990625


京成労組電車支部

リストラ攻撃をうちやぶる

強い団結と組織づくりを


 京成電鉄労働組合電車支部は一月八日に二百六十六人の合理化提案が出され、「白紙撤回」を求めて交渉していた。春闘では「反合理化春闘」としてステッカーやポスター、集会などを行ってきた。六月十五日の交渉で組合執行部は百五十六人削減(退職者不補充と出向)で合意、二十一日に報告集会を開き、四百五十人の組合員が参加。

 報告にたった電車支部の山崎伸二支部長は、「二百六十六人を百十人についてははね返すことができた。しかし資本主義社会だから、いつまた会社が合理化を出してくるかわからない。本当に合理化をはね返すには、組合員一人ひとりが学習、討論、交流しながら団結を深め、みんなの力ではね返していく組織体制をつくらなければならない。その面の弱さから全国でリストラが吹き荒れている。本当に反対できる団結と組織をつくっていくことを、今回の闘いから学んで次の闘いにのぞみたい」と組合員に訴えた。

 全国的にリストラ攻撃がかけられ、失業率は五%にのぼっている。京成電車支部の闘いでは白紙撤回はかち取れなかったものの、このような闘いは労働者を教育し、組合を強めていくだろう。

 会場で、職場の状況やだされている意見などについて聞いた。


企業の思想攻撃はね返さねば(駅務分会役員)

 合理化は働く職場、家族の生活などに影響がある。職場がなくなれば俺たちに直接関係するし、将来子どもたちが鉄道業に入りたいと思ったときに仕事があるかということも含めて、「いま何をがんばれるか」と闘ってきた。今回の妥協点についても賛否はいろいろある。よくがんばったという点と、まだまだ闘いが不十分という二つの意見が職場にある。

 合理化案は機械による省力化ということだが、作業の見直しにともなう人減らしの要素が強かった。だから本当に労働密度が高まる、労働強化になるという意見が職場でたくさん出された。賃金が上がらない中で労働密度が高まるのは、賃下げになるという意見も多い。

 昔は信号取り扱い所という職場があちこちにあったが、TTCという運行管理システムが導入されたことで三つに減った。中央で運行を管理することで働く職場がなくなってしまった。この問題に対する総括が、組合として不十分だと思う。

 結局機械化で、職場がなくなる、労働密度が高まる。それと、最近体をこわす人が非常に多い。健康診断でも病気にかかっている人が少しずつ増えてきている。

 また会社は、労働者一人ひとりのものの見方を重視して、「社員教育」に力を入れている。「京成電鉄労組の組合員という意識はいらない。京成電鉄株式会社の社員としての意識をもってもらいたい」という攻撃がかけられている。このような攻撃に対して、一人ひとりの労働者や、労働組合の役員でさえ、規制緩和による競争激化を背景に、「会社が競争に勝つために」という意識をもってしまっている。今の赤字不況攻撃のなかで、労働組合そのものが闘えなくなってきているのではないか。京成一社内だけの闘いでは不十分だと思う。


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