990825


福岡・地公労

17年ぶり、3500人の決起集会

人件費抑制攻撃に反撃


 地方財政の悪化を理由に、都道府県では県職員、教職員などの給与削減、職員定数の削減など人件費抑制攻撃が強まっている。福岡県では八月五日、県職労など三千五百人が、職員の五%削減や給料の三%カットなどに反対する総決起集会を行った。


 福岡県では、麻生渡県知事が「緊急財政改革」の一環として、給与減額と特別昇給の凍結などを労働組合に提案。労使での話し合い途中の六月県議会で自民党の代表質問に答えて、1)二〇〇一年度まで給料月額の三%カット、2)特別昇給の三年間凍結、3)来年度から五年間で職員定数を五%削減するなどの人件費抑制策をとることを表明した。

 これに対し福岡県地方公務員労働組合共闘会議(「地公労」=福岡県職労、福岡県高教組、福岡県教組)は、「県財政運営のあり方そのものに大きな原因があり、県当局の責任を明確にせよ。一方的な賃金や定数の削減に反対」と抗議の姿勢を強めている。

 八月五日午後、福岡県地公労は、福岡県庁前に三千五百人の組合員を結集し、「地方財政危機突破地公労総決起集会」を開くとともに県当局に対して交渉を行った。地公労が、県庁前で大規模な集会をおこなったのは亀井県政以来の十七年ぶり。

 集会では、地公労を構成する各労組からそれぞれ経過報告、決意表明などが行われた。集会後、県当局との交渉が行われ、県当局の財政運営の責任を追及、夕方からの報告集会で交渉経過が報告された。

 炎天下にもかかわらず、参加した組合員は一方的な人件費削減の攻撃に強く怒り、最後まで闘う姿勢を示した。

 福岡県当局は、九月県議会での決着をめざしており、いまもギリギリの攻防が続いている。麻生県知事は多党相乗りで再選を果たしたが、直後から足元を掘り崩している。労働組合は、いやおうなく闘わざるをえなくなっており、安易な妥協は許されない。

 また、今回の人件費抑制攻撃は、単に県職員や教職員への問題にとどまらず、市町村職員などへの大規模な人件費抑制攻撃の突破口となる。さらに県民サービスへのしわ寄せ、教育、福祉などへの犠牲の押しつけが進められようとしている。財政悪化のツケを県民に押しつける麻生県政を包囲する広範な県民世論の結集が求められている。


県当局は財政悪化の責任をとれ
福岡県職員労働組合 砂川 由弘書記長

 地方財政危機を理由にしているが、県当局は、なぜそうなったのか、財政悪化の原因と責任を明確にすべきで、一方的な人件費削減、職員へのしわ寄せは認められない。しかも、今回労使間での話し合いも進まないうちに、県議会で、自民党の代表質問に対して、具体的な数字まで出した。知事選後すぐに職員へのしわ寄せということに、組合員の中には不満が高まっている。

 財政悪化の原因は、起債を伴う大型事業の見直しが不十分だったり、国の景気対策に追随して公共事業を拡大していったことなどが大きい。そのことについて県当局の責任を明らかにすべきだ。県職労としても、建設事業の見直しなど抜本的な構造改革のための具体的な提言をまとめようとしている。

 景気の動向が見えない現在の経済状況を考えれば、三年間辛抱しても、その後に展望が開けるという保証はない。職員への負担を少しでも軽減させるためにがんばる。


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