991215


国労 ILO勧告受け、400人が集会

政府の責任で採用差別を解決せよ


 国鉄労働組合は十二月九日、東京で「解雇撤回! JR復帰! 政府の責任でJR採用差別事件を解決せよ! ILO勧告報告集会」を開催した。集会には国労組合員、闘争団をはじめ約四百人の労働者が参加した。
 また、国際運輸労連(ITF)本部書記長、ITFアジア太平洋地域部長からも激励のメッセージが寄せられた。
中山和久・早稲田大学名誉教授が「ILO勧告の意義について」と題する記念講演を行った。氏は「この勧告は当初予想からすれば一五〇%のできである。ILO勧告は法的拘束力はないが、国連が労働者の団結権などを保障するためにILOに依頼したものであり、国際的な『権威』あるものであり、日本政府は無視できない」と説明した。
 その上で「勧告では、政府はJRが採用を拒否した理由を提出せよ、としている。つまり労働委員会命令を無視した理由を出せということであり、JRによって無視された労働委員会制度を守れということになる」と語った。
 そして「勧告は、JRが団結権をほごにした問題は政府の労働政策によって解決されるべきだとしている。日本政府がその責任で採用差別事件を解決せよという中身になる」と語り、ILO勧告のもつ意義を分かりやすく説明し、参加者に確信を与えるものとなった。

学者、労組などが応援する会を発足

 「労働委員会を守り、国鉄闘争を応援する会(応援する会)」が十二月八日、東京で結成された。これは、鎌倉孝夫・前埼玉大学教授、佐藤昭夫・早稲田大学名誉教授、岡田新一郎・全国農団労委員長などが呼びかけたもの。
 「応援する会」は、(1)東京地裁の国労採用差別事件の不当判決が労働委員会制度そのものを否定する判決であり、労働委員会制度を守るため、(2)産業再生法や会社分割などによる雇用、権利の破壊を許さないために、(3)分割・民営化という過ちを正すため、(4)ILO勧告を広めるの四点を目的として結成された。
 「応援する会」は、国鉄闘争を支援するため、さまざまな闘争との連携を強める。例えば長期争議の国鉄闘争を支える経営基盤強化について失業者ユニオンの自主経営の事業と結びつけ、全国ネット形成をめざす。
 ニュースやパンフレットを発行し国鉄闘争を支援する人びとと情報を共有化する。編集主幹には川副詔三・平和と地域労働運動事務局が選出された。
 国鉄闘争がILO勧告や横浜国労バッジ裁判闘争勝利など有利な条件をかちとった今日、各方面から国鉄闘争を支援し、ともに闘う運動がつくられたことは意義深い。 


Copyright(C) The Workers' Press 1996-1999