20020415

失業対策の要請行動に参加して

行政の態度に怒り爆発

日本労働青年団・学生 名波 遥


 3月27日、労働党大阪府委員会が行った「大阪府に失業者対策の抜本的拡充を求める」要請行動に、団外の学生にも参加を呼びかけて参加しました。当日は、失業者、労組員、釜ヶ崎の野宿生活者支援を行っている人など総勢14人が府庁に向かいました。
 私たちの申し入れに対して、府職員は府が取り組んでいる雇用対策や雇用創出プロジェクトを「超」早口で並べ立てました。あまりにも早口で、伝える気あるのか! という雰囲気でした。労組の方から「お宅が何を行ったかでなくて、それでどれだけの失業者が救われたのか。結果が聞きたい。大阪では野宿生活者のテントがどんどん増えてるやないか。それをどう見てるの」と問いかけがありましたが、「今行っているプロジェクトの評価はこれからだから……」など、あまり要領を得ない返事が返ってきました。
 府党委員長は「全国で2番目に高い失業率なのに、大阪府は国から下りた失業者対策の予算をそのままつけただけ。独自の予算で失業者対策をやるべきだ」と訴えていました。
 失業者からは、「仕事ないですよ。実際は」という切実な状況が訴えられました。また、他の参加者からは「府が地方自治体で率先してやったらいいじゃないの。先例つくってよ。労働行政にたずさわる人間のすることは労働者のためになる政策を行うことやろ」など、行政への不満・怒りの声が上がりました。
 さらに、釜ヶ崎で長年炊き出しを行っている人からは、日雇い労働者の厳しい現状や、府がいかにこの問題を放置し、排除する施策をとってきたかに対し、強い怒りの声が上がりました。
 終わりに近づくと、職員が「ハローワークは国の業務だから」だの「大阪労働局には行かれたんですか?」だの、国に言ってくれと言わんばかりの態度です。今は府に訴えているんです!
 終了後、参加者は皆行政側の態度に対する怒りを述べていました。ある学生は、「失業者の方や現場を知っている人たちが話しているのに、それを聞こうという態度が見られない」と怒りをあらわにしていました。またある学生は「初めてこのような行動に参加した。失業者の状況はよく分からない。自分はバイトをしている。面接をまかされることがあるが、失業者の人は応募してこない」と話していました。家庭をもっている労働者だったらバイトでは家族も養えないし、保障もない不安定なものだという話をしたら、少し分かったようです。
 私はハローワーク前での署名活動にも参加したのですが、署名してくれた失業者の話を聞いていて、「失業率が高い」という現実を本当の意味では分かっていなかったと気付かされました。学生の生活範囲は、大学キャンパス・バイト先・下宿・繁華街くらいのものですから、いくらニュースで「失業率がまた悪化」と言われてもピンと来ません。失業者の厳しすぎる現実、この社会の矛盾が学生生活からはなかなか見えない。
 しかし、署名活動や要請行動を通じて、今の社会の矛盾を肌身で感じさせられました。行政には失業者の声がまったくといっていいほど反映されていないし、失業者の声を聞く気すら見られない態度に終始イライラしていました。当事者の声をぶつけるためにこの取り組みをもっと大々的にアピールしていくことが今後も重要ですし、現状だとやれば必ず失業者の反応は返ってくると思います。
 また、労働青年団としてこのような行動に率先して学生を連れて行くことは、この社会の現実や行政がだれのための仕事をしているか、していないのかを実感する貴重な場だと思うので、今後も重視したいと思います。