990905


自治労大会に参加して

中央と地方のかい離あらわに


 自治労(榎本庸夫委員長、百三万人)は、八月二十四日から二十七日まで、宮崎市内において全国から代議員、中央委員や傍聴者など、六千八百人が参加して第六十九回定期大会を開催した。

 自治労の大会方針は一昨年から二年ごとの提起となり、今年は二〇〇〇年から二〇〇一年の「二十一世紀に向けた」大会方針となった。

 今年の大会では内外の情勢を反映し、地方圏の代議員から新ガイドラインや民主主義の課題、また地方行革や合理化反対の課題で労働組合の原点である大衆闘争を強めるべきだとの発言が多く出された。

 また、政治方針にかかわる「補強修正案」が沖縄県本部など一十県本部(沖縄、宮崎、佐賀、大分、香川、富山、長野、新潟、山形、秋田、青森、岩手、宮城)から出され、その趣旨が取り入れられることになった。

 議案は「総選挙闘争を民主党への支援・協力を基軸に闘う」から「また、社民党も支援して闘います」という文章を挿入して採択された。

 十年前の労働戦線統一の議論の中で、「労働組合もグローバルなものの考え方をするべきで、古い体質を脱却すべき」などと盛んに言われた。連合は政策提言型労働組合を進め、歩調を合わせるように、自治労も政策提言を主張してきた。それが「介護保険法」であり「地方分権法」、そしていま「自治体改革闘争」である。その結果、労働組合の武器である団結と大衆闘争を弱めてきた。

 そして今回、大衆闘争を強化する必要さをめぐって、政治方針をめぐって、東京、大阪などの大都市圏・中央と、大多数の地方圏の県本部の意見の相違が表出した。

 これは、最近の自治労大会ではみられなかったことである。危機の深まり、敵の攻撃の強まりは、地方圏の代議員の意見に代表される労働運動の原点に立ち返った大衆闘争にもとづく自治労運動の再構築を求めているように感じた。

 大会での代議員の発言を一部紹介する。

   ◇  ◆  ◇

 現業評議会からは「全現業労働者の思いを述べたい。地方財政危機に乗じて人員削減、民間委託攻撃をかけられ、その矢面に立たされているのは現業労働者だ。八一年に現業労働者は三十万人余といわれたが、今日では十九万人に減少している。自治体改革闘争に埋没することなく現業統一闘争を自治労産別闘争として取り組みの強化を。闘争本部長は榎本委員長が担うべきだ」

 「九九春闘で連合は単産自決方針で指導的役割を果たさなかった。また、自治労は従来、春闘時は民間相場形成支援と人事院勧告完全実施の政府確認にとどめてきたが、実質マイナス勧告となった九九人勧の結果を踏まえ、春闘の獲得目標を労働基本権順守を展望した人勧制度改革提案とするなど自治労春闘の再構築を」(宮城)

 「連合十年の総括を。政策闘争は連合でというが、ほとんど修正対応、悪法には断固立ちふさがる大衆行動があってはじめて、政策闘争が血となり肉となって組合員一人ひとりのなかに浸透していくのではないか」「政治活動は選挙闘争だけではない。政策闘争を含めて平和・民主主義・環境・地方分権などを日常的にどう闘ってきたか。平和があってこその労働者の権利と人権だ」「『周辺事態法』は自治体労働者の権利にかかわる問題であり、これと闘うのは憲法九条改悪を阻止する闘いである。日の丸・君が代で自治体労働者が処分されないための対応のシステムを」(新潟・総括討論)     (K)


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