党の闘いについて、申し上げてみたいと思います。

 情勢について説明し、政権党の悪政を暴露し、野党のさまざまな欺まんを暴露する、そして闘いの方向を示す、これは政党が国民に対し、もっとも負うべき責任だと思います。

 自民党も、小沢ら自由党も、日本は米国なしにやっていけない、こう言っているじゃないですか。この連中は、勇ましいことを言っても、パラソルから首一つ出す勇気さえない。世間の五つ六つの子供さえ頭を出すのに、そんな勇気さえない。

 わが党は、ありていに世界の現状と国内政治と各政党のやっておることについて、国民の皆さんに広く真実を訴えたいと思います。それを前提にして、いくつか申し上げてみたい。

 まず、労働組合。これ、困りますね。連合も闘わない。共産党の影響下の全労連も闘わない。選挙ばっかりやる。労働組合もきちんとした本来の仕事をすべきだと思います。財界に頼って、どうして、労働者が首にならないよう、あるいは雇用を拡大することができますか。企業家は生き残らなければならないので、死活をかけて労働者を街頭に放り出すことが、自分の利益なんですよ。ただただ、連合は労資協調から離れきれずに財界にすがり、自民党とコネをつくって生きようとしている。

 だめですね、こういう労働組合は。断固として、労働者の多数に依拠すべきで、街頭に放り出された失業者、労働者階級の多数に依拠すべきだと思いますが、困ったものです。

 しかし、この労働組合もどうしてよいのかわからんのだというのも、また、事実だと思います。ですからこれから私たちは、労働組合ともできるだけ話し合って、仲良くしてみたい。全体的には、労働組合に対する批判は厳しくやっていくにしても、これは政党の本来の仕事ですから、言わしていただかなくてはなりません。

 しかし、彼らが困っていることについても、わからんわけではないので、関係改善もできることなら、する道を選び、彼らが闘う限り激励し、支援していくという道をとって、広く日本の労働者階級とわが党との関係を広げていきたいと思います。

 また、地域でも全国規模でも国民の暮らしと営業、経営の防衛のために、これまで以上に闘ってみたい。国民の皆さんといっしょに闘ってみたい。

 また、地方経済の危機はとりわけ深刻なんですね。自治体もまたとても深刻な財政状況ですね。自治体も役人や労働者の首を切る。外郭団体を片っ端から整理する。そういう合理化をやっておりますが、そういう流れの中で、私たちは自治体闘争を重視したい。

 そして、地方自治体がきちんと、中央政治と面と向かって闘う、時に要求し、時に闘いを組むように、そしてその限りで彼らと連携していく。というふうにして、地方自治体闘争を重視したい。地方議会への進出も積極的に果たしたいと思います。

 次に、独立自主の外交確立のために、国民的合意形成を目指したいと思います。したがって、この方面で、党として積極的に見解を発表したり、意見の交換をやったり、共同の努力をやってみたいと思います。

 私は、今年の新春インタビューで外交について申し上げておりましたが、各所から分かりにくいという質問がありました。そこで、あらためて、外交問題について若干触れておきたいと思います。

 私たちは旧来、中国との関係が深かったこともありますが、外交問題ではまず第一に中国との関係を考えた時期があった。当時中国は、政権を樹立して非常に困難な時期であったり、帝国主義、覇権主義に断固反対し、社会主義を堅持していました。

 こんにち中国は、経済的な面でも大きな発展を遂げています。世界政治の分野では大国として意識して振る舞い、米国との戦略的な話し合いをする、そういう大国となった。彼らは自分の戦略をもっています。したがってかつての中国に対する考え方は、もはや改めなければならないと思います。

 わが党は、中国を含む、あるいはわが国は中国を含むアジアで、本当の意味で対等に国家関係を樹立する。共生していこうと思うならば、自国に明確な戦略がなく、自国の運命を他国に任せる、米国に追随しながらやるようなことでは、もはやどうにもならない。自主・独立風に世界政治の中で、アジアで、どう生きていくかの明確な戦略的な国民的合意がなければやっていけない、こう思います。

 昨年、江沢民さんが日本に来た、それはかつてと違います。堂々と、やはり世界政治の自信でしょう。

 そして、日本に友好を訴えましたが、しかし、特に日本が歴史的に学ぶようにということを繰り返し言った。日本の右の人たちはこれに反発している。しかし、そうでない人たちも他国から言われることに好感をもったでしょうか。日本の外交も、日本の国のありようも、いかに小さな小舟のように見えたことか。そうではありませんか。

 本来、この歴史問題は他国に言われる筋合いのものではなく、自国の内部で解決しなけりゃならなかった。問題を真正面からこう立てるべきだった。中国に対してわれわれは歴史問題を反省するのではないのです。中国も朝鮮もアジアに対しても、自国の支配層に導かれるままに、国民がすべて追随して侵略をやった。そして戦後、その反省がないまま米国に次ぐ経済大国となり、一時期政治大国になるかのような状況が見られた。そして今日、まさに翻弄されることになっている。

 二次大戦にいたる過程についても、二次大戦でも、二次大戦だけではなく、朝鮮戦争でも米軍の基地になった。ベトナム戦争でも基地になった。二次大戦後、アジアの側に立たなかった。そういう現実があります。

 したがってこの問題は、これから中国が言っても言わなくても、それとかかわりなく日本人が解決する問題だと思います。そしてこの問題できちんとした清算をつけ、アジアで孤立しないように、アジアに友があるように、きっちりとした道を歩むべきだと思います。

 日本がアジアで孤立しながら、たとえばロシアや中国と対等に話し合いができると思いますか。アジアのどことは言いませんが、どの国でも日本の足元を見ていますよ。日本は米国の言いなりだということを見ている。尊敬を受けない。こういう国として日本がある限り、経済がいくらか力があったとしてもどうにもならないと思います。

 今こそ私は、個々の国との問題の前に、日本が世界とアジアでどう生きていくか。対米関係も、もう五十数年になる、清算しなくてはならない。必要な反省、謝罪する問題にもきっちりと決着をつけて、アジアから信頼される道をきちんと歩むべきだと思います。そういう外交路線をとるべきだと思います。

 わが党は、外交問題での広範な国民的合意を形成するため、各社会層の皆さん、関係方面の皆さんと共同の努力を進めたいと思います。

 また、私は今年は国民連合の発展のために、ここに参加されている皆さんと同じように、その一員として共同の方向をいっそう強化していきたい。そう思います。

 党についてでありますが、時間がなくなりました。

 わが党は、労働者階級と国民の皆さんと、身近な話でいえば、われわれの党員と党は、身近な人びとからきちんと信頼される、そういう党としての道を歩みたい。

 また党の見解もあいまいでなく、質の高い党として、党が学習しながら前進していく、そういう道を歩きたい。

 組織の拡大は、一つは全国化をあらためて大事な課題として、追求したい。

 党を大きくしていく上で、強化していく上で、私たちはこの時期に二つ、一つは労働者階級の党としての建設を進めたい。もう一つ、平均年齢がずいぶんと延びました。それでは、激動に耐えられない。若い青年男女をこの党に大量に迎えたい。そういうふうにして進みたいと思います。

 最後でありますが、途中で何回か申し上げましたように、戦略的には敵を蔑視する十分な理由があると思います。敵は決して強くない。たとえば自由党が言うように、米国は動かしがたい巨大なものではなく、確かな目で世界を見ると、敵が強くないことは歴然としています。彼ら自身が滅びざるをえなくなっている。米帝国主義とその他の主要国との協調は崩れると思います。通貨の仕組みと米国の危機の深さを見ますと、もはやそういう危機にきている、面白いですよ、これからは。世界政治は面白くなる。

 自民党は追随政治を続ける限り、ここを改めない限り彼らはどうにもならん。国民に対する説得力がなくなる。こういうことが目に見えるように進んでいる。したがって、私たちは、戦略的に敵を蔑視する十分な理由があると思います。そして、それを前提にして、わが党は意気高く、今年以降、意を決して闘っていくつもりであります。

 闘うにあたって、わが党はけっこうな経験をつんだ同志たちが各所でふんばっております。一銭も報いられることがない。そして二十五年もこの党に籍を置いて、党の方針を具体化する幹部が、今のような銭だけで動く世界で、存在することが珍しいことだと、私は思うんです。正義感がある、私事より大局、全体を重視する、歴史に生きようとする、そういう党員がいるということを私は誇りに感じるものです。

 また、党の幹部、これまた他党では信じられないと思います。カスミを食って生きているのか、そういう感じ。収入は何万しかない、そういう同志たちがこの党にしがみついて、中央とともに動いている。私は、とても中央がこういう幹部の皆さんにぜいたくは言えないと思うんです。能力の問題ではない。こうした幹部がおってはじめて、戦略的には敵を蔑視し、激動する社会とはいえ困難な時期に、歯を食いしばって結束を乱さないで進むことができる。こういう幹部なしに革命の事業は成り立たないと思いますが、幸いにして必要な幹部を、この党はもっていると思います。

 一九九九年、一〇〇〇年代という考えからいくと、今年は最後ですね。来年から二〇〇〇年代ということになります。二十一世紀は二〇〇一年からだそうですが、今年と来年は、極めて巨大な世界史の中で、節目であることに間違いはない。そして、米国のドルを中心にしたこの世界資本主義は、重大な危機に当面したというこの時期に、この旗開きをやっております。とても意義のある集会であろうかと思います。

 皆さん、引き続きこの党の闘いを見ていただきたい。この党の呼びかけの一つひとつをぜひ注目していただきたいと思います。

 団結して、できることならば共同の戦線で闘いたいということを皆さんと全国の友人、友党の皆さんにお訴えして、あいさつに代えさせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。


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