労働新聞 2003年2月15日号 8面・青年

イラク攻撃と日本の戦争協力に反対し
学生・青年は立ち上がろう!

学生たちが集会とデモ
闘いが広がる手ごたえを実感

大学生 柴咲 透子

 京都で2月1日、イラク攻撃反対と日本の戦争協力に反対する集会とデモを行いました。米国は、一方的な論理でイラク攻撃を着々と準備していますが、それに反発する動きも今や世界各国で噴出しています。そこで、「行動を呼びかければ、学生・青年は必ず立ち上がる」と確信し、仲間と実行委員会をつくり「許さんぞ!イラク攻撃 あかんで! 日本の戦争協力2・1京都学生行動」を呼びかけました。
 前日、確実に参加を把握していたのは、友人知人ら25人ほどでしたが、当日になって「メーリングリストを見た」人などわらわらと集まり、学生・青年や労働者、また高校生も含め最終的に約50人の集団となりました。
 集会では、参加者の中から15人以上がアピールしました。デモに参加するのは初めてという友人も多くいましたが、こんな状況で黙っていられないと、「米国はイラク攻撃を止めろ!」「日米安保粉砕!」「米国こそ核を捨てろ!」「小泉は国民に犠牲を押し付けるな」などと勢いよくシュプレーヒコールを上げ行進しました。通行人も、写真を撮ったりいっしょに拳を振り上げたり、また途中からデモに加わってくれた人たちもいました。
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 振り返ると、とにかく50人もの参加者が集まったことに感激し、またこれだけイラク攻撃反対の世論が高まっているんだということを実感しました。行動の経験も少なく、宣伝不足だったことは事実ですが、知人友人以外にも多くの人びとが参加してくれ、新聞報道も3紙来たことなど、だれもが関心や怒りを抱いている情勢なんだと思います。また、東京で行われた若者によるイラク攻撃反対集会から連帯のメッセージも届き、全国的な行動の発展を感じました。
 この経験を次に生かせば、京都で100人、200人の学生を結集させることも不可能ではない。今回、学生・青年が行動すればインパクトがあり、注目されるということが分かりました。何より、この行動をもっと広げていけるはずだ! という手ごたえを、行動し闘ったからこそ感じることができました。
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 注目すべきは、参加した学生から「米国は、なぜこれほど強引なのか」「日本が米国の傘から脱却したらどうなるのか」など、学習意欲を示していることです。
 米帝国主義の各国人民に対する抑圧、米国主導の凶暴なグローバル資本主義の矛盾を、率直におかしいと伝えれば、全国の学生の結集は難しくないと思います。
 米国の態度は異様です。イラクが大量破壊兵器を保持し、テロの土壌になっているという口実のもとに、先制攻撃を宣言、武装解除を迫っています。しかし、米国こそどれだけの核兵器を持っていることか。超軍事大国の米国がそれらの理由でイラクを攻撃する権限はまったくなく、正当性がありません。ウエストファリア条約以降、他国への内政干渉、形式的ではあれ戦争に関する国際的規則が成り立ってきたにもかかわらず、昨年、元米国務長官キッシンジャーは、それを変えることはまさに米国による「革命」だなどと、寝ぼけたことを言っています。朝鮮民主主義人民共和国、イラク、イランなど、米国に反発する国を「悪の枢軸」と名指し、侵略できると言っている。こんな横暴なことが許されとでも思っているのでしょうか。
 これはまさに米ブッシュ政権が、足元の経済と、米国主導の世界金融システムの崩壊により末路に追いやられ、軍事による略奪にしか頼れなくなっていることの表れだと思います。フセイン政権を転覆し、親米国家を樹立して、大陸のど真ん中の中東を握ることにより他列強国とのし烈な利権・支配権の奪い合いに勝とうというのが本質だと思います。このことは、当然各国での反米感情を引き起こし、米国は頼れる者なく孤立化する一方でしょう。
 英ブレア政権と併せて米国に追随するわが国小泉政権は、イージス艦の派遣など早々と軍事協力を推し進めています。利権にありつくため、いつでも参戦できる状態を模索している。その裏では、失業や倒産、医療費負担増や増税などで、どれだけ国民が血を流しているのか。いい加減、日本は米国と足並み揃えたこの政治から脱却するべきです。国民の生活、経済を守れ!学生の未就職問題、失業者対策をしろ! 国民を守らない政治に未来はありません。
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 米ブッシュ政権にイラク攻撃反対の声と、小泉政権に戦争協力反対の声をあげ、イラク攻撃が始まったとしても、私たちは断固として闘います。今回の成功を自信につなげ、京都だけにとどまらず、全国300万の学生に呼びかけ、連帯と団結を深めて闘っていきたいと思います。全国の学生青年は結集しよう!ブッシュ・小泉打倒!


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