労働新聞 2003年3月25日号 青年

新入生の皆さんに熱烈に訴える
米帝国主義のイラク侵略戦争を許すな!
学生は、米国追随政治の
根本的転換のため立ち上がろう!

日本労働青年団全国運営委員長 土井くみ

 新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
 学問やサークル、あるいは新たな友人との出会いなど、大学生活への数々の期待を胸に、入学されることと思います。
 今私たちが生きている時代は、大きな変化のただ中にあります。大学生活を真の意味で意義深いものとしようとすれば、受験勉強に明け暮れた今まで以上に、自分と社会との関係、世界の中での自分の役割などを深く考え、いい意味で「悩む期間」とすることだと思います。だとすれば、その社会そのものに目を向け、積極的に参加することは不可欠なことです。
 私たち日本労働青年団は、世界支配体制の維持のために侵略戦争にひた走る米帝国主義に反対し、国民多数の利益を無視して対米追随を深める売国的なわが国政治の根本的転換を目指して、さまざまな学園で闘っています。
 私たちは、新入生の皆さんが日本労働青年団の隊列に参加されることを、熱烈に訴えます!

イラク戦争の背景に米国の世界支配戦略

 米国は、「フセインのような独裁者に大量破壊兵器を持たせれば世界の平和が脅かされる」「イラク人民を解放し、中東に民主主義を根付かせる」などと証拠も示さず決めつけて、自国が世界最大の大量破壊兵器、ことに核兵器の所持者だということは棚にあげています。そして、全世界的に盛り上がった反戦の意思と行動を無視してまで、イラクへの攻撃を開始しました。
 しかし、この戦争の本当の背景には、米帝国主義の世界支配戦略があります。
 IT(情報技術)バブル崩壊後、双子の赤字の再燃、ドル体制の動揺など経済の危機を深める米国は、一昨年の9・ 同時多発テロ事件を逆手にとって、「対テロ戦争」を掲げ、そのためには核先制攻撃や他国への内政干渉も許されると宣言、世界最大の軍事力で公然と侵略を開始し、アフガニスタン、そして今イラクと、その戦争政策を拡大させています。
 米帝国主義はイラク侵略戦争を引き起こし、何が何でもイラクに親米政権をつくり上げ、中東を握り、石油利権さらには戦略的要衝を抑えることで、中東、欧州、そして世界の支配を維持しようと狙っているのです。
 そして忘れてならないのは、この米帝国主義の凶暴な野心の犠牲になり、まったく関係のないイラクの人びと、女性や子供たちの頭上には、この瞬間にも爆弾が降り注ぎ、多くの人が殺されているという事実です。
 このような理不尽な米帝国主義のやり方に、私たちは真っ向から反対の声をあげなくてはなりません。

米国追随の小泉政権

 また、その米国にべったりと追随しているのが、わが国小泉政権です。小泉は「平和を望むからこそ、米国のイラク攻撃を支持する」などと言い、イージス艦派遣、自衛隊の後方支援など、戦争に加担しています。沖縄や日本各地の米軍基地が出撃基地となり、戦争が行われているのです。日米軍事同盟はアジアのみならず、各国の反発を買っています。
 また、小泉政権は、「わが国は北朝鮮の核の脅威を抱えている」ので米国のイラク攻撃を支持すべき、などと問題のすり替えをしています。しかし、「脅威」はだれがつくり出しているというのでしょうか。
 戦前の朝鮮侵略の歴史をなきものにし、戦後は米国に加担し米軍基地で朝鮮の人びとを威嚇しつづけ、敵視政策を続けたのはだれか。日本政府は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対して取るべき態度がほかにあるはずです。
 また、国内では、未曾有(みぞう)のデフレ不況の中、国内産業が崩壊に瀕(ひん)し、倒産や失業が続出しています。潜在的な失業率は10%を超えていると言われ、自殺する人も少なくありません。このような状態を放置したまま、よくも戦争に参加する余裕があるものです。

学生に犠牲押しつける「大学改革」

 大学生も、無関係ではありません。就職率は過去最悪です。学問自体も、そのような状況に対応すべく、適正試験や資格取得などに対応したつまらぬものとなり、およそ学問を通じ学生を育てようとする状況ではありません。
 国立大学独立行政法人化など、多国籍企業のための大学改革は、大学を生き残り競争の渦へと巻き込み、大学の統廃合や学費の高騰、また倒産を引き起こすでしょう。
 競争の中で学生の質が上がるなどという文科省の提言はウソで、学生に犠牲が押し付けられるのです。この国立大学独立行政法人化(民営化)の法案がこの国会で上程され、成立しようとしています。私たちは、何としてでもこの策動を食い止めなければなりません。
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 日本労働青年団は、1974年に、日本労働党の呼びかけに応じて結成された、自主的な青年組織です。
 これまで、対米追随の日本政治から脱却し、アジア諸国とともに生きる政治に転換しようと、そのための日米安保条約破棄を訴えて闘ってきました。イラク攻撃反対運動や、北朝鮮敵視政策反対の行動、アジア友好運動、学生の就職難・未就職問題など、各学園で日々仲間が闘っています。
 現在の日本では、学生は閉じ込められ、知ることを阻まれ、行動することを弾圧されています。しかし、今、この政治の舵を正しい方向へ切り替えなければ、私たちにはこのアジアで堂々と生きていくことや、豊かに学ぶこと、希望する仕事に就くことなど、到底かないません。
 私たちの将来を、夢や希望の多いものにするために、ともに学習し、この対米追随の売国的政治を打破するために行動しましょう!
 日本労働青年団は、皆さんの合流を熱烈に歓迎します!


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