990425


未組織の組織化で労働者の権利を守ろう

今こそ組織化のチャンス

全国一般福岡地方本部 浦 俊治 執行委員長に聞く


 全国一般では毎年、未組織の組織化に取り組んでいる。中小の組織率は一・五%ぐらいしかなく、それが状況を悪くしている。だから組織を拡大することが労働基準法を守らせたり、最低の労働条件を向上させたりする。労働組合がないと力にならない。そういう意味で未組織の組織化というのは毎年の大きな柱だ。

 昨年は福岡では、四百人ぐらいの拡大の実績を上げた。これまでも毎年数百人ずつ拡大してきたが、中小の場合は高齢化しており定年退職などで、年間数百人が減ってしまう。

 拡大にはいろいろなケースがあるが、企業内組合から全国一般に入ってくる労働者もいる。今の状況では、企業内組合では力にならないと、交渉力のある労働組合、それこそ組織の力を借りたいと加盟してくるケースがある。

 また、基準法違反の問題などで全国一般の組合員と接した労働者が、「労働組合つくらないと解決しないよ」という話を聞いて入ってくるケースもある。

 中小では労基法すら守らないところがほとんどだ。組合のないところでは、九〇%以上が労基法を守っていない。残業単価の算定方法を無視したり、残業手当を払わなかったり、有給休暇もまともに与えないなどという状況があり、組合のないところはそれが当たり前になっている。

 そのような条件の悪い職場で働く労働者が、組合のある職場の話を聞けば、「ああ自分のところはでたらめだな」と感じる。さらに不況になってくると、会社側が勝手にいろいろな提案をしてくる。そういう意味では労働組合の必要性はものすごく高まっている。

 会社が不況で大変なのはわかるが、どれだけ経営者としての責任をもっているのか。労働者に一方的なしわ寄せにならないために、労働組合が団体交渉で対等な形で交渉する。賃金切り下げ攻撃があっても、最低限は守らせるという、それが交渉の力だ。

 未組織の職場にはその力がないので、一方的に賃金切り下げられたり、労働条件が悪化させられる。そうしないと企業を守れないという一方的な押しつけだけがやられていく。

 私たちが主張しているのは、今こそ労働組合の必要性を訴える時期なんだということ。労基法は改悪されたが、それでも労働協約が基本となって労働者が守られる仕組みになっている。しかし全体でも二二・数%の組織率で、中小の場合は一・五%しか組織がない。中小でいえば九〇%以上が労働協約さえもわからない、結べない状況にあり、一方的に攻撃にさらされる。いまこそ労働組合をつくってちゃんとした労資の関係をつくらないとよけいひどくなる、というのが私たちの認識だ。

 春闘の中で、いろいろな相談がある。そういう相談に対して積極的に私たちが労基法違反の問題や労基法が改悪された問題を訴えている。春闘後の六ー七月ぐらいには組織拡大の集中月間を取り組んでいこうと考えている。


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