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連合 全国で「雇用・生活危機突破」集会・デモ

政府は働く者の声を聞け


 連合は1.百万人雇用創出、2.年金改悪反対、3.医療改革断行、4.派遣法大幅修正の要求を掲げ、「雇用・生活危機突破」をスローガンに、全国的な運動を展開している。労働者派遣法・職安法の改悪案の参議院審議のヤマ場をむかえた六月八日から十二日には、全国二十二の地方連合会が集会などを取り組んだ。


東京 1万人が中央行動
国会周辺でアピール

 連合と連合東京は六月九日、「雇用・生活危機突破」をスローガンに、一万人行動を行った。行動は国会アピール行動と中央集会、デモ行進がとりくまれ、全体で一万人の労働者が参加した。行動には連合要求実現応援団や日本高齢・退職者連合、部落解放中央共闘会議、憲法擁護平和・人権フォーラムなど十二団体も参加した。

 国会アピール行動では、労働者約六千人が連合のマーク入り帽子を被り、スローガンのかかれたうちわを手に国会周辺に集結。シュプレヒコールを上げ、ねり歩いた。

 アピール行動を終えた労働者は、国会に近い日比谷野外音楽堂で開かれた中央集会に合流、さらに集会後には銀座へデモ行進を行った。

 集会で鷲尾・連合会長は、「非自発的失業者が増大し、雇用情勢は深刻さを深めている。政府は後手ごての対策しか打てず、政府の政策責任は極めて重大だ。便乗して安易なリストラに走る経営者も企業の社会的責任を放棄している」と政府、財界を批判した。

 各政党の決意表明では、民主・公明・自由・社民・改革・さきがけが発言した。公明党と自由党のあいさつには、「帰れ!」「何でおまえらと連帯しなければならないんだ」と自民党と共に労働者への犠牲を押しつけようとする二党に、参加した労働者の怒りが爆発した。


大阪 5000人が結集
失業率ワーストワンにNO

 六月十一日、大阪市で「雇用・生活危機突破大阪府民集会」が約五千人を結集して開催された。集会は連合大阪、解放同盟など八団体の共催。

 真場成人・連合大阪事務局長が「近畿の完全失業率五%という状況を克服し、生活不安克服のためがんばろう」と力強く開会あいさつした。主催者として前川朋久・連合大阪会長は「メーデーで雇用不安の解消を訴えたが、事態は悪化の一途。失業率は大阪がワーストワンである。政府は党利党略で各種法案を通している。将来の生活不安に怒りがわいてくる。働く者の尊厳を無視してリストラを行う経営側の態度に怒りをもって行動しよう」と訴えた。

 共催団体からは健保大阪連合会の南修三副会長が「医療保険制度が崩壊しようとしている。リストラなどで保険収入が減少し、八五%の健保が赤字となっている。政府の責任は大きい」と訴えた。政党あいさつで社民党の辻本・参議院議員は「雇用対策に政党の壁を越えて力を合わせてやっていきたい」と述べた。

 「障害者の自立と完全参加をめざす大阪連絡会議」の岸田美智子氏の腹の底からの怒りの声で集会決議を採択した後、参加者はデモ行進し、大阪の町にシュプレヒコールが響きわたった。

 連合がこのような大規模な集会・デモ行進を行うのはめずらしく、雇用危機と体制的な危機が深化し、連合も闘わざるを得ないところまできていると感じた集会だった。(K)


福岡 政府のリストラ支援 怒りの行動を

 六月十二日「雇用・生活危機突破県民大集会」が、福岡市の天神中央公園で開かれた。県内各地の労働組合員など約二千人が参加した。

 集会では、主催者を代表して盛貞人士・連合福岡会長が、倒産やリストラなどで「非自発的失業者」が大幅に増えている実情を紹介、「政府は有効な手だてをうっていないばかりか、経営者の一方的な『競争力強化』に向けたリストラ減量支援、流動化促進の後押しをしようとしている。連合方針を支える政党とスクラムを組んで、雇用と生活の危機を突破する運動を展開しよう」と呼びかけた。

 民主、社民、公明など各党の国会議員のあいさつの後、「百万人の雇用創出、年金改悪反対、派遣法大幅修正」「雇用・生活危機の突破にむけ、県民各層との連帯で悪循環の流れを変えて、福岡から全国へ怒りの行動を繰り広げよう」とした集会アピールを採択した。集会参加者は、福岡市の繁華街・天神をデモ行進し県民にアピールした。


京都 解雇撤回・雇用確保をめざす
総決起集会に3千人

 連合京都は六月九日、「解雇撤回・雇用確保をめざす京都地方総決起集会」を京都市の円山野外音楽堂で開催した。集会には連合に加盟する労働組合から約三千人が参加した。

 主催者を代表して片山・連合京都会長は、「完全失業率は四・八%と二カ月連続で過去最悪を記録している。経営を厳しくチェックし、不況に便乗した安易なリストラを許してはならない」とあいさつした。

 集会後、参加者は四条河原町など繁華街をデモ行進し、「雇用・生活危機突破」へ向け、「首切りリストラ反対」「政府は百万人の雇用をつくれ」などとシュプレヒコールをあげた。


愛知 連合の力が問われている

 連合愛知は六月十二日、名古屋市の栄小公園で「雇用・生活危機突破緊急集会」を開催した。集会には千三百人が参加した。

 集会では、小田桐・連合愛知会長のあいさつに続いて各政党代表があいさつした。

 また組合からは、商業労連の代表が「愛知県内では十六万人超の失業者がいる。これ以上出してはいけない。いま問われているのは連合の力の発揮だ」などと発言した。

 集会アピールでは「市場万能主義や市場中心主義の流れの中で、日本社会の安定的な基盤である雇用や社会保障が経済のグローバル化や財政危機のもとに根本から脅かされている。雇用安定・確保の実現はもとより、きちんとしたワークルールを確立し、生活のあらゆる分野におけるセイフティネットの整備をはかり、社会的公正を実現しなければならない」「勤労者や国民を犠牲にした『企業と経済の再生』などあってはならないし、勤労者の不安をあおり消費減退を招いたままた景気回復が実現できるはずもない」と宣言した。


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