991125


ILO 国労採用差別事件

不当解雇の解決求める


 国際労働機構(ILO)理事会は十一月十八日、国労が昨年末、国鉄分割・民営化にともなうJR不採用問題で団結権の侵害とする申し立てに対し、中間報告にもとづく勧告を採択した。勧告は、政府に国労とJRの交渉を積極的に促進するよう求めた。今回の勧告は、政府などへの一定の国際的圧力となり、有利な条件をかちとったといえよう。国労のコメント(要旨)を紹介する。

 国際労働機構(ILO)は、本日、国労の「苦情申し立て」に対し、理事会本会議で結社の自由委員会報告を採択した。
(a)においてILOは、国労および全動労の雇用をJRが拒否したことについて、ILO条約に違反するという認識にたったと受け止められる。そのための追加情報を提供するよう日本政府に求めている。
 (b)においてILOは、JRと申し立て組合間の積極的交渉を奨励している。加えて、関係者が満足いく解決に到達するよう、交渉促進のための政府の積極的努力を求めている。
 これらは、国労がかねてから主張し、政府・JRに求めていたことと同様であり高く評価できる。
 (c)においてILOは、昨年五月二十八日の東京地裁判決が、裁判所を含めて、順守すべきILO条約に反するものであることを間接的に指摘したものであり、今後の東京高裁における判決は、この指摘を重く受け止めることが求められる。
 (d)反組合差別に対する事件は、迅速に救済されるものでなければならないというILOの基本的立場を新民事訴訟法との関係で指摘したものである。
 国労は、政府の責任により関係者間の話し合いによる早期解決を図る決意であることを改めて表明する。
 日本政府は、ILO勧告を真しに受け止め、関係者の話し合いを積極的に奨励し、次回ILO理事会(二〇〇〇年三月)までに全面解決を図るべきである。

十一月十八日


Copyright(C) The Workers' Press 1996-1999